フジテレビパラスポーツ応援サイト
フジテレビパラスポーツ応援サイト
vol.10
文=田中ウルヴェ京
2017年2月22日
2017年2月15日(水) 開催
PARA☆DO!サポーターで、トークMCの
田中ウルヴェ 京さんによる対談後記をお届けします。
なんとか安達選手に取られないように放ったボールを簡単にキャッチされた…
記念すべき第10回のゲストは、2012ロンドンパラリンピックのゴールボール金メダリストの安達阿記子選手。お会いした第一印象は、あれ、テレビで見るより華奢。試合のお姿だとなんだかもうちょっと身体がドッシリしていて逞しい印象が。「試合中は胴体にプロテクターをつけてるので大きく見えるのかも」と安達選手。私が初対面と思って名刺を渡したら、「2年前に京さんの講義受けたことあるんです」と。そして、リオパラリンピックまでの競技生活にも、講義で学んだことをすぐに実践されたのだと教えてくださいました。まさにトップアスリートならではのコーチャビリティ(指導受容性)の高い方と感じました。
素敵な笑顔が印象的だった安達選手
「14歳で右目、20歳で左目に病が発症し視覚障害になった安達選手。視界は、中心が見えないそうで、人の顔がのっぺらぼうのようになっているのだと表現してくださいました。だからでしょうか、対談中、私の顔をもちろんしっかりと真摯に見つめてお話くださるのですが、時折、私の表情の様子を伺うような、それは優しい眼差しで見つめてきます。視覚障害の選手とお話するとたまに感じることですが、何か視覚的には誰にも見えないはずの私自身をも見つめられているような気持ちがしました。そんな時は、こちらも素の自分で真摯に接したいと思います。「20歳で両目に障害を抱えた時」、「初めてゴールボールに出会った時」というような人生の大事な節目の時に、素の安達選手はどんな思考や感情を持っていたのか、特にそこの部分は、真剣に伺いました。
トーク終了後、メンタルエッセンスで書いたメッセージを手に記念撮影
左はPARA☆DO!アーティスト清貴さんと安達阿記子選手
ゴールボールは、見た目には簡単そうだと思って始めたそうですが、実際にやってみたら「怖い」し、そして、出来ない自分が「悔しかった」そうです。「怖い」も「悔しい」も、言語的には「ネガティブな感情」と一般的には分類されるもの。でも、「自分ならではの人生の意味」を探していたのかもしれない人生の節目で、その感情は生きるエネルギーになられたように見受けました。
安達選手から学んだ、今回のメンタルエッセンスは、「ちゃんと恐怖を感じる」。
人間の感情は、たとえそれ自体が、「ネガティブな感情」と表現されるものであっても、その感情になる「意味」があります。「怖い」は、人生のやる気の源泉になります。安達選手のことをもっと知りたくなりました。