知ってるワイフ

Interview#02 剣崎(建石)澪役 広瀬アリスさん

澪はどのように演じようと思いましたか?
「若くして子供を産む役はあったのですが、子供がいる主婦役は初めてでした。私もそういう年齢になったのかな?と思いました。1話の台本を読んだ時に、自分が思っていた以上に壮絶、かつ夫婦仲の日常がリアルに描かれていたので、ここは思い切りお芝居したいと、楽しみになりました。」
母親役での撮影は、いかがでしたか?
「子役の子が泣いてしまったりして撮影が進まない時は、あやしたりしていました。子供たちとは上手くコミニュケーションをとらないと、なかなかこちらの話を聞いてくれないことも。子供たちとコミニューケーションを図ることで、自然に出てくる言葉でお芝居が出来ることに気がつきました。そういった自然なやりとりをドラマの中でも使って下さっています。私は撮影中だけ子供たちを気遣っていれば良いのですが実際のお母さんたちは、これが毎日続くので大変です。プラス家事もこなさなければならないので“お母さんたちはすごいな!”と改めて思いました。自転車の前後に子供を乗せるシーンがありましたが、メチャクチャ怖かったです。」
恐妻の澪を演じる上で、苦労なさったことは?
「台本を読んで、澪は普通に怒っているのではないなと分かりました。韓国の原作ドラマも拝見させていただいたのですが、澪にあたるキャラクターは奇声に近い怒鳴り声を発している印象があったので、そこに近づけたいと思いました。喋るペースやトーンを全部考えて、テストや本番ですり合わせていったんです。ご覧いただく方に、かなりのインパクトを残したかったので、思いっきり怒鳴らせていただきました。元春に物を投げつける時も、大倉(忠義)さん目掛けて投げるぐらいの勢いでした(笑)。」
そんな時、大倉さんは?
「“あっ、当てるの?”と言ってらっしゃいました(笑)。私自身は、疲れてしまうので普段はあまり人には怒らないです。でも、元春の態度で私が一番イヤだったのは、人の話を聞かないことです。私だったら、そういう時は静かにしつこく呼び続けます。パッと怒ったりはしませんが、追い詰めて行くタイプです。私を敵に回すと、そういう意味では怖いかもしれません(笑)。」
1話の澪と結婚生活をしている元春をどう思いましたか?
「ダメだと思いました。元春のような男性と交際する女性は大変だと思うので。元春は子供っぽくて、視野が狭いところを直してほしいです。」
壊れて行く澪と元春の関係については?
「お互いにきちんと言葉にして伝えれば良いのにな?と、客観的に思いました。ちゃんと言わなければ相手にはわからないと思います。“ありがとう”や“ごめんね”とか、こうして欲しいとかも、すべて言葉にしなければ伝わりません。これは夫婦関係だけでなく、人間関係のすべてに通じることなんだろうと、今回のドラマを通して感じました。」
澪は元春と最初から関係が悪かったわけではありません。仲が良かった過去も出てきますが、違う方向性の澪を演じてみていかがでしたか?
「元春と結婚している剣崎澪と、独身の建石澪。一人の人物を演じている感覚がありませんでした。元春と結婚して母親となった澪、交際を始める学生時代の澪、そして独身の澪。シチュエーションも違うので、同じ人物として演じなくても良いのかもしれないと思いました。見た目もすべて違うので、別人を演じているような感覚だったんです。衣装やメイクが変わると私自身の気分も変わるので、そこで演技を切り替えることが出来ました。反対に元春は、同じ記憶のままで、いつも同じ。どこか憎めなくて放ってはおけない存在で、母性本能をくすぐられるようなキャラクターです。1話の澪にとっては、違いますけど(笑)。」
大倉さんと演じてみていかがでしたか?
「大倉さんは、ふわっとした方という印象です。でも、撮影スケジュールがハードだったので、一緒にがんばろうと毎日撮影に挑んでいました。たくさんお話ししたかというと、そうでもなくて…役柄の関係性を考えても、お互いにほど良い距離感でお芝居していたので、とても演じやすかったです。撮影の合間は、それぞれゲームをしたり音楽を聞いたりして過ごしていました。大倉さんと私だけでなく、他の共演者の方もマイペースな方が多かったので、空き時間は個々に楽しんでいる感じでした。」
澪を演じて、結婚についてどう思われましたか?
「まだ、私は独りで良いかな?と思いました(笑)。澪は大変そうですし、私はもう少し独りの時間を楽しみたいです。でも、家庭を持って、子供がいて、ワチャワチャしているのも楽しいかもしれません。キッチンに子供たちの小さい食器が並んでいるのも、可愛いなぁとも思ったりしたのですが、(結婚は)今ではない!と(笑)。」
元春は過去にタイムスリップして現在を変えようとします。もし、広瀬さんが過去に戻れるとしたら?
「もう一度、学生生活をしてみたいです。中学3年生の時には、仕事で上京することが多かったので…。下校時にお友だちと何かを買って食べたりとか、普通のことがなかなか出来ませんでした。卒業アルバムに写真があまり載っていないんです。体育の授業の時に、卒業アルバム用に撮って下さるカメラマンさんがいらしたんです。その時には私もいたんですが、久しぶりに登校したので体操服を忘れてしまって借りたものを着ていたので、他人の苗字が書いてあって…。その写真がアルバムにあって恥ずかしかったのが、中学時代の思い出です(笑)。」
最後に、視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。
「『知ってるワイフ』はファンタジーラブストーリーなのですが、夫婦関係のリアルを描いています。また、それぞれのキャラクターの背景が掘り下げられていきますので、元春と澪の夫婦関係だけでなく、彼らを取り巻く周囲の人、親や友人、同僚などとの人生が描かれるのを通して、人間関係について改めて考えさせられるような作品になっていると思います。そして、ご覧いただく方、みなさんは“元春がんばれ!”と応援したくなるかもしれません(笑)大倉さんが演じる元春を存分にお楽しみください!」

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