関西大学所属選手のお話―

■三宅選手について―

　飯塚杯では一応4回転サルコウを降りたんですけれど、アンダーローテーションを取られてしまって、本人は少しへこんでいました。これまでだったら大丈夫だったかもしれませんが、4回転も（1/4回転を気にして）きちっと決めないと、点が取れないというルール改正の洗礼を受けたように思います。ですが、合宿では本当によく頑張っていました。いつも体力的に弱くて、フリーなんかでは終盤まで体力が持たないことが多いんですが、今回は体力的にも充実していますし、ジャンプの練習の密度なんかも非常に濃く、よく自分を追い込めていました。生活面でも、本当に小さな子たちの模範になるように、しっかりとお兄さんをやっていましたね。今年はさらにたくましくなったと感じますし、合宿を通して技術もですが、精神面でも強くなってほしかったので、良かったと思います。

■田中刑事選手について―

　今、自分で自分を追い込んでしまっていて、ちょっときつくなっているのではないかと感じます。かなり疲れがたまって取れていない感じですね。9月下旬には、スロバキアのオンドレイネペラ杯で初戦を迎えます。それまでに一度お客さんの前（ショー）で滑って慣らし、ちょっと身体を休めてから、初戦に向けて調子を合わせていってほしいですね。

■岩野桃亜選手について―

　私が野辺山の（ノービス）合宿を見に行ったり、関大の練習に入れないときは、（髙橋）大輔が結構声をかけてくれたりして、いろいろなアドバイスを貰っているようですし、岩野さんも大輔を尊敬しているようで、岩野さんにとって、今年は大輔と一緒に練習できるというのが、とても恵まれていることなのではないかと思いますね。去年に比べると技術的にも精神的にも強くなっているなと感じました。

■髙橋大輔選手について―

　ソチのシーズンは本当に大変でした。立場上の義務感や責任、下の世代の台頭、足の調子も良くなかったし、空回りして苦しんでいたシーズンでした。NHK杯で少し復調したのですが、その後ケガをしてしまい、そこから全日本までは本当に辛かったです。ソチまでの間も本当にしんどかったんですよね。でも今年はそういった縛りがなく、自分がやりたくてやっているという感じです。生き生きとしていて練習から楽しさも感じます。私も見ていて本当に気持ちが楽ですし、あんなにも動けるんだと思うほど動いています。でも、急な復帰によりこれまでの経験が生きないなと思うところもあります。とても身体を動かす調子がいいのに、筋肉への疲労の溜まり方の違いから、ケガへの対策などこれまでとは違ったケアが必要になっていると感じています。練習も自身を追い込むのが楽しいという雰囲気を感じますが、昔とは違うメリハリをつける必要があるのではないかと思います。
　ただ、練習している時にとても楽しそうに滑っているので、そういった雰囲気は周囲に良い傾向をもたらしていると感じます。星南選手や濱田先生のところの男子選手たちも、大輔と一緒に滑っていると、32歳のおじさんがあれだけ滑っているのに！という感じで頑張っていますね（笑）高いモチベーションが伝播していい雰囲気になっていると感じます。私がいないときには私の代わりに星南選手や岩野選手を気にかけてくれてもいる事も本当にうれしく思います。

■キスアンドクライで隣に座る事は―

　全日本選手権に、もし出場することがあれば私が隣に座ると思いますね（笑）大輔の場合は順位や点数などではなく、自分で納得のいく練習をして、その結果が試合の時に出てくれれば本人は幸せだと思いますし、私もそれを見られたら本当に幸せだと思います。ケガだけは本当に心配ですね。

■今回の合宿で注目の選手は―

　今回は中塩美悠選手、山隈太一朗選手が凄くよく動いていて好ましく思いました。
　この2人は絶対良いシーズンになるだろうなという予感がしていますね。2人ともよいキャラクターをしていますし、山隈選手は今年になって本当に大人になったと感じます。これまではジャンプが跳べなかったり調子が悪かったりすると凹んでいたのですが、最近は、スピンやステップに対して以前よりはるかに一生懸命になっていると感じました。ジャンプの調子が悪くならないという事もありますが。自分の努力で翌日の練習に、教えられたことがしっかりと反映されていると感じます。中塩選手にも同じものを感じています。みんな本当に良いシーズンになって欲しいです。

ありがとうございました。

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