春高バレーヒストリー

第68回(2016)

男子優勝校:東福岡(福岡)
インターハイ優勝の大塚(大阪)や前回準優勝の大村工(長崎)が2回戦で敗れる波乱があった中、ベスト4に勝ち進んだのは、春高連覇と国体との二冠を狙う東福岡(福岡)、エース竹下優希を擁する鎮西(熊本)、力のある選手が揃いインターハイ準優勝など安定した成績を残していた駿台学園(東京)、鍛えられたブロック力に自信を持つ創造学園(長野)。
 東福岡のエース、金子聖輝はこの大会後セッターに転向することを決めていたため、スパイカーとしては春高が最後の舞台。その舞台でエースとしての輝きを余すところなく見せつけた。準決勝では2セットを先取しながら粘る創造学園にフルセットに持ち込まれたが、最後は要所でスパイクやブロックを決め、主将としても引っ張った。決勝は、準決勝で駿台学園に打ち勝った鎮西との九州勢対決。東福岡は金子や古賀健太を中心とした攻撃だけでなく、守備力の高さも見せつけてストレートで勝利し、連覇を達成した。
 そんな中、優勝した東福岡と3回戦で対戦した上越総合技術(新潟)の2年生エース、新井雄大が、跳躍力とパワーを兼ね備えたスパイクで次々に得点を奪って王者を苦しめるなど、翌年の成長が楽しみな新星も登場した。
女子優勝校:下北沢成徳(東京)
第68回大会は、ベスト4のうち3校を東京代表(下北沢成徳、八王子実践、文京学院大女)が占め、東京勢が強さを見せつけた大会だった。
 前年に全日本デビューを果たした金蘭会(大阪)の宮部藍梨、下北沢成徳の黒後愛という2年生エースが注目を集めた。しかし宮部は長く腰を痛めており、実戦復帰したばかりで万全の状態ではなく、先発を外れる試合もあった。それでもチームの信条である堅い守備や、主将の白澤明香里を中心とした巧みな攻撃でベスト4に進出したが、宮部が先発を外れた準決勝では八王子実践に敗れ、連覇の夢がついえた。この大会で八王子実践の1年生、東谷玲衣奈が覚醒。準決勝では27得点を奪う爆発力を見せチームを8大会ぶりの決勝に導いた。
 決勝でその八王子実践の前に立ちはだかったのは、3回戦で、ここまで二冠(インターハイ、国体)だった九州文化学園(長崎)を破って勝ち上がった下北沢成徳。黒後を中心とした高さとパワーのある攻撃と堅いブロックを武器にストレートで勝利。インターハイ、国体には出場すらできなかったチームが、優れた個の力を解き放ち、一気に頂点に上り詰めた。

第67回(2015)

男子優勝校:東福岡(福岡)
前回大会準優勝の鹿児島商(鹿児島)や、前回ベスト4で身長203cmのエース鈴木祐貴を擁する雄物川(秋田)がともに初戦で敗れる波乱があり、開智(和歌山)も3回戦で敗れ、シード校3校が三日目で姿を消した。
そんな中、ベスト4に進出したのは、セッター仲田昌人が繰り出す複雑なコンビバレーを持ち味とする大塚(大阪)、元Vリーガー北川祐介監督が鍛え上げたブロック力を武器とする愛工大名電(愛知)、準々決勝で創造学園(長野)とのフルセットの接戦をものにした大村工(長崎)、そして、インターハイ、国体に続く三冠を狙う東福岡(福岡)の4校だった。
東福岡は準決勝で、高さのあるブロックや堅いディフェンス、巧みなサーブで大塚のコンビを封じ、2年生エースの金子聖輝が勝負どころでスパイクを決めて決勝に進出。
決勝では同じ九州勢の大村工と対戦した。大村工の粘り強い守備を、東福岡はエース金子やミドルブロッカーの永露元稀らの鋭いスパイクでこじあけて得点を重ね、セットカウント3-0で勝利。
攻守のバランスがよく隙のなかった東福岡が、前年の星城(愛知)に続く三冠を達成した。
女子優勝校:金蘭会(大阪)
第67回大会の決勝は、大阪勢同士の対戦となった。インターハイ、国体を制し、三冠を狙う金蘭会(大阪)と、柏井(千葉)とのフルセットの激戦を制し8年ぶりに決勝進出を果たした大阪国際滝井(大阪)。
互いに手の内を知る両校の対戦は、多彩な戦力を揃えた上に、試合巧者ぶりも発揮した金蘭会が、ストレートで勝利し、念願の初優勝を飾り、三冠を達成した。
1年生エースの宮部藍梨、ミドルブロッカーの丸尾遥香など強力な攻撃陣を、冷静かつクレバーに、主将でもあるセッターの堀込奈央が存分に活かした。
また、リベロの小池杏菜を中心とした守備も非常に堅く、攻守に渡り隙を見せなかった。 金蘭会の宮部が、並外れたジャンプ力を武器に次々にスパイクを決め、決勝ではチーム最多得点を挙げたのをはじめ、攻守のバランスのいい下北沢成徳(東京)の黒後愛や東九州龍谷(大分)の吉岡美晴など、1年生エースの存在感が光った大会でもあった。
一方、1年生の頃から活躍してきた熊本信愛女子(熊本)の古賀紗理那は、高校最後の大会で優勝を狙ったが、前年に続き大和南(神奈川)に敗れ3回戦で涙を飲んだ。

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