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2019.2.27

「育った市営住宅に似ている」演じる今西刑事と共感も…
主演・東山紀之クランクイン!初共演の後輩・中島健人への思いとは

3月28日(木)放送、フジテレビ開局60周年ドラマ『砂の器』の主演・東山紀之が、このほどクランクインを迎え、自身が演じる刑事・今西栄太郎(いまにし・えいたろう)について、さらに共演する事務所後輩の中島健人とのエピソードを語った。

東山が演じる今西は、警視庁捜査一課のベテラン刑事で、出世コースから外れているが、周りからの評判は気にしていない。普段は穏やかで口数も少ないが、犯人を追い詰めるときは鋭い眼光でその執念をむき出しにする。ハロウィーンの渋谷で撲殺体が発見された事件は、早々に目撃情報をつかむも捜査は難航。今西は後輩刑事とバディを組み、地道な捜査にとりかかる。そんな今西は、DV・ギャンブル狂いの父とアルコール中毒の母を持ち、不遇な環境で育った。自分は温かい家族を作ろうと思い描き、結婚もしたが、多忙であることから妻に不倫され、その後自殺によって妻を失い、現在はさみしく一人暮らしをしている。中島健人演じる、和賀英良(わが・えいりょう)とは、捜査を通じて対峙。和賀の境遇に思いを馳せ、時に自分の過去を重ね、感情移入していく。

クランクインの現場は、今西が一人暮らしをするさびれたアパート。スーツ姿で、真っ暗な家に帰宅し、ほとんど空っぽの冷蔵庫を開け、ひとり缶ビールを飲みため息をつくという、今西の人となりをうかがえるシーンからスタートした。部屋の中は、着古したワイシャツが壁に掛けられ、テーブルには無造作におかれたつまみの箱や新聞など、色気のない、むしろさみしささえ感じさせる空間だ。演技の合間、監督からカットがかかっても表情ひとつ変えず、役に集中し続ける東山。普段からクールなイメージの東山だが、この作品に対する熱い意気込みを熱く語った。

キャストインタビュー:東山紀之さん

クランクインの感想

「(自宅アパートが)雰囲気のあるロケ地で、方向性が見えた気がしましたね。このマンションの外観を見て、今西という役の人となりが何となく自分の中で整った感じがしました。というのも、実際に僕が育った市営住宅にとてもよく似ていて、共感する部分が蘇ってきました。そんな空気感を知れて、自分の中のイメージと合致する部分が多くなりました」

今回の役作りについて

「『砂の器』(映画)は、幼少期に見た記憶があって、それを改めて見ました。丹波哲郎さん(今西役)がお元気で、加藤剛さん(和賀役)も美しかったですよね。島田陽子さん(和賀の愛人役)、緒形拳さん(三木役)など、お世話になった方がいっぱい出演されています。その時代から時間が流れている中、清張先生が描きたかった“偏見”と“差別”は、現代では“人間の内にあるモノ”として変わってきたのかなと思いつつも、まだまだ非常に大きいと感じています。清張先生の描きたかった“人間のゆがみ”みたいなものは、ほとんど変わっていないのだなと思いました。それを今回は、僕と中島健人とで描いていけたら良いなと思いますね」

中島さんとの共演について

「健人からは、役が決まった時にとても興奮して電話がかかってきて、僕としても今回組めて、ましてや清張先生の作品でできるというのは大変喜ばしいことでもあります。彼は今24歳で、彼のキャリアの中でも大きな作品のひとつになると思いますので、そのサポートも含めて組めたら良いなと思います。また、彼の出方によっては変えようかなと思っていますが(笑)、組んだときに彼がどんな技を仕掛けてくるのかによって、こっちは肩すかしにするのか…、しっかり組んでともえ投げにするのか…、いろんなことを考えています。向こうはすごい勢いで来るでしょうから、それをがっつり受け止められれば良いなと思います」

中島さんへアドバイスなどは?

「とても頭の良い子なので、僕が何かを言って…ということではないと思います。今回は、殺人を犯している彼と、内に闇を抱えている刑事ですから、そういう意味では表裏一体というような感じが作品からは香ってきます。“彼が僕であって、僕が彼であって”という気持ちでやっていこうかな、と。共演する部分は3シーンくらいなのですが、お互いにそれぞれ思いを巡らせていきますから、そういう意味では恋愛に似ているのかもしれません」

さまざまな役者が本作を演じる中、出演依頼がきた時は?

「清張先生の作品は何本か出演させていただいています。そんな中でも、『砂の器』は名作中の名作ですし、丹波哲郎さん(映画での今西役)とは、役のアプローチ、表現方法は変わってくると思いますが、清張先生の描いてきた“人間の内面”をえぐるような作品ですので、皆さんの期待に応えられるようにしていきたいなと思います」

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