2017年2月03日(金) 放送
【ゲスト】伊吹吾郎
東京女子医科大学 東医療センター内科 渡辺尚彦教授によると、「人は塩分が多い味付けを美味しいと感じてしまうため、必要以上の塩分を摂ってしまうと考えられている」とのこと。
塩分摂取量が多いという生活習慣は、脳卒中や心筋梗塞になる危険性を2割も高めてしまうという報告がある。
※厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)【2010年2月発表】
塩分摂取目標量と現代人の塩分平均摂取量を比較すると、摂取量が明らかにオーバーしている!
★18歳以上の男女1日あたりの塩分摂取目標量
男性:8.0g未満
女性:7.0g未満
※出典:平成27年国民健康・栄養調査結果の概要
★18歳以上の男女1日あたりの塩分平均摂取量
男性:11.0g
女性:9.2g
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)
「うま味」とは…5つの基本味と呼ばれる味の要素の1つ。
※出典:NPO法人 うま味インフォメーションセンターより
通常のかき玉汁、30%減塩かき玉汁、30%減塩+うま味かき玉汁を食べ比べ、一番美味しいと思うものを選んでもらった。
★通常のかき玉汁…61名
★30%減塩かき玉汁…5名
★30%減塩+うま味かき玉汁…61名
「通常のもの」と「減塩+うま味を加えたもの」を選んだ人が同数という結果が!
塩分の源は「つゆ」。現代人の塩分摂取目標量とつゆの塩分量を比較した場合、ついつい食べ過ぎると、1食で1日の目標量の半分になってしまう!
★男性…8.0g
★女性…7.0g
※出典:平成27年国民健康・栄養調査結果の概要
★つゆの塩分…4.0g
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
※おでん一杯あたりのつゆの塩分量2g。2杯飲んだ場合の塩分量を掲載。
栄養ジャーナリスト 白鳥早奈英先生によると、塩分カットにオススメの2つのうま味食材があるという。
(1)パルメザンチーズ:うま味成分である「グルタミン酸」が豊富に含まれており、含有量はチーズの中で最も多い!
(2)かつおだし:うま味成分である「イノシン酸」が豊富に含まれており、含有量は様々な食材の中でもトップクラス。
この2つのうま味成分を一緒に摂取する事で、うま味が最大8倍にもなるという!
1半分に切った油揚げに爪楊枝で裏表15カ所程度穴を空ける。
24人分の分量の場合、パルメザンチーズを大さじ3杯(約20g)袋状にした油揚げに入れる。※1人分は5g。
3油揚げを爪楊枝で止め、手作りチーズだしパックの完成!
※穴を空ける事で、チーズ臭くならずにうま味だけ抽出できる。
1水・おでんの素を半分・かつおだしパックを1つ・チーズだしパック・具材を入れて煮込む。
2沸騰して3〜5分経ったらかつおだしパックを取り出す事。ずっと入れていると、苦味が出てしまうので注意が必要!!
おでんのつゆの素由来の塩分を約5割カットした減塩おでんの完成!
※おでんの練り物にも塩分が含まれているため、食べ過ぎには注意して下さい。
冷え込みが厳しいこの季節、風邪や花粉症でもないのに朝起きると、鼻がつまっている…そんな経験、あるのでは?
はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックの生井明浩院長に聞くと、冬の朝の鼻づまりの原因は「寒暖差アレルギーの可能性がある」と言う。「寒暖差アレルギー」とは、急激な温度変化によって神経が過敏な状態になること。鼻の中の神経が過敏になると、粘膜に覆われた鼻の内部のヒダ「鼻甲介(びこうかい)」が腫れてしまい、鼻づまりが起こるという。
★鼻甲介のはたらき
まるでエアコンのような優れた機能を持つ器官で、冷たい外気を吸い込むと、膨張することで、その温度を一瞬で体温に近い37℃に変えてくれる。外気を体温に近い温度に変えることで肺のダメージを防ぎ、ウィルスや細菌などから身体を守っている。
生井先生によると、寒暖差アレルギーの場合鼻甲介が過剰に反応し空気の通り道を塞いでしまうほど大きく膨らんでしまうため、鼻づまりが起こってしまうという。
暖かいところから寒いところへ行ったときなど、7℃以上の急激な温度差が起こった場合に、寒暖差アレルギーが起こるのではないかと考えられているとのこと。
寝ている時の布団の中の温度は、28〜33℃。朝起きて暖房をつける前のリビングの室温は、8〜12℃。温度差は、20℃にもなっている!洗面所の室温は5〜10℃とその差がさらに激しく、これが寒暖差アレルギーが引き起こす、朝の鼻づまりになる理由だった!
生井先生によると、交感神経は脇の下と鼻でつながっているので、脇の下を圧迫することで鼻の交感神経を刺激し、血管を収縮させて鼻甲介を小さくすることができるという。
1つまっている鼻と同じ方の手でこぶしを握る。
2つまっている鼻と反対の脇を開き、脇の下にこぶしを無理なく当てる。
★ポイント
脇の下と鼻の交感神経は、左右反対につながっているため、右の鼻がつまっている場合は左の脇の下を、左の鼻がつまっている場合は右の脇の下を刺激する。
3脇の下を閉じ、こぶしを挟んで脇の下周辺を圧迫し、そのまま20秒待つ。
※気温の低い場所で改善法を試すことは、通常の鼻甲介の働きを妨げる恐れもありますのでご注意下さい。
寒暖差アレルギーと診断された一般被験者男女の2名で検証!今回ご紹介した、鼻づまり改善法を実践してもらう。果たしてその結果は…?
小島愛里さんの鼻甲介
検証前と比べると鼻甲介が小さくなり、鼻の奥の隙間がよく見えている。
平川盛司さんの鼻甲介
鼻甲介が小さくなり、鼻づまりが改善。
2名とも鼻づまり改善!
患者数約729万人!多くの日本人が抱える現代病…ドライアイ!
※出典:(株)日本医療データセンター
ドライアイとは、主に涙が不足し、目が乾いて痛みや疲れを感じる病気のこと。目薬を使って水分補給をしても、目の乾きがなかなか改善しない。そんなドライアイを引き起こしている原因は実は水分不足だけではなかった!
ドライアイ治療のスペシャリスト、伊藤医院 有田玲子副院長によると、「ドライアイの原因は、“目の便秘”にもある」とのこと。そこにはまぶたにある「マイボーム腺」という器官が関係しているという。
マイボーム腺とは、まつげの根本の内側にある、目にアブラを分泌している器官。マイボーム腺から出たアブラは目の表面にバリアを作り、涙が蒸発するのを防ぐ働きをしている。このマイボーム腺がつまり、いわば目の便秘のような状態になってしまうと、アブラが分泌されず、目の表面のバリアが弱まってしまう。その結果、涙が蒸発しやすくなりドライアイを引き起こしてしまうという。
私たちが普段行っている2つの行動が要因。1つ目は、目の際にアイラインを引くこと!実はそれにより、マイボーム腺の出口が塞がり、アブラがつまってしまうとのこと。2つ目は、コンタクトレンズをした状態での頻繁なまばたき。これはマイボーム腺に衝撃が加わり、アブラがつまりやすくなるという。
有田先生によると、この「目の便秘状態」を放っておくと、ドライアイが悪化し、視力低下や感染症にかかったり、痛みで目が開けられなくなる恐れがあるという!
ではドライアイの原因、“目の便秘”を改善するにはどうすればよいのか?今回はたった5分で改善できるホットタオルの作り方をご紹介!
1水に濡らしたタオルを適度に絞りビニール袋に入れる。
2ビニール袋の口をあけたまま500Wの電子レンジで45秒温める。
※取り出す際はやけどをしないよう熱さには十分ご注意ください。
3ビニール袋に入れたまま5分間まぶたの上にのせる。
有田先生によると、固形のバターを温めると溶けるのと同じように、ホットタオルで目を温めることでつまったアブラが溶け出し、目の便秘が改善。目のバリアが回復することが期待できるという。
ドライアイに悩む一般被験者女性2名がホットタオル改善法を検証!実際に温める前と後で目のアブラの様子を比較してみた。果たしてその結果は…?
花田香代子さん(58)
後藤敦子さん(40)
ホットタオルで温める前の2名の目は、表面にアブラが少なく、目のバリアに亀裂が入っている状態。ホットタオルで5分間まぶたを温めたところ、アブラの量が多くなりバリアに亀裂も見当たらなくなった!
2名ともドライアイ改善!
日本人女性の1000万人以上に当てはまる「ある症状」が「物忘れ」の原因だった!40代女性を襲った「物忘れ」の驚きの原因とは!?
《初期症状》
ある日彼女は、原因不明の「症状」に悩まされることに。そんな礼子さんが最初に感じた身体の異変は…
★症状(1) 慢性的な頭痛
★症状(2) 疲れがとれない
★症状(3) 風邪をひきやすくなる
★症状(4) ケガが増えた
人間ドックでは「異常なし」。当時、礼子さんの人間ドックの結果は身体測定をはじめ、どれもこれもA判定ばかり。心電図も血液検査も異常は無かったため、礼子さんは単なる疲れや睡眠不足が原因だと思っていた。しかし…
《発症》
★物忘れ(1) 会話を忘れる
★物忘れ(2) 人との約束を忘れる
★物忘れ(3) 言葉が出てこない
《病院へ》
アルツハイマー病を疑い脳神経外科へ。異常がないかMRIで検査をしたが結果は脳には「異常なし」。疑っていた若年性アルツハイマーでは無かった。
医師から血液検査を勧められ、その結果は…生まれて初めて貧血と診断された。物忘れを引き起こしていた原因が「貧血」とは、一体どういうことなのか!?
「貧血」の際、身体に足りていない栄養素は「鉄」。鉄は酸素と結びつき、血液を利用して酸素を身体中に供給するためには欠かせない栄養素。礼子さんの場合、鉄が不足して脳に十分な酸素が運ばれず、脳が酸欠状態に陥ったことで「物忘れ」が起きていたと考えられるとのこと。
医師の診断によると、礼子さんは実は「隠れ貧血」だった。「隠れ貧血」は、通常の健康診断や血液検査ではわからないところが厄介!それは、通常の血液検査では測れない「フェリチン」が関係していた!!
「フェリチン」とはたんぱく質の一種で、身体に入った鉄を貯める、いわば「鉄の貯蔵庫」。
食べ物で身体に摂取された「鉄」の行き先は2つ。
★身体中に酸素を運ぶ、血液の中の「ヘモグロビン」
※通常の血液検査で測ることが可能。
★肝臓などにある「フェリチン」
※通常の血液検査で測ることができない。
礼子さんは病院に来た当時、フェリチンにある鉄の量が極端に少なかったので「隠れ貧血」と診断された。
「フェリチンの鉄が満タンの状態を100%としたときに、80%を切ると、「隠れ貧血」。礼子さんの例のように、頭痛、疲れがとれない、風邪をひきやすくなる、ケガをしやすくなる、物忘れなど様々な症状が出てくる。
30%程度まで減ると「貧血」と診断されるが、そこまで鉄が減らないと、健康診断では「貧血」とは診断されない。
ポイントは、フェリチンに蓄えられた鉄の量!残りが少なくなってくるとヘモグロビンに渡す鉄もセーブされ、結果的に体内に届けられる酸素も減ってしまう。酸素不足になった脳や内臓は様々な不調を起こすことに!!
貧血が悪化すると、手足にカビが生えたり、足がムズムズしたり、異食症を起こすと言われている。では「貧血」は、どうすれば防げるのか?
番組では隠れ貧血を予防する、鉄摂取にオススメの「最強アサリ料理」を紹介。「アサリ(クラム)」は、鉄を豊富に含む食材。さらに、その鉄の吸収をUPさせる良質なタンパク質を含む「牛乳」。この2つの食材が強力タッグを組んでできるメニューが、「最強クラムチャウダー」。
今回使用するのは、アサリの「水煮缶」。実はアサリの水煮缶は100gあたりの鉄量が、一般的に「鉄が多い」と知られているレバーやほうれん草よりも多い。水煮缶には身がぎっしり入っていて、一度に大量の鉄を摂ることができる。また、買い置きが出来るうえ、値段も生より安い。
材料
1バターとにんにくを熱し、香りがついたらじゃがいも、人参、玉ねぎとベーコンを炒め、小麦粉、牛乳、スープの素で味を調える。
2ここでポイント!水煮缶に使われていたアサリの汁をスープに加える。
アサリの汁には身体に酸素を運ぶヘモグロビンの生成を助ける、ビタミンB12が豊富に溶け込んでいるので、捨てずに使いましょう!
3アサリは固くならないよう最後に加え、完成!ではなく…
実は、あるモノをちょい足しすると、さらに鉄の吸収をUPさせることが可能!その食材とは、枝豆!!
枝豆は鉄の吸収をUPさせるビタミンC、タンパク質が含まれているため、クラムチャウダーとの相性は抜群!
4最後にその枝豆を入れて「最強クラムチャウダー」の完成!
この番組は専門家の監修のもとに構成いたしました。
番組で紹介した事例は身体の悩みに関する原因とそれに対する解決策の1つです。事例により別の原因・学説があることをご承知ください。
医療行為を試される場合は医師に相談の上ご本人の正しい判断で行ってください。