フジテレビパラスポーツ応援サイト
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vol.8
文=田中ウルヴェ京
2016年12月27日
2016年12月21日 (水) 開催
PARA☆DO!サポーターで、トークMCの
田中ウルヴェ 京さんによる対談後記をお届けします。
今年最後のセミナーは、リオパラリンピックでボッチャ団体銀メダルを獲得した廣瀬隆喜選手でした。セミナーでは、廣瀬選手の「内面の魅力」も沢山伺いましたが、同時に、ボッチャのルールを改めて教えていただき、PARA☆DO!アーティストの清貴さんや、会場の方とともに、ボッチャ体験もしました。
ボッチャ体験中
廣瀬選手からボッチャのルール説明を受ける
ワンポイントメンタルエッセンスを真剣に聞く廣瀬選手
ボッチャは、誰にでもすぐに楽しめるスポーツです。よくフランスの田舎町などで、ワイン片手に老若男女が道端で楽しむ「ペタンク」という遊びに類似するといわれるボッチャですが、それを考えれば、日本でも、もっと公共の広場でボッチャを楽しめるような町づくりができれば、世代を超えた「人のつながり」を自然に作れるのだろうと思わせる温かいスポーツです。
ボッチャは、ジャックボールといわれる白いボールを目標に、できるだけ近くへ、自分のカラーボールを狙って投げるという、いたってシンプルなルールのスポーツではありますが、同時に、「パラリンピックのボッチャ」を見る側の私たちにとっては、「我々の理解の枠を完全に超えている」のが、これまた、このボッチャという競技の素晴らしい魅力です。それはなにか。よーく考えてください。(笑)そもそも廣瀬選手を始め、ボッチャの選手は、障害の重さは異なりますが、基本的に「四肢障害」をお持ちの皆さんです。つまり、「狙う」「投げる」といった手先の動き、それ自体が難しいという障害がある「はず」の方々です。それなのに、どう見ても、障害があるなんて思えない繊細な技の連続です。もともとシンクロ選手だった自分としては、「手先の筋肉の動き」には非常に敏感に訓練していた過去もあります。対談では何度も、「廣瀬さん、繰り返しますが、あのー廣瀬さんがメダリストなのはわかってます。スゴイのはわかってますが、でも、そもそも手先の筋肉が思うように動かないはずなのではないでしょうか。頭で、ここだ、と狙っても、狙うのが難しいのが、四肢障害なのではないんでしょうか?」と聞きました。すると、廣瀬さんは「そうですね、やはり緊張しすぎていたりすると、障害による特有のクセが出てしまったりして、狙っている場所に行かないこともあります。練習していくしかないですね」と淡々とおっしゃいます。はあ…。パラリンピアンとお話すると、いつも自分の固定観念の「固さ」に気づかされます。そして、人間の体って、本当に、理解の範疇を超えて、無限の可能性を持っているのだ、と改めて感動します。パラスポーツの魅力は奥が深いです。