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2019.2.27

血まみれのシャツで雑踏を疾走…「初めて和賀の魂が宿った瞬間」
殺人犯に初挑戦 中島健人がクランクイン

3月28日(木)放送のフジテレビ開局60周年ドラマ『砂の器』で天才作曲家、和賀英良(わが・えいりょう)を演じる中島健人がこのほどクランクインした。初日に撮影したシーンは、まさにドラマの冒頭で出てくるもので、彼が人をあやめた直後を描いている。2018年ハロウィーン当日、東京・渋谷で血まみれのシャツに黒いマント姿で、仮装を楽しむ人たちであふれる街を駆け抜けるというものだった。       撮影は、寒空の中、車両通行止めにしたとある街の一角を使って行われた。仮装した多くのキャストがスタンバイする現場はまるで2018年の渋谷そのもの―。そんな中に中島はスタッフに拍手で迎えられると、笑みを見せ「よろしくお願いいたします」と丁寧にあいさつしたが、すぐに表情は一変し“和賀英良”に。一見ハロウィーンの仮装軍団にまみれているように見えるマント姿の男だが、その逃げ方は鬼気迫るものがあり、セリフこそないが中島の作品へ向けられた熱い思いが爆発した瞬間だった。今回、走るシーンをさまざまな角度で撮影したが、「カット」がかかるたびに丁寧にモニターチェックをする中島。撮影終了後、クランクインの感想はもちろん和賀英良という男への思いも語った。

キャストインタビュー:中島健人さん

クランクインの感想は?

「“ただ走っているシーン”なのでは、と思うかもしれませんが、今日こそが大事なんです。和賀英良が一番自分の体に入り込む瞬間を捉えるのは、初日にしかできない、と思っているので。人を殺害した直後で疾走するというのは、普通の走りとは違い“逃げる”という意味の走りで、自分も色々な役を演じてきましたが初めての感覚だったので、スリル感のある、ひりひりとしたクランクインとなりました」

監督からどんな話が?

「監督は“『砂の器』は耽美で繊細な側面を兼ね備えた作品だ”とおっしゃっていたので、すべてに置いて繊細に取り組んでいきたいと思いますし、一分一秒でも逃したらいけない感覚がこの作品にはちりばめられているので、どの表情も見逃してはならないという気持ちで和賀を演じていきたいな、と。監督のお言葉を聞いて改めて感じました」

こまめにカットをモニターでチェックしていましたが?

「ファーストカットが、初めて自分の中に和賀の魂が宿った瞬間なので、チェックしなくてはいけないと思っています。僕は関わる作品については、チェックはマストだと思っていますが、改めて和賀という役は繊細なので、細かくどういう表情していくべきか監督と話しながら毎回、丁寧に確認していきたいと思います」

白いシャツにマントという衣装について

「これは、歴代の『砂の器』を映像化した作品のなかでも現代の感覚を取り入れた2019年バージョンと言えます。ハロウィーンの渋谷を疾走していく和賀のシーンは過去の『砂の器』にはないので、新鮮味もあると思います。映画の和賀の装いは白いタートルネックでしたが、今回は白いワイシャツ。白というところが共通しています。(血をつけて走るというシーンについて)作品的にも真っ白なものほど汚したくなるものなのでしょうか…。『砂の器』ファンの方にも、新しい和賀を楽しんでいただけるように尽くしたいと思います」

和賀英良(わが・えいりょう)…中島健人

世界的な評価、そして甘いルックス…若くして天才の名をほしいままにした、高名な作曲家。頭脳明晰、クールで気難しく、寡黙な男。和賀家の一人息子であるが、養子だとも噂され、一切のプライベートは謎に包まれている。現大臣・田所の娘・佐知子と婚約しているが、政略結婚だと揶揄する者も多く、実際、和賀は野心家であり、使えるものは何でも使うという気概を持つ。銀座のバーテンダー・梨絵子と愛人関係になっている。和賀は、自分の作曲人生の集大成ともいうべき新曲「宿命」を近日発表すると明らかにし、コンサートに向け、その作曲に力を入れていた。それは彼にとって命を賭けてでも成し遂げたい、まさに「宿命」の作業だった。

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