その原因、Xにあり!

身体のお悩み解決バラエティ 毎週金曜よる7時

おさらい

2017年6月9日(金) 放送

【ゲスト】中丸雄一

  • 食生活を見直して血糖値改善SP

    今や国民病、「糖尿病(2型)」
    約2367万人。これは、糖尿病(2型)が疑われる人の数。
    出典:平成27年厚生労働省国民健康・栄養調査を基に算出
    その糖尿病(2型)を引き起こしているのが「高血糖」。実は良かれと思って行っている食生活が高血糖と引き起こしているかもしれないという。

    高血糖とは、血液中の糖の濃度が高いこと。
    血糖値(空腹時) 高血糖 110(mg/dL)
             糖尿病 126(mg/dL)以上
    ※出典:日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2016−2017」

  • 夏の熱中症の原因、高血糖にもあり!

    この時期、気をつけたい熱中症。熱中症とは、身体に熱がこもることで起こる頭痛やめまいなどの体調不良のこと。最悪の場合、死に至ることもある深刻な症状という。

    去年5月~9月までの5カ月間で熱中症で救急搬送された人は約5万人。
    ※出典:総務省 平成28年5月〜9月 熱中症による救急搬送状況
    今年に入り5月だけでも2613人が救急搬送されているという。
    ※出典:総務省 5月1日〜28日までの速報値

    一般的に気温や湿度の高い場所にいると起こると言われているが、それだけが要因とは限らないという。

    糖尿病専門医 銀座泰江内科クリニック 泰江慎太郎(やすえしんたろう)院長によると、「夏の熱中症の原因は高血糖にもある」という。

    暑い夏、家事の合間にジュースを一杯。仕事終わりにビールを一杯。水分補給のために飲んでいるこれらの飲み物にも糖が含まれており、飲みすぎると知らず知らずのうちに高血糖を引き起こしてしまう危険が…。

    例えば…
    炭酸飲料(500ml):角砂糖 約18個分
    ビール(430ml):角砂糖 約3個分
    スポーツドリンク(500ml):角砂糖 約8個分
    ※出典:文部科学省食品成分データベースより算出

    高血糖が熱中症の原因に!?

    銀座泰江内科クリニック泰江先生によると「高血糖が続くと身体が脱水症状を起こしてしまう」という。

    血液中の糖が増えると、濃度を下げるため水分が送られる。

    高血糖が続くと常に水分を送り続けるため、身体が脱水状態に。

    身体の温度調節が上手くいかず、熱中症になってしまうという。つまり、ビールやジュースといった糖が入った飲み物での水分補給は、脱水を加速させ、熱中症のリスクを高めることになるという。

  • 夏の高血糖予防法 “1日1個はトマトを食べる”

    銀座泰江内科クリニック泰江先生によると、「1日1個は、トマトを摂取すること」をすすめるという。

    高血糖予防にトマト その理由は?

    トマトに含まれるリコピンには、血糖値の上昇を抑えるインスリンの働きを促す効果が期待出来るという。リコピンとは、トマトに含まれる色素成分のこと。ある研究では1年間トマトジュースを飲んだ人は飲んでいない人に比べて血液中の糖の濃度が穏やかになったという結果も。
    ※出典:名古屋文理大学短期大学部

    トマトのリコピンは熱に強いという性質もあるので、生で食べると一度に1~2個程度しか摂れなくても、加熱してミネストローネや冷製スープなど調理をすれば数個分一度に摂れるためおすすめという。

    泰江先生によると大量に汗をかいた時や熱がこもった時に、即効性ということでスポーツドリンクなど飲むことはいいが、清涼飲料水や炭酸飲料などを日常的に飲み続けると、知らず知らずのうちに血糖値が上がり、サラダを食べていても10代、20代でも糖尿病(2型)が発症してしまうという。

  • 高血糖の原因、脂質にもあり!

    華道家・假屋崎省吾(58)
    今から14年前。44歳の頃。バラエティ番組の出演を機に大ブレイク。華道教室や個展、テレビ、ラジオ出演など休む間もなく働いていたという。ハードな生活の支えは、スタミナの付く食事。さらに、忙しい毎日を乗り切るため肉を食べることでパワーを回復していた。

    そんな日々が続いたある日。身体に異変が。階段を1段上がるたびに息が切れる…立っているのがつらい…。以前は、食べれば疲れが取れていたのに、この頃は食べてもなかなか疲れが取れなくなっていたという。仕事に支障が出ると感じ、病院で血液検査をすると、空腹時の血糖値が126mg/dLを超えると糖尿病と診断されるところ、假屋崎さんは、血糖値273(mg/dL)。重度の糖尿病(2型)と診断された。
    ※出典:日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2016−2017」

    銀座泰江内科クリニック泰江先生によると「假屋崎さんの場合、頻繁に肉を食べていたことで脂質を多く摂ってしまい、それが高血糖の原因に繋がった」と考えられるという。

    血糖値を上げる最大の原因は糖質。しかし、肉の脂質も多く摂りすぎると血糖値を高める原因にもなるという。

    通常、血液中に糖が増えるとインスリンが出て糖の濃度を調節する。しかし、脂質を摂りすぎると内臓脂肪が増加。内臓脂肪から分泌されるTNF-α(ティエヌエフアルファ)が、インスリンの働きを妨げてしまい、結果 高血糖を引き起こしてしまう。

    つまり、肉を食べるなら脂身の少ないものを選ぶことが重要。

    その後、食生活を改善した假屋崎さんは…

    血糖値は1年で273mg/dL⇒127mg/dLまで低下。現在も薬で血糖値予防に努めている。

    銀座泰江内科クリニック泰江先生による
    高血糖になりやすい傾向のある人

    隠れ肥満:見た目は太っていなくても内臓脂肪が溜まっているお腹ポッコリ型の肥満

    40代以上の女性:女性ホルモンが血糖値の上昇を抑える効果があり、加齢による減少で高血糖になる可能性も。

    去年は正常でも、今年は高血糖なっていることもあるので注意が必要という。

  • 高血糖と疲労感、体重減少のメカニズム

    体重減少や疲労感といった症状。これは、高血糖によって起こるサインの代表的なもの。

    インスリンとは血中の糖を筋肉などに運ぶ物質。この働きにより糖は身体のエネルギーになる。

    高血糖の状態が続くとインスリンの働きが悪くなり、血中の糖が運ばれなくなる。
    そのため、糖が運ばれず身体はエネルギー不足に。
    筋肉が衰えて体重減少が起こったり、疲労感を感じたりするのはこのためという。

  • 高血糖の原因、ちりつも食いにもあり!

    経済評論家・森永卓郎(59)
    今から8年前。当時52歳。雑誌の連載30本以上、そして、毎朝5時からラジオの生放送と超多忙な生活を送っていた。休む間もなく次から次へと舞い込む仕事。頭の休まる時間がないほど脳をフル回転させていたという。頭をフル回転させるため、せんべい、クッキー、チョコ、ガムなど食べていたという。

    そんな生活が続いていたある日。身体に異変が。脚のかゆみをかんじ目覚めた。翌朝。寝る前は何ともなかったはずなのに、右脚だけが破裂しそうなほど腫れ、猛烈な痛みで歩けなくなった。すぐさま救急病院へ。診断は、傷口から雑菌が入ったことによる感染症。しかし、ただの感染症だけではなく糖尿病かもしれないという。数日後、近くの病院で血液検査をしてみると空腹時の正常な血糖値110mg/dLのところ、森永さんの血糖値は600(mg/dL)以上という結果。重度な糖尿病(2型)と診断された。
    ※出典:日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2016−2017」

    銀座泰江内科クリニック泰江先生によると脚のかゆみのような違和感は、高血糖により起こった神経障害。神経障害があると感覚が鈍くなる。痛みを感じにくくなり、ひどいときは壊死を起こして脚を切断しなければいけない場合もあるという。

    なぜ異常な高血糖に?

    森永さんの場合、一口だけならいいかとつまんだお菓子が「ちりつも食い」となって高血糖の引き金になってしまったと考えられるという。

    通常、食事を摂ると血糖値は上がり、その後、2~3時間かけてゆっくり下がる。このサイクルが食事のたびに繰り返される。

    この時重要なのが、血糖値の幅。空腹の時と満腹の時が70mg/dL~140mg/dLの間で上下するのが理想的な数値。
    監修:泰江慎太郎医師

    しかし、森永さんのように食事の合間に「ちりつも食い」つまり「つまみ食い」をすると血糖値が下がりきる前に再び上昇。食べるたびに、理想的な血糖値の幅を超えどんどんあがってしまう。

    この時、高血糖を抑えようと膵臓からはインスリンが大量に分泌している状態に。膵臓はだんだん疲弊しインスリンも分泌されずその働きも鈍くなる。これが習慣化すると糖尿病になってしまうという。

    現在の森永さんは…

    食生活を見直し、つまみ食いをやめ、600mg/dLまで上がった血糖値も正常値に近い状態まで戻ったという。

    銀座泰江内科クリニック泰江先生による
    血糖値をあげないための理想の間食とは?

    つまみ食いポイント(1) 200kcal以下に抑える
    一番良いのは200kcal以下の間食。1食摂取が約600kcalといわれているので、その半分を超えると間食ではなく食事とみなされる。

    つまみ食いポイント(2) 食事の一環として食べる
    懐石料理やフレンチのコースのように、食事の一環として食べる。血糖が上がってもしっかり下げる時間をつくれば膵臓の疲弊を防げるという。

    食事の時間が空きすぎるのも高血糖の原因に!?

    食事の時間が空きすぎると、身体はエネルギー不足を感じ、糖を欲する。空腹の時間が続くと、糖を急いで吸収しようとするためインスリンを大量分泌した膵臓は疲弊し、インスリンの出が悪くなり、結果、高血糖を引き起こしてしまうという。

    高血糖になりにくい食事の摂り方とは?

    急なインスリンの分泌で膵臓に負担をかけないために、食事と食事の間は6時間以上あけないことが重要という。

    銀座泰江内科クリニック泰江先生がすすめる
    高血糖になりにくい食事の仕方
    食事の間は6時間以上あけないこと
    おやつは200kcal以下でおさえる
    甘いものが食べたくなったら、食事の一環として食べる
  • 高血糖予防 赤味噌

    愛知県発!高血糖を予防するスーパーフードとは!?
    きしめん、ひつまぶし、小倉トーストなど独特の食文化を持つ愛知県。「糖尿病の死亡率が低い県」で6年連続ベスト3にランクインしている。
    ※出典:厚生労働省「人口動態調査」

    愛知県の食生活をのぞいてみると…
    定食屋では「味噌かつ定食」
    小学校の給食は「生揚げと豚肉の味噌炒め煮」
    中学校では「おぼろ味噌麺」
    さらに一般のご家庭では味噌を手作り!

    毎日、赤味噌を使った料理が!愛知の食生活に欠かせない「赤味噌」。

    高血糖予防に赤味噌が効果的な理由は?

    銀座泰江内科クリニック泰江先生によると、味噌に含まれているメラノイジンという成分が高血糖予防に効果が期待出来るという。

    メラノイジンは、糖の消化のスピードを抑え、血糖の上昇を穏やかにする色素成分。しかも、このメラノイジン、味噌の色が濃いほど多く含まれるという。つまり、愛知県で愛されている赤味噌は、他の味噌に比べ、メラノイジンが多く含まれているという。

    最強の赤味噌「八丁味噌」

    特にメラノイジンが多い赤味噌があると聞き、向かったのは愛知県岡崎市。高血糖予防に効果的と言われる最強の赤味噌。それが「八丁味噌」。ある研究では10種類の味噌のうち、メラノイジンの量が最も多いという結果が。
    ※出典:駒沢女子短期大学

    その秘密は作り方にあるという。まるや八丁味噌 当主・浅井信太郎さんによると、
    特徴(1) 蒸した大豆を使う
    特徴(2) 2年以上熟成させる

    多くの味噌は、大豆を煮て作るため水に溶け出しやすい性質のメラノイジンは、煮汁に溶けだしてしまう。一方、八丁味噌は大豆を蒸して作るため、メラノイジンが溶け出しにくいといわれている。さらに、長期熟成することで、色が濃くなりメラノイジンが増えていくという。

この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。