その原因、Xにあり!

身体のお悩み解決バラエティ 毎週金曜よる7時

おさらい

2017年5月12日(金) 放送

【ゲスト】和田アキ子、関根勤

  • 長生きの秘けつXを探れ!宮澤エマの日本行脚《大分県》

    “大腸がん”が日本一少ない大分県の秘けつとは?

    “大腸がん”が日本一少ない大分県の秘けつとは?全国47都道府県のうち、大腸がんによる死亡率が日本一少ないのが大分県!
    ※出典:2015年国立がん研究センター 全年齢年齢調整死亡率を参照

    今回は大分県東部に位置する、城下町として栄えた臼杵(うすき)市で調査開始!

    臼杵市に住む100歳のご長寿に遭遇!

    エマさんが臼杵市の町を探索していると、100歳のご長寿が住むというお宅を発見!そこで迎えてくれたのは、久家源次(くげ げんじ)さん(100)パソコンで囲碁のゲームをして過ごすなど、今なお お元気な100歳ご長寿。

    ご自宅でお昼ご飯を食べるというので、ご一緒させていただくことに。いつも源次さんが食べるメニューを見せてもらうと、ご飯、味噌汁、焼き魚。焼き魚の横には、見慣れない柑橘類「カボス」が。いつも、このカボスを搾って食べるのだという。

    詩吟を吟じるご長寿に遭遇!

    さらにエマさんが臼杵市の街を歩いていると突然聞こえてきた謎の歌声…。声に近付いてみると、そこには詩吟を嗜むご高齢者の集まりが!素敵な歌声を聞かせていたのは、もうすぐ90歳になるという伊崎敏夫さん(89)。

    伊崎さんの健康長生きの秘けつは、詩吟でお腹の底から声を出すこと。さらに、詩吟会の皆さんも「カボス」を普段からよく食べるという!

  • 全国の98%のカボスを生産している大分県!

    実は臼杵をはじめとする大分県のカボス生産量は、全国の98%!さらにその半分以上を大分県内で消費しているという。カボスの木が植えてあるお宅も多く、旬以外の時期は果汁を搾って保存することもあるのだという。

    多くの大分県民が愛するカボス入り味噌汁

    伊崎さんのお宅へお邪魔させてもらい、カボスをどう使っているのかを見せていただくと、作り始めたのは味噌汁。なんと味噌汁にカボス果汁を搾って入れるのだとか!伊崎さんによると、大分ではほとんどの家庭で味噌汁にカボスを入れるという。エマさんも、カボス入り味噌汁に大満足!

    西台クリニックの済陽高穂(わたよう・たかほ)院長によると、カボスには大腸がんのリスクを下げる「ナリンジン」という成分が多く含まれているという。この「ナリンジン」が大腸内の活性酸素を減らし 細胞のがん化を抑えるのだとか。

  • 編み物と折鶴が趣味という 亀井さんの健康長生きの秘けつは?

    さらに臼杵市の町を調査していると、軒先で編み物をしているおばあさんを発見。編み物と折鶴が趣味だという亀井政枝さん(89)の健康長生きの秘けつは、指先を使って頭も元気にすることという!

    健康効果倍増!皮ごと食べるカボス利用法!

    亀井さんもよく食べるというカボス。ご自宅ではなんと、お刺身と合わせて皮ごと食べるのだそう!

    皮を細かく刻み、新鮮なアジのお刺身に振りかけて完成!カボスを使った亀井さん自家製のポン酢でいただくと、さっぱりした味わい。済陽先生によると、皮にはカボスに含まれるナリンジンが果汁に比べて何倍も多く入っているという。

    大分県で大腸がんが少ない原因、カボスにもあり!

  • 健康長寿の秘けつ、腸内の“長寿菌”にあり!

    健康長寿の人の腸内細菌とは?

    腸内細菌研究45年、理化学研究所特別招聘研究員農学博士の辨野義己(べんの・よしみ)先生によると「健康で長寿の方達の腸の中には、ある菌が多いことがわかった」とのこと。

    世界最高齢の記録を持っていた泉重千代さんと本郷かまとさんを排出した、鹿児島県・徳之島で元気なご長寿さんの腸内細菌を調べたところ“大便菌”と“ビフィズス菌”が多かった。

  • 長寿菌とは?

    画像提供:国立研究開発法人 理化学研究所

    辨野先生は健康な高齢者に多いこの「大便菌」と「ビフィズス菌」を『長寿菌』と名付けた。「大便菌」は、腸の粘膜を修復して免疫力を高めてくれる。「ビフィズス菌」は、食べ物の消化など腸の動きを活発にしてくれる。つまり「大便菌」と「ビフィズス菌」が多いほど、腸内環境が整い免疫力が上がるので、健康で長生きできるという!

    長寿菌を増やすには?

    辯野先生によると長寿菌を増やすには、“食物繊維”と“乳酸菌”を含む発酵食品を摂ることだという。長寿菌を増やすには毎日20g以上の食物繊維が必要とのこと。
    ※出典:厚生労働省 平成27年「日本人の食事摂取基準」

    トマト、人参、きゅうり、レタス、キャベツ各々100gずつのサラダを食べても、食物繊維の摂取量はおよそ7.8g。
    ※出典:日本食品標準成分表2015年版【七訂】

    1日の食物繊維の摂取量は平均15g。
    ※出典:厚生労働省 平成27年「国民健康・栄養調査」

    辨野先生によると乳酸菌はヨーグルトだと1日300g摂ったほうが良いとのことなのだが、あるデータによると1日に食べるヨーグルトの量は約40g。
    ※出典:(独)農畜産業振興機構 平成27年度牛乳・乳製品の消費動向に関する調査

    つまり長寿菌を増やすには、食物繊維と乳酸菌の、両方が足りていない!

  • スーパーフード“水キムチ”

    健康長寿の研究を続けている、お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二(しらさわ・たくじ)先生によると「食物繊維と乳酸菌、一緒に含んだ食品は水キムチ」だという。

    「水キムチ」とは韓国の伝統的な家庭料理で、乳酸発酵させた汁気が多い漬物。水キムチは汁を飲む漬物。汁には乳酸菌が多く含まれている。

    「長寿水キムチ」の作り方

    材料

    • 小松菜…250g(2束)
    • お米のとぎ汁…2カップ(400ml)
    • 塩…小さじ2杯
    • リンゴ…1/2個
    1. 1お米のとぎ汁に塩を入れて軽く温める。

    2. 2密閉できる袋に塩もみした小松菜と一口大に切ったリンゴを入れて人肌まで冷めたとぎ汁と一緒によく揉む。

    3. 3半日ほど常温で置いておいて、乳酸発酵して袋が膨らんだら完成。

      ※冷蔵庫で1週間保存可能

    とぎ汁に含まれる糖分は乳酸菌を増やしてくれる役割がある。リンゴは、乳酸菌を増やす糖分に加えて食物繊維も豊富な食材。小松菜は食物繊維、カルシウム、ビタミン、ミネラル成分、鉄分が豊富で“天然のマルチサプリ”と言われる野菜。塩もみすれば、カサが減って無理なく食物繊維を摂ることができる。

    「長寿水キムチ」を小鉢一杯、普段の食事と共に3食食べれば、長寿菌を増やすために不足している食物繊維と乳酸菌がとれる。

  • 検証結果!

    「長寿水キムチ」を7日間食べ続けると長寿菌は増えるのか。関根勤(63)と、一般被験者3名の計4名で検証。果たしてその結果は…?

    ルール

    • 1日三食、小鉢一杯の長寿水キムチを食べれば、それ以外は何を食べてもOK
    • 期間は7日間
    • それ以外は普段通りの生活

    検証後、関根さんの長寿菌は14.9%から15.5%に上昇。さらに軽い便秘気味だった関根さんは、7日間3食水キムチを食べることで便秘が改善された。
    その他の一般被験者3名も、2名が長寿菌アップ。

    ※結果には個人差があります。

    白澤先生によると「たった7日間でも腸内環境はこれだけ変わります。食物繊維と乳酸菌を意識してとり続ければ、長寿菌も増えると思います」とのこと。

  • 辿り着いた原因X 〜便秘解消の下剤で見落とされた大病〜

    安易に飲んでいる下剤が、大きな病気を進行させてしまう危険もある。

    女性の7人に1人が悩むという便秘。
    ※出典:厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査の概況」より抜粋

    筋力の低下や腸の機能低下が原因で男性も60代から急激に増加傾向にある。横浜新都市脳神経外科病院・藤田保健衛生大学病院の眞鍋雄太(まなべ・ゆうた)先生によると「長引く便秘は認知症の前兆という可能性がある。安易に飲んでいる下剤が病気を進行させているかもしれない」とのこと。

  • 小野口将人さん(仮名・85歳)の場合

    最初に便秘を意識し始めたのは退職した68歳の頃。そのうち治るだろうと思っていたが、10年ほど経っても便秘は悪化するばかり。市販の下剤が効かなくなってしまった。

    医師に便秘と診断され、処方された下剤を飲むように。外出した帰り道に突然めまいがおこり、エスカレーターで転倒。便秘が始まってから15年、夜な夜なうなされるように。

    症状(1):下剤が効かなくなってきた
    症状(2):突然のめまいで倒れる
    症状(3):寝ているときにうなされる

  • 「ただの便秘」ではなく、ある病気の可能性

    小野口さんを実際に診察した眞鍋先生は、認知症を疑いあるテストをする。

    手の甲を表にして交差させた形を真似するよう言うと、掌の向きを逆にした形をつくった小野口さん。

  • 便秘の原因、レビー小体病にもあり!

    レビー小体病とは、体内のたんぱく質が変異して神経を次々と攻撃する病気。神経細胞破壊は腸や内臓の周囲から始まり、脊髄をのぼって脳に至る。

    影響を最初に受けるのが主に腸。神経を破壊され、腸の働きが鈍くなったため、『便秘』になったと考えられる。

    眞鍋先生によると「レビー小体病で便秘の場合、センナなど刺激性下剤を使うと、神経細胞をさらに破壊し便秘は重篤化してしまう可能性がある」「刺激性下剤は3日に1回くらいにしたほうが良い」という。

    レビー小体が神経を伝って身体をかけ上がり脊髄の神経を破壊すると『めまい』が、首上部、延髄の神経を破壊すると『寝ているときにうなされる』という症状がでるとのこと。

    脳を侵食し始めると、「(手の形を)正しく表現できない」ようになり、脳全体の神経を蝕み始めると「レビー小体型認知症」になるのだという。

  • MRIでわからないレビー小体型認知症

    「アルツハイマー型認知症」とは違い、脳の萎縮が起きにくい。
    MRIをとっただけでは診断できない。
    認知症全体の5分の1がレビー小体型だといわれる。
    診断されていない潜在的な患者の数は100万人以上という報告もある。
    ※出典:レビー小体型認知症ガイドブックより抜粋

    小野口さんは、脳の一部に影響が出て認知症の一歩手前という状態だった。現在は投薬治療。便秘、めまい、うなされるといった症状は抑制されている。

  • 坂本佳子さん(仮名・79歳)の場合

    レビー小体病の特徴的な症状には、『幻視』と『歩行障害』もある。坂本さんは「山の稜線をザーッと、青いスーツを着た男の子が軍隊のように行進していく様子」が見えたそう。

    レビー小体が視覚をつかさどる部分を破壊し起こる『幻視』の症状。眞鍋先生の診察に初めて来た時、坂本さんは「ほとんど歩けなかった」そう。これはレビー小体が脳幹を攻撃したことで起こる『歩行障害』の症状。

    坂本さんはリハビリを続け、現在症状は改善されている。眞鍋先生によると「発見は早ければ早いほどいいので、疑わしいと思ったら、ぜひ検査をしてほしい。発症しても適切な治療を導入すると、改善できる」とのこと。

    レビー小体病の初期症状チェック

    次の4つのうち、2つ以上あてはまる人は要注意!
    便秘薬がだんだん効かなくなってきた
    昔ほどにおいを感じない
    立ちくらみをすることがよくある
    寝相が悪い、寝言が多いと言われたことがある

    ◯が2つ以上あったら精密検査を受けることをおすすめするそう。診察は神経内科か総合内科で行っている。

  • グーチョキパーでチェック

    運動障害が出て来る前の状態、それを早期に見るためのチェック。眞鍋先生が片手をつかみ、もう片方の手はグーチョキパーし続ける。その間に掴まれている手が固くならないかを見ているそう。

  • お腹が張る原因、『ソファ生活』にもあり!

    腸にいい食生活や適度な運動など…「腸活」しているのになぜかお腹が張る。

    こちらは正常な腸とお腹が張っている腸のレントゲン写真。

    お腹が張っている人のレントゲン写真にはたくさんの黒い影が。これは全て、腸内に溜まったガス!

    東邦大学医療センター大森病院 渡邉利泰(わたなべ・としやす)先生は「お腹が張るから便秘だと思って私のところに来る患者さんの半数程度が、便ではなくガスが溜まっているだけだった」という。

  • そもそも、なぜ腸内ガスが発生するのか!?

    腸内ガスが発生する要素は、腸内細菌が食べ物を分解する時がほとんど。通常はこのガスを腸の蠕動運動によって押し出し、おならとして排出。

    蠕動(ぜんどう)運動とは…

    腸の周りの筋肉が伸びたり縮んだりして、腸を外側から押す動きのこと。しかし…腸を動かせないとガスが腸に溜まり、お腹が張ってしまう。

  • お腹が張る原因、ソファ生活にもあり!

    普段の生活の中でよくしていること、それは「ソファ生活」。渡邉先生によると、「腸内ガスは空気より軽いんです。ソファに座ったまま動かない生活を続けていると、ガスが腸の部分に溜まってしまい、下に降りてこないので、ガスが溜まりやすくなってしまうんです。」とのこと。

    腸は長く複雑に曲がりくねっているため、ソファに座ったままや、立ったままだとガスは腸の上の方に溜まりやすくなってしまうという。

    蠕動運動が弱まると便秘になる…負のスパイラル!!

    ガスが溜まったままになると、腸が膨らんで硬くなり、さらに動きにくい状態に。結果、蠕動運動が弱まり便秘になってしまう、まさに、負のスパイラルが起こってしまうという。

    こうなってしまうと、腸内環境は悪化するばかり…。便秘だけでなく、腸閉塞、ついには大腸ガンになってしまう恐れも。

    夜こっそりガスを抜くカンタンな方法!!

    渡邉先生が提案するのは、「うつぶせゴロゴロ」。

    お腹の下にクッションなどを敷き、リラックスした状態で10分間うつぶせになるだけうつぶせをしているときは、本を読んだり、テレビを観てもOK。

    うつぶせになれないときは無理せず、横向きでもOK。

    畳やフローリングなど、固い床で行なうと腸への刺激がアップし蠕動運動が活発になる!!

    そして、10分後 クッションを外して、ゆっくり5回転ゴロゴロする。

    ポイントは寝る前にやること。実は、腸が最も活発に動くのは寝ている時間。日中起きている時より、就寝中の方がたくさんおならをしている。注意点は、食後すぐはやらないこと。気持ちが悪くなって吐き気があったり、胸焼けがしたりすることが。
    ※試される場合は安全な環境のもと体調に留意して行ってください。

この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。