数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.4

対談企画 ゲスト:河野由美先生

インストラクター協会の理事で、歌子先生とも親密な河野由美先生にお話を伺いました。

コーチとしての河野先生

河野由美先生

由美先生は教えるのが上手ですよね、私は抽象的で感覚的だったんだけど、すごく物理的に教えるというか…。

私は、算数的に考えるのが好きなんです。技術の切り売りなんて2年もしたらネタがなくなるし、ジャンプなんか進化していくじゃないですか。
広島でコーチをしている時は、地方でだれも何も分からない状態だから、エッジを研いだりとか靴をつけたりとか、そういうこともやってたんです。それで、この子は足首が固いからこうした方がいいかなとか、エッジをこうした方がいいかなとか考え始めて、どんどん面白くなってきましたね。

由美先生が見てる生徒さんたちって、みんなジャンプが上手なのよね。いったいどうやって教えてるんだろうなと思って、親しくなってから話を聞いてみると、すごく物理的な教え方をしてるんだなと思いましたよ。

生徒がジャンプで転んで痛い思いをすることに対して、責任をすごく感じていて…。なんとかうまく飛べる方法を考えていたら、それが面白くなっちゃって(笑)

浅田真央選手へのアドバイスについて

河野先生は、真央ちゃんにトリプルアクセルの指導もやったんですよね?

2010年のバンクーバーオリンピック直前の1月。当時、四大陸選手権前で、私の教室の岡崎真先生がテクニカルスペシャリストについていて、浅田真央選手のステップやスピンのレベルをチェックしてたんです。その時(岡崎先生が)真央ちゃんにアクセルの練習について聞かれて、「だったら、うちのボス(河野先生)に見てもらったら」って言ったんです。そしたら真央ちゃんからもコーチのザンナからも「見てほしい」って言われまして…。でも練習を見たのは2日間の2~3時間だけだったから、私がどうこうしたわけじゃないですよ。ただ練習を見ていて、思ったことを伝えただけ。アドバイスを少ししただけ。彼女が素晴らしかったんです。
四大陸選手権ではトリプルアクセルが成功してよかった。トリプルアクセルが成功して、真央ちゃんの気分もどんどん乗っていったもの。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)