2017年2月24日(金) 放送
【ゲスト】東国原英夫、野々村真、松本伊代
この症状は更年期障害? ホルモン治療はがんになる? 病院に行ったら保険はきくの?など、今さら恥ずかしくて人には聞けない疑問に、女性ホルモン、男性ホルモン、がんリスクなど、日本が誇る名医、浜松町ハマサイトクリニックの吉形玲美先生、メンズヘルスクリニック東京院長の小林一広先生、江戸川病院乳腺センター長の田澤篤先生の3名が答える!
1980年代、アイドルとして活躍した彼女も、子育てがそろそろ手を離れる年代。変化に気づいたのは、昨年の夏。
寝ていると突然 異常なほてりを感じ、暑くて夜中に何度も目が覚める。(寒がりだったのにクーラーが平気になった)
今まで気にならなかったことで突然イライラし、激しくキレてしまう。
女性更年期障害スーパードクター吉形玲美(よしかたれみ)先生によると、これは女性更年期障害の典型的な症状とのこと。
異常なほてりは、更年期障害の特徴である「ホットフラッシュ」。暑い寒いといった環境とは関係によらず発作的に ほてりや発汗が起こる。
瞬発的に激怒する、周囲の目が気にならなくなり、公共の場でも怒鳴るなども更年期障害によるイライラの特徴。
「アンガーマネジメント」
心理学的に、カッとなった時の怒りのピークは6秒間といわれていて、イライラを感じた時には、6秒数えることでイライラは落ち着いてくるとのこと。
※出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
この他にも更年期障害には「めまい」「不眠」「うつ」「関節痛」など、約20種類もの症状があると言われており、そこには女性ホルモン「エストロゲン」が大きく関わっているという。
「エストロゲン」は40歳を過ぎたころから閉経に向け、分泌量が急に減ってしまう。その急激な低下に脳がついていけずパニック症状を起こし、身体や心の不調が起こってしまうという。
誰にでもホルモンの急激な低下はあるが、その症状には個人差があるとのこと。
※出典:中高年女性健康教育マニュアル(一部改変)
※期間には個人差があります。
「更年期」とは、閉経前後5年の約10年間。「更年期障害」とは、女性ホルモンの分泌量の激減に脳がついていけず起こる様々な不調。
1更年期障害は病気と認定されている。
2更年期障害の治療には保険がきく。
病院に行って、更年期障害という「病名」をもらうことが大切。
「婦人科」が適しているが、かかりつけの内科医などから「婦人科」を紹介してもらっても良い。
更年期障害と診断されると保険適用内で「漢方薬」や「ホルモン療法」など様々な治療が可能。
最近では、婦人科などで女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量を血液検査で簡単に調べることが出来るとのこと。自分の身体の状態を知っておくことが大切!
乳がんなどの手術を2000件以上行っている、江戸川病院乳腺センター長の田澤篤(たざわあつし)先生によると、女性ホルモン「エストロゲン」が子宮体がんのリスクになることは間違いないが、ホルモン補充療法の際、エストロゲンと共に女性の子宮の環境を整える「黄体(おうたい)ホルモン」を併用することで子宮体がんのリスクを抑えられるとのこと。
「ホルモン補充療法」は、子宮体がんのリスクはほぼ無いそう。
※現在、子宮体がんのリスクはほぼ無いが、5年以上の使用で乳がんのリスクが上がるという研究報告もあるとのこと。治療の内容や期間は医師と相談の上行ってください。
しかし薬でホルモンを補充しても、年齢により身体の中で女性ホルモンを作る機能は低下していく。
ところが、最新の研究で私たちは身体の中で女性ホルモンを補える“すごい成分”を作り出せることがわかってきた!
浜松町ハマサイトクリニック吉形玲美(よしかたれみ)先生によると、低下した女性ホルモンは、エクオールという物質で補うことができるという。
エクオールは女性ホルモン「エストロゲン」と非常に似た構造をしていて、「エストロゲン」と同様の効果を発揮し、更年期障害の症状を軽くしてくれるとのこと。
実際に体内のエクオール量と更年期障害の症状の関係を見てみると、更年期障害が軽い人にはエクオールが多く、更年期障害が重い人にはエクオールが少ないという検査データが出ている。
※出典:日本更年期医学会(現 日本女性医学学会)雑誌 第15巻1号 P33 図4
この「エクオール」は「エクオール産生菌」という腸内細菌の力で生み出されるという。しかし、日本人でエクオールが作れる人の割合は、およそ40%。残り60%は作ることが出来ないとわかっている。
※出典:浜松町ハマサイトクリニック 吉形玲美
腸内細菌を40年以上にわたり研究している理化学研究所、辨野義己(べんのよしみ)先生に聞いてみると「エクオールを生み出す腸内細菌・エクオール産生菌は、全ての人の腸内に生息している。しかし、エクオールが作れない人はエクオール産生菌が働かずに眠っている状態。つまり“ニート化”している。」という。
エクオール産生菌のニート化は腸内環境の問題。食生活を改善し、腸内環境を変え、エクオール産生菌の活性を高めれば、エクオールが作れるようになるという。
浜松町ハマサイトクリニック吉形先生によると、実際に検査でエクオールを作れていないと診断された人に一年半食生活を変えてもらったところエクオールを作れるようになったとのこと。
※出典:ヘルスケアシステムズ
実際にエクオールを作れる身体に変化した人が食生活に取り入れたものは「納豆」。
納豆は、エクオールの原料となる大豆イソフラボンが豊富。その上納豆菌には、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑える効果があるといわれ腸内環境を整えるのに最適な食材。
エクオールを作れるようになった人々は、1日1パックの納豆を欠かさず食べたそう。
さらに!納豆を食べる際にあるものを加えることで、普通に食べるより数倍も効果的に腸内環境を整えることが出来るメニューがあるという。
その“あるもの”とは「アボカド」。
材料
作り方は納豆と刻んだアボカドを、タレで和えるだけ!
アボカドは「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」が豊富。この2つの食物繊維が、腸内環境を改善するのに理想的な“食物繊維の黄金比” 1:2という割合で含まれている。
納豆と合わせてアボカドを一緒に摂り、腸内の環境を整えれば、ニート化している菌が元気になり、エクオールをつくる量をアップさせる効果が期待できるという。
吉形先生によると、腸内環境は夜に作られるので夕食で食べるのがおすすめとのこと。
30代から70代以上でも、男性ならいつ患うかわからないという男性更年期障害。
症状が進行すると、メタボリックシンドローム、糖尿病、ED、認知症だけでなく、動脈硬化が引き起こす脳梗塞や心筋梗塞、さらに深刻なうつといった疾患を引き起こす危険があるという。
しかし何が原因で、どんな身体や心の変化が病気のサインとなるのか、知っているようで知らない。この男性更年期障害の改善法を名医がわかりやすく解説。
芸能界から政治・行政の中に入って、環境が変わりプレッシャーもあったという。
症状
★(1):夏でも悪寒がした
★(2):これまでにない激しいイライラ。怒りっぽくなり、記者会見で必要以上に記者に噛み付いたなど。
男性更年期障害の名医、メンズヘルスクリニック東京の小林院長によると「日本人の約6人に1人は、男性更年期障害の危険があると言われている。」とのこと。
男性ホルモンは20歳あたりをピークになだらかに低下。男性には女性の閉経のようなホルモンが急低下する決まった時期がない。
30代~70代以上まで、いつ発症するか予測がつきづらい。
ストレスなどによる男性ホルモンの急激な低下により症状が現れる。
※出典:日本泌尿器科学会から引用
男性ホルモンの低下が引き起こす身体や心の症状を徹底的に検査できるという「男性力ドック」。今回検査を受けるのは、近頃自身の変化に悩んでいるという野々村真(52)と赤井英和(57)の2人。果たして2人は「男性更年期障害」なのか?
★野々村真(52)の最近の心配:イライラ・判断力の低下・判断力の低下
★赤井英和(57)の最近の心配:飲酒の量が増えた
1血液検査
2動脈硬化度検査
3骨密度検査
4筋力検査
5体組成計(体脂肪率検査など)
6ED検査
7指の長さ検査
男性更年期障害と大きくかかわるのは、男性ホルモン「テストステロン」。
テストステロンは主に精巣から分泌され、強い筋肉や丈夫な骨、全身の体毛など男らしい身体をつくる。
問診票で男性更年期障害として起こりうる症状をチェック。さまざまな身体の不調から精神面の変化まで、その数115項目。
ちなみに実際の問診票にある次の5つの項目のうち1つでも当てはまれば、男性更年期障害の疑いアリ!
Q:ほてり、のぼせ、多汗がある
Q:不眠に悩んでいる
Q:ささいな事にすぐ腹を立てる
Q:過去のことを振り返れば失敗のことばかり思い出す
Q:老けて見えるのではないか、魅力がないのではないかと心配
男性更年期障害かもと心配している野々村さんの問診票には
・将来について悲観している
・自分自身に失望している
・いつも泣いてばかりいる
という回答が。それに対する医師の診断は「相当 重症」!
【結果】
メンズヘルスクリニック東京更年期外来担当医小山太郎先生の診断結果は、
★野々村真(52):精神面の不安症状が出ていると診断。問診票診断に問題あり。
★赤井英和(57):問診票診断に問題なし。
男性ホルモン「テストステロン」には血管をしなやかに健康的に保つという役割があり、テストステロンが低下していると血管は硬くなり、動脈硬化が進みやすくなってしまうとのこと。
【結果】
★野々村真(52):血管年齢52歳。動脈硬化の疑いなし!
★赤井英和(57):血管年齢65歳(+8歳)。動脈硬化に注意!
なんと指の長さで男性ホルモンを作る能力がわかるという!右手の人差し指と薬指の長さを比較した時に薬指の方が長い人は、もともと男性ホルモンを作る能力が高いとのこと。なぜ右手の人差し指より薬指が長いと男性ホルモンを作る能力が高いのか?
胎児のころ母体から男性ホルモンと女性ホルモンのシャワーを浴びる。男性ホルモン・テストステロンは受容体が多い薬指に集まる。テストステロンは、骨を成長させる働きもあるので、受容体が多い薬指を成長させるといわれる。薬指が長い人は、もともと男性ホルモンの量が多く、作る能力も高いとのこと。
【結果】
★野々村真(52):人差し指6.6cm、薬指7.4cm。薬指の方が長く、男性ホルモンを作る能力が高いと考えられる。
★赤井英和(57):人差し指7.3cm、薬指7.1cm。薬指の方が短く、男性ホルモンを作る能力が低いと考えられる。
そのほかにも、筋力検査、骨密度検査、内脂肪検査などを行う。
男性更年期障害の検査の中でもっとも重要な検査。男性ホルモンのテストステロンが低下しているかを血液から調べる。(結果が出るまでの期間は3週間ほど)
※男性ホルモン テストステロン値 50代平均 12
【結果】
★野々村真(52):男性ホルモン テストステロン値12.3。「年齢相応」
小林先生の診断結果:男性更年期障害。問診票の結果はイライラや不安うつなど重症。薬指の長さから推測するに、もともと高かったテストステロンを作る力が減って、男性更年期障害になっている可能性が考えられる。
★赤井英和(57):男性ホルモン テストステロン値16.6。「高め」
小林先生の診断結果:運動量が以前に比べ減り、飲酒量が多いため、今後テストステロンが低下する可能性がある。
メンズヘルスクリニック東京:診療:水曜~日曜日(要予約)
【男性力ドック】
検査時間:約1時間
料金:32400円(初診料込み・保険適用外)
男性更年期障害は、高かった男性ホルモンが急低下すると発症するので、野々村さんのように薬指が長い人は男性ホルモンが急激に低下する可能性があり、それには年齢による男性ホルモンの低下も関連している。
男性ホルモンの低下は避けられない。しかし男性ホルモンを作るエンジンは、排気量は小さくても、ちゃんと回してあげれば男性ホルモンは出るという。
奥さんや家族のちょっとした協力でご主人の男性ホルモンを出す方法とは?
加齢とともに下がっていく男性ホルモン値。しかし、そこにはある意外な原因も。
心理学の権威、立正大学名誉教授の齊藤勇先生によると、「男性ホルモンの低下の原因は、喜び不足にもある」とのこと。
男性ホルモンであるテストステロンは、喜びホルモンとも呼ばれ、喜ぶことで分泌されるということがわかっているという。
アメリカ・ユタ大学の実験で、スポーツ観戦したファンの試合後の男性ホルモン値を測定したところ、勝ったチームのファンは男性ホルモン値が増加し、負けたチームのファンは減少したというデータが。
※出典:Testosterone Changes During Vicarious
Experiences of Winning and Losing Among Fans at Sporting Events
つまり日頃からご主人を喜ばせてあげれば、男性ホルモンが分泌され、男性更年期障害を抑制できるかもしれないという。
心理学の権威、立正大学名誉教授の齊藤勇先生によると「男性を喜ばせる方法は、褒めること。褒めることで優越欲求が満たされ強い喜びを感じるということがわかっている。」とのこと。
優越欲求とは、人より自分が上でありたいという気持ち。褒めることで人より優れていると感じ、喜びが大きくなる。特に男性は、この優越欲求が強いと言われているそう。
魔法の褒め方(1)【比較褒め】
心理学的に、人は誰かと比較して褒められることで喜びが増すと言われている。例えば、ご主人がゴミ出しをしてくれた時には…
「いつもゴミ出ししてくれて偉いわね」
これでは不十分。魔法の褒め方を使うと…
「隣の旦那さんはゴミ出しなんてしていないのに、あなたはいつもしてくれてエライわね!」
となる。齊藤先生によると心理学的にこれを「社会的比較効果」と呼び、比較対象によって位置がハッキリし、かんたんに優越欲求を満たすことができるという。
魔法の褒め方(2)【第三者褒め】
これもゴミ出しをしてくれた場合に使うと…
「あなたはいつもゴミ出しをしていて優しいって隣の奥さんが褒めてたわよ!」
となる。心理学ではこれを「ウインザー効果」と呼ぶとのこと。面と向かって褒めると「お世辞を言っているのでは?」と疑ってしまうが、第三者の褒め言葉を聞くと信憑性を感じ、喜びが増すのだとか。
またオスの本能として男性は たくさんの女性から褒められたいので、「隣の奥さん」は効果バツグンとのこと。
女性更年期障害も男性更年期障害も病気であると認識して正しく向き合うことが大切!
この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。