2017年5月5日(金) 放送
【ゲスト】里見浩太朗、水前寺清子、高橋克実、渡辺裕太
恵・キムラ・羽田がやってきたのは鹿児島県・喜界島!人口約7000人の島に90歳以上の方が258人!さらに!世界に2人しかいない19世紀生まれ、アジア最高齢116歳の女性が住んでいるという鹿児島県の喜界島。
90歳以上の方が19人暮らす荒木集落で出会ったのは、梅田賀造(よしぞう)さん(93)。毎日1kgの重りをつけて歩き、自宅でトレーニングをするのが日課なのだとか。梅田さんの健康長生きの秘けつは、「毎日の筋力トレーニング」!
出会ったのは65歳以上の方を対象とし、喜界島で集落毎に月1回開催される親睦会「いきいきサロン」に参加するご長寿さんたち。この日の参加者の平均年齢は、79.6歳!こちらの皆さんの健康長生きの秘けつは、「みんなで集まり、コミュニケーションをとること」。
島の南、上嘉鉄(かみかてつ)集落でドライバーさんから情報をもらってうかがったのは、ドライバーさんの中学校時代の先生、村上國信さん(91)。背筋もまっすぐな村上先生の健康長生きの秘けつは「毎晩大好きなビールと刺し身を食べる」こと!
お昼時におじゃました盛スミさん(87)が教えてくれた健康長寿の秘けつ食材は「ヒル」。「ヒル」とは方言でニンニクのこと。喜界島ではニンニクの葉も食べるのだとか。
ニンニクの葉が長寿とどう関係があるのか?寿命と健康の研究に取り組んで40年以上、林泰史先生によると「骨を作るゴールデントライアングル」と言われるビタミンK、ビタミンD、カルシウムを含むので、骨に良く、骨粗しょう症の予防に効果的とのこと。
1大根やニンジンなどの野菜と豚肉を一緒に炒める
2ザラメと醤油で味付け
3ニンニクの葉を投入して完成
※ヒル=ニンニク イッチャーシー=炒める
そして食後にはみかんと「毒消し」と呼ばれる黒糖を食べるそう。林先生によると、黒糖のようにさまざまなものが含まれている、精製されていない糖を食べると、血糖値の上がり方が緩やかになるという意味で、糖尿病予防にもなるのだとか。
盛スミさん(87)の健康長生きの秘けつは、「みかんとニンニクの葉と黒糖を食べる」こと!
ほぼ毎日バイクで畑まで行き、トラクターを乗りこなし農作業をしているという永東順さん(93)が「健康長寿の秘けつ」とご自宅で持ってきてくれたのは、「黒糖焼酎」!永さんは黒糖焼酎を、毎晩1杯だけ飲むのだとか。
林先生によると、お酒を少量飲むということは、胃の動きを活発化し、食欲を増進させる働きがあるとのこと。
永さんの健康長生きの秘けつは、「黒糖焼酎を少量飲む」こと!
道行く人に「元気に機織りをしているおばあちゃんがいる」と聞きうかがったのは、益田チヨさん(95)。確かに元気に機織りをしている益田さんによると、なんと恵さんは小さい頃、ここを訪れているのだとか!
実は恵さんの実家は鹿児島で有名な機織り工場。その縁あって子供の頃に何度か、喜界島を訪れていたんだそう。
実は益田さんが毎日操り、恵さんの思い出でもあるこの機織りにも、健康長寿の秘けつが!林先生によると、「手足をバラバラに動かし、パターンを作るという創造性が脳を刺激し、認知症予防に効果的」なのだとか。
さらに、益田さんがよく食べているという食事にも健康長寿の秘けつが。それはかつて恵さんも食べたという「魚味噌」。
1アジなどの魚の身をほぐし、炒める
2ザラメ・粒味噌・ゴマを加え炒めたら完成
青魚に含まれるオメガ3という脂や、味噌に含まれるイソフラボンは血液中の中性脂肪を減らし、血液サラサラ効果が期待できるとのこと。
キムラさんと羽田さんが、喜界島のご長寿3姉妹に教えてもらったのは郷土料理「油ぞうめん」。
1イリコを油で炒め、そのまま出汁に使う
2そうめんにイリコ出汁がしみ込むまで煮る
永野ツギさん(91)、郡山タエさん(86)、吉川キヌエさん(83)の健康長生きの秘けつは、「油ぞうめんを食べる」こと!
認知症防止にマキでお風呂を焚き、94歳の今でもマキをとりに自宅から森まで往復1時間ほど歩くという、基岡キヨさん。そんな基岡さんが食事の時にかかさず摂っているというのは「ゴマ」。納豆でも何にでも、ゴマを入れるのだとか。
ゴマにはご存知「セサミン」が豊富に含まれ、そのセサミンには血液中のコレステロールを減少させる働きがあるため、高血圧の予防に効果的と言われる。
基岡キヨさん(94)の健康長生きの秘けつは、「何にでもゴマをかけて食べる」こと!
昼間に行ったご長寿さんの集まり「いきいきサロン」で得た情報によると、何やら夜の9時頃に、もともと学校の校庭だった場所で歩き回っているご長寿たちがいるのだとか!
そこにいたのは濱川寛子さん(85)、南チトセさん(70)。聞くといつも仕事を終えて自由な時間ということで、夜に1周200mの校庭を、10周も歩くのだとか。歩き終わったら、さらにみんなでラジオ体操!
林先生によると「よく運動することによって睡眠が深くなり、朝までゆっくり休める」とのこと。
濱川さん(85)と南さん(70)の健康長生きの秘けつは、「毎日の夜のウォーキング」!
介護施設にいるというナビさんに合う前に、まずはご家族を訪ねてみたところ、この日集まってくれた田島家の方々は、ナビさんの玄孫(やしゃご)まで19人!
実際はなんと、子供9人、孫28人、ひ孫56人、玄孫63人、さらには来孫(らいそん)4人の、総勢160人という超大家族なのだとか!
出されたのはナビさんが小さい頃から飲み、大好きだったというお米とさつま芋を発酵させた飲み物「ミキ」。ミキに含まれる乳酸菌は、腸内環境を整え、免疫力を高める効果があるという。
アジア最高齢 田島ナビさん(116)の健康長生きの秘けつは、「発酵飲料ミキ」!
そしてついに!アジア最高齢116歳の田島ナビさんとご対面!一緒に会いに行った玄孫の一慶(いっけい)くんとは、実に111歳差!出迎えてくれたナビさんから、一行は勇気と元気を与えてもらった。
過酷なモンブラン氷河を99歳で走破したプロスキーヤー・三浦敬三さん。100歳を超えても、美しく日本舞踊を踊っていた板橋光(みつ)さん。さらに!ご長寿双子の娘たち! 「ぎんさん4姉妹」。そんな健康長生きな皆さんには、ある共通点が!
長生き研究を続けて20年。お茶の水健康長寿クリニック白澤院長は、「健康ご長寿の方々には、長生きホルモンのアディポネクチンが多い傾向がある」という。
アディポネクチンとは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、一般の方のアディポネクチンの平均値は、血液1ml当たり5~10μg(マイクログラム)。
※出典:公益社団法人日本薬学会「薬学用語解説」
白澤先生の調べによると、スキーヤー・三浦敬三さんは31.0μg/ml、日本舞踊家・板橋光さんは48.5μg/ml、ぎんさんの娘たちは23.1〜34.8μg/mlと、平均をはるかに上回っている。
今回、番組でアディポネクチン値を測らせてもらったのは、御年81でなお、おしゃべりも絶好調の毒蝮三太夫さん!そのアディポネクチン値は…なんと35.0μg/ml!名だたる健康ご長寿さんたちを上回る結果に!
白澤先生によるとアディポネクチンには、命に関わる病気を未然に防ぐ働きがあるという。
アディポネクチンの働き(1) 糖尿病(2型)を防ぐ
アディポネクチンはインスリンの働きを高め、血糖値を下げる効果があり、糖尿病を改善・予防すると言われている。
アディポネクチンの働き(2) 心筋梗塞・脳梗塞を防ぐ
アディポネクチンは血管内の壁の傷を治す働きがあるため、心筋梗塞や脳梗塞を未然に防ぐことができると考えられている。実際、アディポネクチンの多いマウスの寿命は少ないマウスよりも、1.5倍も長いという実験結果もあるとのこと。
※出典:久留米大学 山田耕太郎教授 2007年
アディポネクチンを増やすには食事が重要な要素であると白澤先生は言う。そこでアディポネクチン値が高かった「ぎんさん4姉妹」と「毒蝮三太夫さん」の食事を拝見してみると…。
<ぎんさん4姉妹の食事>
姉妹の中でも特にお元気な三女・知多代(ちたよ)さんが、93歳の時の生活を見てみると、365日毎朝、何十年にも渡り玉ねぎと豆腐とわかめのみそ汁を作って食べているという。
そして朝食にはもう一品、知多代さんが開発したというオリジナルサラダが。レタス・キュウリ・リンゴなどがたっぷり入ったサラダに、ゴマドレッシングを1瓶丸ごとかけている。
<毒蝮さんの食事>
毒蝮さんの大好物は「そば」。子供の頃から大好きで、今でも週2〜3回は食べに行くほどだという。また、納豆も好物で、こちらも週に2〜3回は食べているのだとか。
白澤先生によると「味噌汁の具にしていた豆腐、そして納豆がポイント。これらに含まれる良質な大豆たんぱく質がアディポネクチンを増やしてくれる」という。また「そばや、ワカメなどの海藻類には、マグネシウムが多く含まれており、(最近の海外の調査研究によると)マグネシウムをたくさん摂っている人がアディポネクチンをたくさん作っているというデータがある」のだとか!
そこで、白澤先生がおすすめする、大豆たんぱく質とマグネシウムを多く含む“もずく”と“豆腐”を…1ヶ月間、被験者に食べ続けてもらった。しかし…アディポネクチンが増えた人はゼロという結果に。
白澤先生によると、ホルモンというものは1ヶ月程度で増えるものではなく、毒蝮さんやぎんさん四姉妹のように長年摂り続ける事が大事だとのこと。
スタジオで興味津々だった里見浩太朗さん(80)がアディポネクチンを計測!その数値は17.7μg/ml!毒蝮さんには及ばなかったが、一般平均の5~10μgを上回る結果に!
命に関わる恐ろしい病「心不全」や「脳梗塞」。こうした大病も、実は発症する前にサインが出ている。そんな「大病のサイン」を見逃し、放っておいたために手遅れになってしまうケースが非常に多いという。つまり大病のサインを知ることは長寿に大きくつながる!今回は各分野を代表する名医たちから、そんなサインを教わる。
日本人の死因 ・第2位の心臓病の中でも最も多いとされるのが激しい呼吸困難を伴い、年間7万人もの命を奪っているという「心不全」。
心不全とは、心臓の働きが悪くなり、血液を送り出すポンプ機能が低下すること。全身に必要な血液量を送れなくなるので、身体に負担がかかり、様々なサインが現れるという。
イムス葛飾ハートセンターの榊原院長は「普段通りの食事をしているのに1週間で2〜3キロ増えてくる場合は心不全のサインである可能性がある」という。
通常 心臓が動くことで血液が全身を巡り、その際に身体の余分な水分を回収する。しかし心臓のポンプ機能が弱まると、水分をうまく回収できなくなるうえ、おしっこも出にくくなってしまい、体に水分が溜まってしまう。その結果、急激に身体に水が溜まり、むくんだり体重が増えたりするのだという。
榊原先生によると「食べる量が普段と変わらないのに1週間で2〜3kg、急激に体重が増えている場合、水分が身体に溜まっている。心不全の兆候の可能性が高いと思う。」とのこと。
「息苦しさがあるかどうか」。心臓のポンプ機能が弱まると、息苦しさを伴うのだそう。そんなサインを感じたら、迷わず病院へ!
脳梗塞とは、脳に血液を送る血管が詰まり、脳の組織が死んでしまう病。年間6万人以上が命を落とすという、恐ろしい病気。
実際に脳の血管をつまらせているのが「血栓」(けっせん)。なんと大きいものでは1cmもの血栓が脳の血管につまっていた例もあるそう。
そんな脳梗塞の「見逃してはいけないサイン」について、年間1000例もの患者を診察している脳外科のスペシャリスト、横浜新都市脳神経外科病院の森本雅史先生は「エスカレーターに上手く乗れないというのは、脳梗塞の可能性があります」と語る。
脳には小脳(しょうのう)と呼ばれる、手や足の筋肉の動きを連動させる場所があり、そこの血管が詰まりかけると思うように手足が動かなくなり、エスカレーターに乗れなくなるという。
しかし、脳は場所によって役割が分かれているため、サインも様々な形で現れるとのこと。例えば、眼で見たものを認識する後頭葉付近の血管がつまりかけると、視野が欠け、視界が狭くなってしまうという。
また、運動機能を司る運動野付近の血管がつまりかけると、筋肉の動きが鈍くなり、口をうまく閉じることができず、食べ物がこぼれてしまうこともある。これらのサインを見逃さないことが何よりも大切だという。
森本先生によると、一般的に脳ドックで行われるMRI検査は脳全体の状態を見ており、それに加えて、脳の血管の状態がわかり、未来の脳梗塞の危険性までわかるという「MRA検査」を受けることを勧めている。
MRI:脳全体の状態を検査
MRA:脳の血管の状態を検査
実は今回森本先生を取材中、脳梗塞を発症した患者が緊急搬送されたという知らせが。患者は80代の女性。2時間前に突然左半身が麻痺(まひ)し、言葉も喋れなくなり、最悪の場合、命を落としかねない危険な状態。
血管の状態を確認したところ、正常であればたくさん映るはずの細かい血管が、詰まって脳梗塞を起こしているため画像に映っていない。
この詰まっている血管を治療するために使用されたのが、ステントリトリーバーという医療器具。先端から押し出された「ステント」と呼ばれる網状の部分が血管の中で開き、血栓を絡め取る。
これは2015年に正式に確立されたばかりの最新治療法で、この器具を足の付け根から血管の中に通して脳まで届かせるのだという。かつては頭部を切り、骨を開けて処置を行なっていたそう。
脳の血管は直径約3mm。弱く破れやすいため細心の注意が必要。回収されたステントリトリーバーの先には、実際に詰まっていた血栓が。その大きさは約2mm。このわずか2mmの血栓でも命を落としかねないと言う。
施術後、運ばれてきた時は話すことができなかった患者が言葉を発し、さらに痛みや寒さなど体の感覚も徐々に戻ってきた。
脳の状態を見てみると、脳に血流が戻ったことで血管がはっきりと見えるように。
森本先生によると、こういった手術は麻酔をする時間も惜しんで、麻酔なしで行われるとのこと。傷口は器具を挿入するための足のもののみ。痛みも血管の中を通すため、ほぼないという。こういった治療が、徐々に世の中に広まっている。
認知症とその予備軍の人たちは現在も増え続けており、2025年にはその数は1300万人を超すと言われる。これは65歳以上の3人に1人の割合。そもそも認知症とは、加齢などにより脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなることでさまざまな障害が引き起こされる状態。
認知症の約6割を占めるアルツハイマー型認知症では、脳の細胞が死滅して隙間ができてしまうが、何故こういった事が起こるのか詳しい原因はわかっていない。
しかし最近の研究で、認知症のサインに気付き早期に対策することで、症状をくい止められることが分かってきたという。
ひと言に「認知症」と言っても、そこに至るまでには、年齢とともに誰もが感じる「物忘れ」から、記憶力の認知機能が低下しているものの、自力で日常生活を送ることができる「軽度認知障害」(MCI)と呼ばれる、認知症予備軍。そして自力での生活が困難になる「認知症」の3段階に分けられるという。
30年以上に渡り認知症研究に取り組む、東京医科歯科大学医学部附属病院の朝田隆先生によると「実際に軽度認知障害になった人も早期に対策をすることで、進行を緩やかにしたり、あるいは物忘れゾーンに戻る症例もある」という。
山本朋史(ともふみ)さん(65)は、かつて大手新聞社に勤務し記者として働いていたが、3年前に軽度認知障害(MCI)と診断されたという。「頭が壊れていく…」そう山本さんが感じた「認知症になる前のサイン」とは?
★認知症になる前のサイン1 怒りっぽくなった
自分の感情がコントロールできなくなり、以前なら「いいよいいよ」というようなところでも怒鳴ってしまうようになった。
★認知症になる前のサイン2 些細なミスでパニックに陥りやすくなった
仕事でとある町に行った際、地図を用意していたにもかかわらず道に迷い、「約束の時間に間に合わない…」とパニックに陥ってしまった。
★認知症になる前のサイン3 歩くスピードが遅くなった
いつも乗っている電車に乗るために、同じ時間に自宅を出ても乗れない。急激に運動能力が低くなっていたのを感じた。
他にも、電車を乗り過ごすことが多くなったり、ズボンのチャックを閉め忘れて周りの人に指摘されることが度々あったという。
そんな山本さんに、主治医の朝田先生が勧めた予防法が「レコーディング法」。ミスを記録し、見返すことで同じミスを繰り返さないことようになり、注意力がアップするとのこと。実際に山本さんは毎日続け、3年前には1カ月に64回あったミスが、最近では15〜20回程度に減少。明らかな変化があったそう。
さらに山本さんが通っているのが「認知力アップデイケア」。運動と脳トレを行なったりして脳を活性化させるなどし、認知症を予防しようという試み。
早期に見つけて予防すれば、進行をゆるやかにしたり改善も見込めるといわれる認知症。そのためにはサインを見逃さない事が大切とのこと。
大病のサインを見逃し、死の淵に立たされた夫婦。きっかけはたった1回の「くしゃみ」だった…。
仕事中に1回大きなくしゃみをしてから、ずっと首の後ろが痛いと言う夫・裕也さん。妻の裕美さんも「軽いむち打ちか何かで、安静にしていればそのうち治る」。そう思っていたのだが…。
くしゃみから2日
裕也さんの首の痛みは治まらず、家族で外食に行っても痛みで食事にひと口も手をつけられない状態。裕美さんはふと「何かがおかしい」と感じた。
その日のうちに病院へ行き、整形外科の医師に診てもらったところ。レントゲンを撮っても異常は無し。「おそらく軽いむち打ち」という診断を受け、裕美さんは胸をなでおろしたという。しかし…。
コルセットの効果もあったのか、朝は収まったかのように思われた裕也さんの首の痛み。しかし午後からは痛みが悪化し、帰宅後は横になっていないとならないほどに。
くしゃみから7日
横になっていないとつらい。という状況が続き、裕美さんは「おかしい」と思いながらも時を過ごしてしまった。
くしゃみから14日
首の痛みが、なぜか頭へ移動。
くしゃみから23日
視界がぼやけ、耳鳴りもするという裕也さん。脳の病気を疑った裕美さんは、翌日、裕也さんを連れて近所のクリニックへ。そこでMRIにかけたところ、医師から「脳の周りに血腫がある」と告げられる。しかし、その病院ではそれ以上は詳しく調べられないということだった。
くしゃみから25日
翌日、紹介されて向かった大学病院で診察を受け、医師に告げられた病名は「脳脊髄液減少症」。
最終的に裕也さんを診断した日本医科大学付属病院 佐藤俊先生によると、「脳脊髄減少症は、脳と脊髄のまわりを満たしている脳脊髄液が漏れて減り、それによって、様々な症状を引き起こす病」とのこと。
裕也さんの場合、漏れた脳脊髄液の分を自分で作ることができず、脳内の髄液も減ってしまっていた。すると、脳脊髄液の足りない分を補おうとして、脳内の血管が自ら出血。その結果、どんどん血圧が溜まって血腫となり、脳を圧迫していた。
裕也さんの症状を治すためのポイントは2つ。1つは、「脳に溜まった血腫を取り除く」こと。もう1つは、「脳脊髄液が漏れている穴を塞ぐ」こと。こうしなければ、いくら頭から血を抜いても、同じ症状を繰り返してしまうという。
治療としてまず行われたのは、24時間点滴をすることによる「保存療法」。
保存療法:減ってしまった脳脊髄液を点滴で補い、その間に自己治癒力で脳脊髄液が漏れている穴が自然に塞がるのを待つという療法。
佐藤先生によると、点滴で症状が改善した症例もあるが,改善しなければゆくゆくは手術が必要とのこと。
そして入院して2週間。痛みは収まり、状況は好転したかに見えたため、一時退院することに。しかし!
退院して3日後、裕也さんに激しい頭痛が!状況は悪化、血腫がさらに大きくなっていたという!!
そこで佐藤先生から提案された治療法が、「ブラッドパッチ」。
1患者自身の血圧を採取し注射器で脳脊髄液が漏れている箇所に注入
2注入された血液は、かさぶたのようになって穴を塞ぎ、脳脊髄液の漏れを止めることができる
しかし裕也さんの場合は一般的な腰部からではなく頸部つまり首から髄液が漏れていた!首の周りは神経が多く、手術中に神経を傷つけてしまうリスクが高い。これまでにも神経を傷つけ、麻痺が残ったケースもあり、難しい手術。
裕也さんを救うため、佐藤先生は前例のない手法を考えたという。それがカテーテルを使ったブラッドパッチ。
裕也さんの脳脊髄液が漏れている首へ直接血液を注入するのではなく、背中からカテーテルを挿入。穴があいている首までカテーテルを送り、血液を注入する方法。注入された血液は首の神経を傷つけず、より安全にブラッドパッチができると考えた。
そして行われた、国内初の手術。結果は…成功!手術は無事成功し、裕也さんの脳は正常な状態に。現在も元気に暮らしている。
今、高齢者に人気急上昇中のアイドル、ごぼう先生。介護の「ご」と予防の「ぼう」を合わせて、ごぼう先生。6年前から鍼灸師として働くかたわら、福祉を勉強し、その知識を基に高齢者でも気軽に出来る体操を考案した。
すると、介護施設を中心に口コミで人気が広がり、全国の高齢者たちのアイドル的存在に!
ごぼう先生は高齢者を笑顔にするために2つの信念があるという。
1つは身体に無理な負担がないよう“椅子に座ったまま”体操をすること。こうする事で、身体の不自由な方でも参加できる。座ったままでも良いから、少しでも身体を動かすことが大事なのだそう。
2つめは“敢えて失敗をして笑ってしまう”雰囲気作り。一般的な多くの体操は、お手本通りきちっとできないといけない雰囲気だが、それでは皆が硬く、辞めてしまう人も多い。そこで、若い人でもできないような動きをあえてする事で、失敗を笑いあえる、楽しい雰囲気を作る事ができるのだそう。
健康長生きの最大の秘けつは、“笑顔”だという。
この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。