インタビュー

藍井仁役山田裕貴さん

本作のオファーを受けた時の感想は?
「素直に“すごい、月9だ!”という感想でした(笑)。まさか、自分の人生が月9に出演出来る道のりになるとは想像していなかったので、単純に“わぁ、すごい”という思いしかありませんでした」
月9のイメージは?
「『プライド』、『HERO』など、いろいろな作品を子供のころからよく見ていました。最近の作品では、吉沢亮くんが出ているなぁとか(『PICU 小児集中治療室』)、自分と同年代の人たちが主演として出始めているイメージです。ただ逆に、どんな枠だろうと、どの場所でも自分がやることは変わりません。自分が今までやって来たことを、今回もしっかりと出来ればいいなと思っています」
本作はオリジナル作品になります。企画や台本を読んだ時の印象は?
「着眼点がとても素敵だなと思いました。今の時代、ネットニュースや決まった文字数の中で書かれたことばかり読んでいる人が多く、その中の真実なんて本当は見えていないと思います。当事者にしかわからないこともある、それは事件の加害者も被害者も事件ではないニュースでも…。僕は書かれていることを全く鵜呑みにはしないし、信じないタイプなんです。今回の作品の1話にも出てくる模擬裁判では、法律というルールをかいくぐる被害者や加害者が出てきたりします。そこでは、“何が本当なのか?”と問いかけられます。本当のことなんてないんじゃないか?とも思わせられます。そういうところを、もう一度皆さんにも見直してもらうことが出来る作品になったら良いなと思います。また、ロースクールの学生たちがそれぞれに思いを抱えながら、司法試験という難関に立ち向かっていく姿や、世の中で簡単に語られ、文字などで読めるもののどれが真実で、どれが偽物なのか?を疑う目を持った方が良いということもドラマを通して考えていただけるのではないかと思っています」
演じる藍井仁はどのようなキャラクターですか?
「衣装やメイクによって、どんな人物なのか徐々にわかってくるんじゃないかと思っていたんです。逆に言うと、台本だけだとどのようにもなれる。カッチリしたスーツを着た格好良いスタイリッシュなキャラクターでもいけるし、ラフなスタイルでもいける…(人物の細かい方向性を)メチャクチャ任されているなと(笑)。衣装合わせの時も、両極端な衣装が用意されていてキャラクターの方向性がはっきりとは決まっていなくて、スタッフさんたちと話し合いながら徐々に詰めていきながら、この衣装になりました(笑)。藍井はクセが強目には見えますが…とにかく学生たちは試験に合格しないと時間や費やしたお金がもったいないと考える男。法律を活かせない職業に就くなら今の時間は無駄、だから司法試験に合格しろ、勉強しろ…ただ、それだけなんです。でも僕は、出来ない学生への厳しさ、切り捨ててしまう藍井の姿も、逆に愛情に見えれば良いなと思っています。司法以外にも可能性があるかもしれないという学生たちへの愛情ですね。柊木(北川景子)は学生たちと一緒に勉強していこうという真逆のタイプなので」
藍井と柊木の対立も?
「藍井は柊木と対立するとすら考えてはいないと思います。柊木の指導を正しいとは思わず、ただ甘いと。藍井は柊木のように皆と一緒に考えるのではなく、元々人間は孤独なので、自分で解決していかなくてはいけないという考えなのでしょう。藍井も人を信じていた時代もあったとは思いますが、法曹界で生きていくためには人を信じるだけではダメだという意識なんです。すみません、何だか藍井が入って来ちゃってます(笑)」
柊木を演じる北川景子さんの印象は?
「このドラマで初めましてになるかと思ったのですが、大河ドラマ(『どうする家康』(2023年1月放送))でもご一緒になりまして。“来年も一緒だね!”とお話ししていて、北川さんも“来年は山田イヤーになりそう”と言ってくださりました(笑)。それぐらい気さくに話してくださる方です。すごくお綺麗でシュッとした方なので、クールだったら僕は絶対に話しかけられないなと思っていたので、すごく安心しました。僕が仕事を始める前から、ドラマなどに出演なさっている方なので、そんな北川さんと今回は対になる役をいただけたこと自体も本当にありがたいです」
収録現場で楽しみにされていることは?
「どの現場でも、まず芝居を楽しみたいと思っています。でも、今回は苦労するんじゃないかな?とも思っています。なんといっても藍井役ですからね。僕はプライベートでは暗い感じですが、現場では明るいタイプ(笑)。だから、藍井との切り替えをどうしようかと考えています。台詞も難しいし、それを藍井としてスラスラ言わなくてはいけません。芝居をしている感じではなく、あくまで内面から出てくる藍井を考えて増幅しないと薄っぺらくなってしまう。現場では藍井を本当の人間にするようにがんばります!」
最後に視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
「今作はただの教員、学生が登場する学園ドラマではありません。女神と書いて「テミス」と読むのも新しいですし、サブタイトルで“青春白書”と付いていますが、ただの青さや春っぽさではなく、厳しさや辛さ、人間が生きていくことの大変さを法律に絡めて見せて行くドラマなので是非楽しんでいただきたいです。ドラマの登場人物たちと同じような悩み、苦しみ、辛さを抱えた方たちには、みんな一緒だと感じていただけたら嬉しいです」

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