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第18回(年末特大号)
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「ポーとメリーのクリスマス」後記

12月23日放送の「ポーとメリーのクリスマス」はいかがでしたか?
「はげつう」をはじめてからはじめてのテレビオンエアですので、この13話について、書きます。
関東以外でまだ見てない人、見逃した人ゴメン。(ネタバレもろありですので、見てない人は、イラストを下まですっとばしてください)

*見逃した方へ、有楽町の会場でビデオ上映しています。

前にも書いたのですが、12話で一区切りしたので、今回は「ポーの休日」というタイトルで、1話だけそのタイトル通りの話にしようと思っていたのですが、考えていくうちに「ポーとメリーのクリスマス」になってしまいました。
でも、内容的にはポーのお休みという感じの話です。漠然と、月から落ちてきたウサギを月にかえしてあげるというネタがあったので(第3話に似てるが)、それをクリスマス風にアレンジしてあの話ができました。そんでもってポーとメリーも(夢の中で)月までハニームーン(?)したわけです。
今回の声の出演は原さん、遊佐さんに加え、サンタ役はあがた森魚さん、ウサギのラジ役は西岡由美子さんにお願いしました。あがたさんはあの「赤色エレジー」の大御所です。西岡さんは昔聴いていた「クララサーカス」というバンドのボーカルだった人です。
音楽もニューヨークが舞台なのでちょっとジャジーにしてもらいました。特に夢から覚めたエンディング部分で流れる「ストレイシープのテーマ・ニューヨーク・ジャジー・ミックス」がシリーズ初のハッピーエンド(?)をさわやかにしめくくってくれてます。

さて今回は特別に、舞台となったニューヨークの名所案内をいたします。






「はげつう・15」でもお見せしたトップカットです。このカットで、もしやポーは、12話のアリゾナからずーっと走り続けていると、思った人はいませんか?(いないか!)この橋はセントラルパークの真ん中やや南にあるザ・レイクという湖(池?)にかかるボウ橋という橋です。ボウ橋?ポー橋と似てますね。






ザ・レイク脇に位置するベセスダ噴水の中央に建てられたエマ・ステビンス作の「水の天使」像です。背後に大きな建造物が見えますが実際はありません。構図的にほしかったのでいれてます。メリーの悲鳴が響くカットですが恐怖感を出すために天使の後姿にしてみました。しかしながら、遊佐ミモリンの悲鳴はとてもカワイらしく、状況がどうであれ、ポーとならんでなんか呑気なメリーのキャラクターをかもし出してくれています。






上に同じくベセスダ噴水を取り囲む花壇に雪が積もった状態です。その花壇に巨大人参がささったのです。






ザ・レイクの東側にある「不思議の国のアリス」像です。実際は絵の印象よりも大きな銅像です。登場人物のラジと三月ウサギの対面が面白くて絵にしました。この絵はオンエアに先駆けて有楽町の会場でも展示したし、ポストカードにもなったので、13話は「不思議の国のアリス」をモチーフにしたものと思った方もいたようです。






ザ・レイクの南に広がるシープメドウという約8万9000?の広大な広場です。
公園ができた頃は、羊が放牧されていたらしいです。






次も、ザ・レイクの南にあるストロベリーフィールズ。故ジョン・レノンを偲んでオノ・ヨーコさんがファンのために公園の一角を買い取って名付けた広場です。そこにあるモザイクの石碑を描きました。その中央には「IMAGINE」と刻まれています。ここのシーンで一瞬「イマジン」か「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」か「アクロス・ザ・ユニバース」あたりを薄く流そうかとプロデュサーのまっちゃんに提案したら、即却下されてしまいました(笑)。画面中央のお花は、ボクの気持ちです。






ボウ橋再びです。ここまではすべてセントラルパーク内にある場所です。ポー御一行の順路(カット順)にはやや無理がありますが御了承ください。






クリスマスツリーといえばここ、ロックフェラーセンターのチャネルガーデン。
ポー御一行はセントラルパークから5番街通りを南に下ったのでした。






ポーたちが見つけた背の高い建物は、やっぱり、エンパイアステートビルでした。背の高さだけで言えば貿易センタービルになるのですがやはりニューヨークといえばキングコングも登ったこのビルでしょう。季節によって変わるライティングもNY在住の知人に聞いて、クリスマスバージョンにしてあります。
しかし、ポーたちはどうやってあんなてっぺんまで登ったのだろう?






そして、お次がクライスラービル。こちらはアメリカ版「ゴジラ」や「ハルマゲドン」で壊されてしまいましたが、アールデコ様式のほんとに綺麗な建物です。今ひとつうまく描けませんでしたが、ボクはエンパイアよりもこのビルの方が好きです。






絵ハガキなどでよく見る構図ですが、ブルックリンから見たブルックリン橋。






今やフジテレビ前にもある自由の女神。写真などにないダイナミックな構図にしたかったので自由の女神人形を、制作担当のサトチンに探してきてもらって描きました。しかし、ボクの腕も、人形の出来も今ひとつで、うまく描けませんでした。で、雪を多めにしてごまかしたのでした。


ラストでポーとメリーが目をさますのはマンハッタンの東、クイーンズにある万博会場跡地のフラッシングメドウコロナパークです。その公園のシンボルである42mの地球儀の前で両者は目を覚まします。この絵は背景素材のため、ポーとメリーはいません。この絵の上にアニメのキャラを合成するわけです。今回のラストのアニメは長いワンカットな上、ポーとメリーもグルリと一回転するので、とても大変でした。(宇井ちゃん、中島さん、橋爪さん、池上さん、根岸くんおつかれさまでした)有楽町阪急で展示しているPetit Garage Kit Series No.2の「ゆきだるま」のパッケージはこの絵を加工したものです。また試作キットの方もこのゆきだるまをモチーフにしているので頭に傘が2本ささっているわけです。

以上が今回の大体のロケーションです。

こんな風に書くと、ボクのことをニューヨークに詳しい人のように思ったりしたかもしれませんが、ボクはニューヨークには10年位前に仕事で一回行っただけでセントラルパークなどは、脇を通った位しかありません。でも、その時の印象は強烈で、とても文化の香りと、人の活気にあふれた街でした。建物を見てもヨーロッパ文化の様式を踏まえたものが多くとても美しく感動的でした。
あの時はJFK国際空港からクイーンズミッドタウントンネルをぬけてマンハッタンに入ったのですが、すぐさに目に飛び込んできたクライスラービルの光り輝く銀色の勇姿に、もうむちゃくちゃ感動して、ただのお上りさんになって狂喜してしまいました。そんな想いのあるニューヨークを、今回は思い出しつつ写真集やガイドブックを参考に描いてみました。まあ、ポーの夢の世界は人間不在なので、人気のないニューヨークですが。もし、ニューヨークに行く機会のある方で、余裕があれば、ポーの足取りをたどってみてください。ボクも絵を描いていて、とても行きたくなりました。今度行ったら、絵に描いた構図を探したりするんだろうな……。

さて、ポーの14話はどうなるのでしょうか?
ボクもわかりません。それこそ「ポーの旅立ち」で新たなる展開を迎えるのでしょうか?現時点では、次回の放送予定ももちろん決まっていません。だからいつも通り放送などが決まったら、締めきりに追われて考えることにします。

では、ポーや皆さんに会わせてくれた20世紀、おやすみなさい。
そして、6年間、ポーを応援しくれたシーパーの皆さん、どうもありがとう。
もちろん、ボクもポーもまだまだがんばるつもりなので、21世紀も、よろしくです。

いい夢見れる、よい新年をお迎えください。

X'mas,2000 野村辰寿

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