フジテレビパラスポーツ応援サイト
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vol.13
文=田中ウルヴェ京
2017年8月25日
2017年8月20日(日) 開催
PARA☆DO!サポーターで、トークMCの
田中ウルヴェ 京さんによる対談後記をお届けします。
今回のPARA☆DO!スペシャルトークは、川崎市で開催、3名の豪華ゲストでした。フジテレビ新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」で車いすバスケ選手の役をご好演された川崎市出身の俳優、市原隼人さん、ドラマ主人公のモデルとなった元Jリーガーで現在は車いすバスケ日本代表コーチの京谷和幸さん、そして、車いすバスケのプロ選手、香西宏昭さんとのトークショーでした。
冒頭、私は、市原さんに「車いすの選手役をすることになった時のお気持ちは?」と軽く伺ったつもりでしたが、その後の市原さんの答えの質感は、濃く深く重厚でした。
「色々言葉を選んでしまうと遠回りになるので、ストレートで話したいんですけど、健常者ではない役をやったのが人生初めてで、まず僕(の役)は骨肉腫という病を患った人間で、その病とどう向き合うのか、どのように受け止めるのか、そしてその病をもって作品をもって、誰にどんなことを伝えればいいのかということに対する覚悟が必要でした」と一つ一つの言葉を大切に語る市原さん。「言葉を選んでしまうと」という前置きにこそ垣間見える「言葉の持つ意味と重みを大切にする方」だということを感じました。
現在、私は、車いすバスケ男子日本代表のメンタルコーチという立場なので、京谷コーチや香西選手とは、度々「言葉がパフォーマンスに影響すること」を話し合うことも多いです。市原さんの言葉を伺いながら、ふと京谷さんを見ると「お!」と嬉しそうにしておられます。それこそ京谷さんご自身が、これまでの人生経験からくる言葉の一つ一つが濃く重いお方です。
トーク中には、「本気」という言葉の意味についてや、「本当の自分とは」という人生の根源的な話にまでなり、私が「もう台本使うのやめて語りましょうか!」と言ってしまったくらいです。
「誰にも見えない努力の蓄積が、結果として出る」ということは俳優としてもアスリートとしても一緒だという話も出ました。そこに大きくうなずく香西選手は、まさに今、その努力をされているお一人です。2020年に向けて多くのパラアスリートが悔いのない努力を続けていける環境づくりが大事ですが、その実践をされている川崎市のたくさんの会場にいたお子様たちに、これからもパラスポーツの素晴らしさを感じていただければと思います。