その原因、Xにあり!

身体のお悩み解決バラエティ 毎週金曜よる7時

おさらい

2017年7月14日(金) 放送

  • ついやりがちな真夏の残念健康法

    第5位 自宅で作った水出し麦茶を4日以上かけて飲みきる

    食品微生物センター、安井奈津美(やすい・なつみ)研究員によると「家庭で作り置きした麦茶は、たとえ冷蔵庫に入れていたとしても、下痢や嘔吐、最悪の場合には食中毒を招くこともある」とのこと。

    冷蔵庫に入れているのに“残念”なのは何故?

    麦茶の菌の繁殖を調べたデータによると、水出しで作った麦茶は4日目には菌が繁殖し、8日目には農林水産省が定めた安全に飲めるとされる基準を越えてしまう。
    ※出典:エフコープ商品検査センター

    煮出し麦茶を冷めるまで放置するのは、さらに残念!

    菌が繁殖しやすいのは30〜40℃。煮出した後、冷ますために放置している間に菌が繁殖する恐れがある。こうして作った麦茶はわずか3日で菌が繁殖し始め、5日以降には安全に飲める基準を超えてしまうのだとか。

    ※出典:エフコープ商品検査センター

    菌が繁殖しにくい煮出し麦茶の作り方
    1. 1容器を熱湯で消毒する

      容器についた菌を少しでも殺すことができる。

    2. 2煮出したらすぐに粗熱(あらねつ)をとり、氷水や流水で急激に冷やす

      一気に粗熱を取ることで、菌の繁殖を抑えられる。

    真夏の正解健康法
    水出し麦茶:4日以内に飲み切る
    煮出し麦茶:容器は熱湯消毒し、作ったものはすぐに冷やす

  • 第4位 夏の暑さでかいた汗を 乾いたタオルでふき取る

    物理学のスペシャリスト、東京理科大学の川村康文(かわむら・やすふみ)教授によると「汗を乾いたタオルでふくと、熱中症になる可能性がある」とのこと。汗には“身体にこもった熱を外に逃がす”という重要な役割があり、乾いたタオルでふいてしまうと、身体の熱をしっかり外に逃がす事ができなくなってしまうという。

    身体の熱をうまく逃がすことができないと、夏の暑い日や運動の直後に熱中症になってしまう可能性が高くなってしまうとのこと。

    では、汗をかいた時の正しいふき方は?

    実は濡れたタオルでふく事が大事!濡れたタオルでふくと、汗のベタつきやニオイを取ると同時に、皮膚を濡らした水分が蒸発する時に気化熱で身体の熱を奪ってくれるのだとか。

    街中で汗をかいた時は、ウェットティッシュ(ノンアルコール)などでふくのが効果的とのこと。

    さらに効果的な方法が!

    冷たいタオルよりも、温かい人肌程度のタオルでふくほうが、蒸発しやすく身体の熱をうまく奪ってくれるため、より効果的とのこと。サーモグラフィー検証してみると、最初は濡れたタオルでふいた方が、温度は下がったが、しばらくすると、温かいタオルでふいた方が冷えた。

    サーモグラフィーで検証してみると…

    画面左が濡れたタオル、右が温かいタオルで腕をふいたもの。最初はあまり変化がなかったが、徐々に温かいタオルでふいた方の腕が冷えてきたのがわかる。

    真夏の正解健康法
    汗は乾いたタオルではなく、濡れたタオルでふくのがオススメ。特に室内では、お湯(約40℃)で濡らしたタオルで汗をふくのが熱中症対策に効果的。

  • 第3位 蚊に刺されないように、虫除けスプレーを肌にだけかける

    日本環境衛生センターの武藤敦彦(むとう・あつひこ)先生は、「虫よけスプレーなどは露出している肌だけにかけても不十分。蚊は服の上からでも刺す」という。

    本当に服の上から蚊に刺されるのか検証!

    蚊を入れたアクリルケースの中に手を入れ、薄手の服の上からも刺されるか検証してみた。すると…服の上でも血を吸ってお腹が膨らんでいくのがわかった!

    蚊が血を吸うメカニズム

    蚊は口吻(こうふん)という口を使って血を吸うが、その長さは約2mm。夏の薄手の服だと刺される恐れがあるとのこと。

    ちなみに蚊の口は6本に分かれており、その役割は「肌を切り開く(2本)」「切り開いた状態を支える(2本)」「唾液を流し込む(1本)」「血を吸い上げる(1本)」となっているのだとか。刺されたあとかゆくなるのは、蚊の唾液に含まれる成分が理由だという。

    武藤先生によると蚊が恐ろしいのは、日本でも2014年以来増加しているデング熱や、2016年に日本でも感染の事例が初めて報告されたジカウィルス感染症など「感染症を媒介すること」とのこと。

    ※出典:東京都健康安全研究センター

    真夏の正解健康法
    虫除けスプレーは肌だけではなく服の上からもかける。

  • 第2位 夏バテ予防に うなぎを食べる

    生活習慣病の専門医で、高齢者への食事指導なども行っている鶴田加奈子先生は「うなぎは脂質が多い食べ物なので、消化に時間がかかる。胃に負担がかかり、夏バテを引き起してしまう事がある」という。

    うなぎの身は20%が脂質で、消化時間は天ぷらよりも多くかかるというデータも。
    ※出典:杏林書院 保健の科学 第54巻 第8号 2012年より

    中高年は胃酸の分泌量が減っていくので、脂の多い料理は胃の負担になり、かえって夏バテを引き起こしてしまう可能性があるという。
    ※出典:日本老年医学会雑誌 vol.28(1991)No.5 P606-610

    しかし、うなぎには疲労回復によいとされるビタミンB1や、生活習慣病予防にも役立つビタミンEが豊富で夏バテ予防を助けてくれる食材であることはたしか。

    夏バテにならないうなぎの食べ方とは?

    鶴田先生に聞いたところ答えは、「山椒と一緒に食べる」とのこと。山椒には「サンショオール」という、山椒特有の辛味成分が含まれており、この「サンショオール」が胃腸の働きを活発化し、うなぎの脂の消化を助け、さらには食欲不振の予防にも役だってくれるのだとか。
    ※刺激も強いので、かけすぎにはご注意ください。

    真夏の正解健康法
    うなぎには山椒をかけて食べる。
    ※2017年 夏の土用の丑の日は7/25(火)と8/6(日)

  • 第1位 夏の朝に朝食の定番 「○○○○」 を食べる

    問題:夏の朝に食べると、健康面で残念なものとは?
    A:ヨーグルト B:オレンジ C:海苔

    Aのヨーグルトは、体温調節をしてくれる成分も入っているため、夏の熱中症予防にも効果的。ということで朝食べるのは残念ではない。

    Cの海苔は、夏の暑さで弱った消化機能を助けて食欲増進につながる。ということで朝食べるのは残念ではない。

    ということで正解は、Bのオレンジ
    銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子院長によると、オレンジなどの柑橘系の食べ物の、実や皮に含まれるソラレンという物質は、紫外線を多く吸収してしまう性質があり、摂取してから2時間ほど後には紫外線を身体が摂取しやすくしてしまうという。さらにその状態は7時間も続いてしまうのだとか。

    さらには皮膚がんのリスクも!?

    20年以上に渡り、10万人以上を対象に行われたアメリカの研究では、オレンジやグレープフルーツを習慣的に摂取した人は、そうでない人と比べて皮膚がんのリスクが36%も高まったという。
    ※出典:Journal of Clinical Oncology

    真夏の正解健康法
    ソラレンを含む食材は、朝ではなくなるべく夕方以降に食べる。

  • ヒアリだけではない!夏に忍び寄る「殺人ダニ」の恐怖

    画像提供:愛知医科大学 角坂照貴

    ヒアリだけでなく、私たちの身近に潜む恐ろしい虫…それはダニの一種「ツツガムシ」。別名「殺人ダニ」。咬まれると感染症を引き起こし、最悪の場合、死亡してしまう事もあるという。

    山や河川敷、庭先など草木の多い場所に生息しているが、体長は0.2mm程度と小さいため、肉眼ではほとんど認識できない。

  • ツツガムシ病の恐ろしさ

    ファミリークリニックひきふねの梅舟仰胤(うめふね・ぎょうたね)院長によると、ツツガムシは咬みつくと消化液を出し、皮膚を溶かす。

    その消化液には病原菌となる細菌が混ざっており、この細菌が血管内に侵入し、全身に増殖。そのまま放置していると内臓機能が侵され、多臓器不全を起こし、最悪の場合死に至る事があるという。

    ツツガムシ病により発熱から内臓を侵しだすまでの時間は早くて1週間。そうなる前に適切な処置を施す必要があるのだが、診断がかなり難しいと梅舟先生はいう。

    なぜツツガムシ病は診断が難しいのか?

    (1)咬まれた直後の傷跡を見てもツツガムシのものと判断する事が困難。
    (2)初期症状が発熱や身体のだるさなど風邪の症状と似ているため風邪だと思い込み市販薬で対処してしまう事が多く、時間だけが過ぎ、症状が悪化してしまう。

    咬まれたことを感じにくいうえ、近年ハイキングや個人菜園などがブームになっているため、特に高齢者は注意が必要。

    しかしツツガムシ病は早期発見をして適切な治療を受ければ、基本的には治る病気なので、どんな些細な情報でも提供する事で、診断の助けになるそう。

    増加傾向にあるツツガムシ病

    ※出典:秋田県健康福祉部健康推進課・秋田県健康環境センター・秋田大学・須藤恒久

    そもそも東北地方にのみ生息していたツツガムシだが、近年全国に拡大。2016年には患者数が500人を超え増加傾向にある。その原因の一つに、近年の都市の緑化整備が考えられるとのこと。

  • ツツガムシ病の予防法

    ツツガムシは土の表面や枯葉の表面に生息しているため、山や河川敷などでは「肌を出さない事」が大切。ツツガムシに咬まれてから細菌が体内に侵入するまで約10時間かかると言われているため、外から帰ったらすぐに身体を洗う事で感染確率は下がるそう。

    身体を洗う際は、ツツガムシが咬みつく傾向がある内股や脇の下、下腹部などの柔らかい部分を入念に洗うのがよいとのこと。

    ツツガムシが衣類についている可能性もあるので、帰宅後すぐに洗濯するのがオススメ。

  • 間違えると死を招く!?危険な水分補給

    水分補給が死を招く!?

    連日、真夏日が続くこの夏。熱中症対策の為にと水分補給をする機会も多い。しかし、その水分補給が原因で命を落とす危険があるという。それが…「水中毒」(みずちゅうどく)。

    水中毒とは?

    リーレクリニック大手町の片山泰輔院長によると水中毒とは、一言で言うと水の飲みすぎの状態。進行具合にもよるがひどい場合数時間で脳浮腫となり、意識を失って呼吸が止まり、命を落とす事もあるという。

    なぜ水中毒になってしまうのか?

    「汗をかく」と「水分をとる」という行動を繰り返すと、水分ばかりが増え、血液中のナトリウムは補充されず減ってしまう。つまりは血液中の水分とナトリウムのバランスが崩れてしまうとのこと。

    脱水と水中毒のちがい

    脱水と水中毒の初期症状は全身のだるさ、頭痛や嘔吐など非常に似ている。違いは「脈」と「けいれん」と「体重」。

    (1)脱水の場合は脈が速くなるが、水中毒だと変わらない。
    (2)脱水の場合はけいれんしないが、水中毒の場合、けいれんしやすい。
    (3)脱水の場合は体重が減るが、水中毒の場合はそれほど減らない。

  • 正しい水分補給法は?

    (1)適量の水分をこまめに摂る。コップ1杯の水を1時間おきに飲む。
    (2)塩分の補給を欠かさない。塩飴や塩のタブレットを常備しておく。

この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。