2017年5月19日(金) 放送
【ゲスト】森本レオ
あなたの目の痛み、もしかすると年間1万2000人以上が命を落とす大病の前兆かもしれません!?
※出典:厚生労働省 人口動態統計(2015年)より
症状(1) 目の奥が痛みぼやける
病気発症の半年前。いつものように仕事をしていると、突然襲った鈍い目の痛み。まるで目が押しだされるような目の奥で感じる痛みだった。数日後、その痛みとともに、目の奥に痛みが走り、なぜかぼやる状態に。ただの疲れ目。そう思った鈴木さんは、市販の目薬で対処することに。すると、1週間ほどで目の症状は治まった。
症状(2) 頭に電気が走ったような頭痛
目の痛みから数週間後。忘れた頃に、目に同じ症状が表れるように。痛みと言っても軽い痛み。当時54歳の鈴木さんは、老眼が始まったのかというぐらいにしか思っていなかった。しかし、新たな症状が…。突然、頭に電気が走ったような痛みが鈴木さんを襲うように。頭痛が起こるたび、市販の頭痛薬を服用。薬を飲めば一時的に和らいだという。
症状(3) 手がしびれ指先に力が入らない
目の痛みから2カ月後。鈴木さんの身体にさらに異変。手に痺れたような感覚があり、指先に力がうまく入らなくなったという。
症状(4) 左側の視界だけぼやけて見えない
目の痛みから5カ月後。なんと左側の視界だけがぼやけてみえない状態に。「何かおかしい…」そう思いながらも仕事の疲れや年のせいし、結局、鈴木さんが病院に行くことはなかった。こうして、すべての予兆を見逃してしまった。
症状(5) 右まぶたが垂れ下がり右目が動かない
目の痛みから半年後。ついに、最悪の事態が!今まで感じたことのない強烈な頭痛。突然、脂汗が噴き出すほどの痛みが鈴木さんを襲った。この日、家にはだれもおらず、助けも呼べぬまま。1時間後。すると、激しい頭痛は少し治まり「もう、大丈夫だろう…」そう思った鈴木さん。なんと、右まぶたが垂れ下がり、右目が動かなくなってしまった。すぐに近所の眼科へ。医師から告げられたのは意外な言葉だった。
目の痛みから始まった病気とは?実際に鈴木さんを治療した東京北部病院 長田恒明(おさだ・つねあき)副院長によると「鈴木さんの目の痛みは、くも膜下出血によって起こったものだと考えられる」という。
くも膜下出血とは、脳の表面で起こる出血のこと。弱った血管部分にコブが出来ることで引き起こされる。血圧の高まりなどによってコブが破裂してしまうと、漏れだした血液によって、脳を圧迫し、正常に働かなくなってしまうという。
この時の痛みは、頭をハンマーで殴られたと感じるほどの激しいものだったという。
病院で撮られた鈴木さんの脳の血管画像
これが、鈴木さんの脳にできていたコブ。大きさ約4mm。このコブが、鈴木さんの身体に様々な症状を引き起こしていた。
東京北部病院 長田副院長によると、目の痛みは血管にできたコブが側を走る目の神経を圧迫することで起こったものだと考えられるという。
鈴木さんのコブが出来ていた場所は、右目の奥。この付近には目の神経が通っており、この神経をコブが圧迫することで目に痛みが起こったという。
頭痛はコブからわずかな出血が起こり脳を圧迫していたと考えられるという。少量の出血により、脳を圧迫。脳は圧迫を受け、頭痛を感じるのだそう。
手のしびれを感じた頃には、成長を続けるコブがだるまのような形に。この時、コブの中にできた血栓と呼ばれるかさぶたが血管を詰まらせると、脳の一部に血流が滞り、手のしびれを起こしたという。
左側が見えにくかった症状は、大きく成長したコブがより強く、目の神経を圧迫したことで起きたものという。
激しい頭痛と右目の動かない症状は、血管にできたコブがついに破裂。多量の出血により脳と目の神経を強く圧迫し症状が出たものだという。
すぐに病院に運び込まれた鈴木さんに施された手術方法とは?
これは、足の血管からプラチナ製のコイルを通し、脳にできたコブの中をコイルでふさいでいく手術方法。こうすることで、コブからの出血を防ぐことが出来るという。
鈴木さんは、この手術方法で一命を取り留めた。手術から7年。指先の力も回復し、手術後およそ3割の人に残る後遺症もなかったという。
・目の痛み
・吐き気を伴う頭痛
・手のしびれ、指先に力が入らない
・片側の視界だけぼやける
・ろれつが回らない
東京北部病院 長田先生によるとコブが脳の血管のどこに出来るかによって現れるサインが変わるという。また、動脈硬化によって発症率が上がる。閉経後の中高年の女性に多いという。
≪老眼≫
両目 ぼやけてみえる
片目 ぼやけてみえる
≪くも膜下出血≫
両目 ぼやけて見える
片目 はっきり見える
老眼の場合は、片目で見ても、両目で見てもぼやけて見える。くも膜下出血の場合は、片目で見ると左右ともはっきりと見えるのに、両目で見るとぼやけて見えるという。くも膜下出血のぼやけ方は、メガネをかけずに3D映画を見たような状態という。
出血しても24時間以内に治療を施せば救える命もあるので、気になる症状がある方は、(コブが)破裂する前に、脳ドックでコブの有無を調べることをお勧めします。
突然、背中に感じた鈍い痛み。「ただの筋肉痛だろう…」そう思ってそのままにしておいたら、背中に激しい痛みが!
年間3000人以上が命を落とす大病の前兆かもしれません。
※出典:厚生労働省 人口動態統計(2015年)より
症状(1) 1週間以上の便秘
病気発症2カ月前。原因不明の便秘が1週間以上続いていた。市販の整腸剤も効果がなかったという。
症状(2) 原因不明の食欲不振
さらに、その便秘が続くとともに、身体に異変が。原因不明の食欲不振に襲われたという。
症状(3) 背中の痛み
便秘の症状が出てから約1カ月後。突然、山下さんの身体に痛みが。痛んだ場所は、左の肩甲骨の下あたり。ただの筋肉痛だろう…そう思っていた山下さん。しかし、すでに山下さんの身体は恐ろしい大病に侵されていた。
背中の痛みから1週間後。特に運動をしたわけではないのに、慢性的な痛みへと変わっていったという。その後も山下さんは自分の身体に異変を感じながらも、背中の痛みをそのままにしてしまった。
背中の痛みから2週間後。ついに山下さんの身体に最悪の事態が!背中に走る今まで経験したことのない激痛。
川崎幸病院 川崎大動脈センター圷 宏一(あくつ・こういち)先生によると「山下さんの背中の痛みの原因は、腹部大動脈瘤が引き起こしたもの」という。
腹部大動脈瘤とは心臓から全身に血液を送る最大の血管・大動脈にコブができる病気のこと。このコブが破裂してしまうと、致死率50%以上とも言われている恐ろしい病気。
※出典:日本循環器学会の計算によって算出(情報提供 川崎幸病院 圷宏一先生より)
(1)便秘
(2)食欲不振
(3)背中の痛み
画像提供:医療法人社団綾和会浜松南病院
これは通常の腹部のCT画像。この白い円状のものが大動脈。その前にあるのが腸。
画像提供:名古屋大学 血管外科
しかし、腹部大動脈瘤患者のCT画像をみてみると、血管にできたコブがある。このコブが本来大動脈瘤の前にある腸を圧迫し、便秘と食欲不振が起こっていたという。
川崎幸病院 川崎大動脈センター圷先生によると「山下さんの背中の痛みは、大動脈にできたコブが、破裂寸前の切迫破裂という状態だったために起こったものだと考えられる」という。
切迫破裂とは大動脈にできたコブが破裂しそうな状態のこと。血管の表面にできたコブが大きく膨らむことにより、血管の表面にある神経が引っ張られ刺激を受け、それを背中の痛みと勘違いしたという。
川崎幸病院 川崎大動脈センター圷先生によると「大動脈にできたコブが破裂したことで突然強い痛みが起こったと考えられる」という。
画像提供:国家公務員共済組合連合会
横須賀共済病院ホームページ抜粋
正常な人のCT画像
通常は内臓が写し出される。
山下さんの実際のCT画像
もやがかかり、内臓がほとんど写っていない。このもやの正体は血液。これは、大きくなったコブが破裂したことを意味していた
破裂したコブから漏れ出した血液を取り除き、人工血管へ置き換える緊急手術が行われた。
腹部大動脈瘤の破裂から約3カ月。山下さんは元の生活を送れるまでに回復。悩まされ続けた便秘と食欲不振も改善。
・慢性的な便秘、食欲不振
・お腹に拍動を感じる
・背中や腰の痛み
川崎幸病院 川崎大動脈センター圷先生によると、大動脈瘤が破裂する前には、症状がない方が非常に多く、比較的見つかりにくい病気だという。
超音波エコーで腹部大動脈瘤を発見することが可能。1年に1回、超音波エコー検査をおすすめします。
ブラザートム(61)
バブルガムブラザーズとして、紅白歌合戦にも出場した人気歌手。1990年にリリースした「WON’T BE LONG」は、100万枚を超える大ヒット。さらに、NHK連続テレビ小説「純情きらり」にも出演などマルチに活躍。
人気絶頂期に襲いかかった死に至る肩こり。その肩こりは年間3万7000人以上が命を落とす大病の前兆だった!?
※出典:平成26年人口動態統計月報年計(概数)の概況
症状(1) マッサージで治らない肩こり
病気発症の半年前。ブラザートム当時50歳。突然の肩こり。この時は、違和感を覚えながらも「たかが肩こり…」と気に留めなかったという。しかしこの時、ある病魔が身体を蝕んでいた。
肩こりから2週間。近所のマッサージ店へ。こっている部分をマッサージしてもらったものの全然効かなかった。
症状(2) 痛みが背中まで広がる
肩こりから1カ月。こりは、肩だけではなく、背中全体にまで広がっていった。
症状(3) 目の奥にジワジワくる痛み
肩こりから3カ月。朝目覚めると、目の奥に痛みが。この日を境に、朝起きると目の奥の痛みに悩まされるように。
症状(4) かき氷を食べた時に似た頭痛
目の痛みから数日後。この日も目の奥の痛みに耐えながら仕事をしていた。すると、突然の頭痛。
症状(5) 剣山で押し付けられるようなアゴの痛み
さらなる痛みが襲う。なんとアゴにまで痛みを感じるように。
痛みは1日の中でも変化していった。朝は目が痛み、午後になると目から頭へと広がり、アゴへも痛みは広がっていったという。治らない肩こり、顔中に広がる痛みと闘い続けた。さらに事態は悪化。辛い痛みに耐えられず鎮痛剤を飲むように。最初は1錠だった鎮痛剤が徐々に増え、1日16錠を服用するまでに。
肩こり発症から半年。2006年4月7:00AM。ついに最悪の事態が。コンビニから帰宅しているとなぜか袋を落としてしまった。拾おうとした時、まるで誰かに腕をつかまれたかのような手のしびれ。そして、今まで経験したことがない胸の鋭い痛み。さらになぜか身体が丸まっていった。
何もできぬまま5分以上その場に立ち尽くしてしまったという。その後、なんとか自力で近所の病院へ。死を招く肩こりの正体とは?
イムス葛飾ハートセンター榊原雅義(さかきばら・まさよし)院長によると「ブラザートムさんの肩こりは、心筋梗塞の前兆であると考えられる」という。
心筋梗塞とは動脈硬化などが原因で心臓の血管に血栓ができ、冠動脈を詰まらせること。血管が詰まることで血液が流れなくなり、心臓の一部が壊死。発症すると、3割の人が病院に行くまもなく命を落としてしまう危険な病気。
※出典:循環器病の診断と治療に関するガイドライン
肩こり、目の痛み、頭痛、アゴの痛み。実は、それらすべてたった1つのことが関係しているという。
イムス葛飾ハートセンター榊原先生によると脳の錯覚によるものだったという。
心臓の痛みは脊髄を通って脳に伝わる。この痛みの通り道は肩や顔が感じる痛みと同じルート。そのため、脳はどこが痛いのかわからずに、肩や顔中の痛みと勘違いすることがあるとのこと。
誰かに強く掴まれたかのような手のしびれも脳の錯覚だという。心筋梗塞の症状のなかで、心臓が強く掴まれるような痛みの症状を感じる方もいるが、それと同じように、心臓ではなく腕が掴まれるような感覚を感じたと考えられるという。
心筋梗塞を発症したブラザートムは、血流を回復させるためカテーテル手術を緊急で行い、見事、手術成功。
そして、11年たった今。後遺症もなく元気な姿で、再びステージで歌っている。
・マッサージが効かない肩こり
・顔中にひろがる痛み
心筋梗塞のサインは、心臓が活発に動くときに症状が強くなるという。
森本レオが67歳の冬に体験したサイレント心筋梗塞の話。
症状(1) 大量の汗
7年前冬のある朝森本さんは、寝苦しさを感じ、目を覚ました。時刻は午前6時。暖房がついていないのにもかかわらず、サウナに入ったかのような大量の汗をかいていた。
症状(2) 胸焼けのような違和感
みぞおち付近に胸焼けのような感覚が広がっていった。実は、この時心臓は、根本付近の血管が詰まり、心臓の壊死が始まっていた。
イムス葛飾ハートセンター榊原先生によると「森本さんの心臓は血液の循環が停止しかかっている状態で、このままでは命の危険があった」という。
命のタイムリミットが迫る中、症状を抑えるためにコップ一杯の水を飲んだが、胸の違和感は一向に消えず。大量の汗が身体から噴き出してきた。
起床から30分。「何かおかしい」不安を感じた森本さんは、マネージャーへ連絡。マネージャーを待つことに。
症状(3) 背中が腫れ上がる違和感
起床から40分。また別の症状が…。背中から肩甲骨あたりが硬くなり、腫れ上がっているような感覚に襲われたという。それの症状は、いくら揉んでも押しても症状が消えることはなかった。ただならぬ不安を感じた森本さんは自ら119番へ連絡。
起床から1時間。救急隊員が到着。すぐさま救急車に運び込まれた。この時、心臓の痛みをほとんど感じなかったという。
しかし、病院に運び込まれた時、森本さんの心臓を検査すると、血液が行き届かず、筋肉の一部が動かない状態だったという。森本さんは、カテーテル手術によって一命を取り留めることが出来た。
心筋梗塞は、運動負荷心電図検査で発見出来るとのこと。
運動負荷心電図検査
運動で心臓に軽い負担をかけ、心電図の変化や不整脈の有無を調べる。
循環器内科があるような病院であれば、どこでも検査できるとのこと。異変を感じたら放置しないことが重要!
この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。