知ってるワイフ

Interview#01 剣崎元春役 大倉 忠義さん

演じられた元春は、どのようなキャラクターでしたか?
「元春は結婚何年目かに直面する夫婦の問題を抱えた男性です。夫婦関係が上手くいってないことをすごく思い悩んでいて、妻の澪(広瀬アリス)と衝突してしまいます。そんな矢先、タイムスリップという奇跡が起こる。 “あの時こうしていたら、今はどうなったんだろう?”と考えることは誰にでもあると思うのですが、元春は実現出来てしまいます。自分の希望の人生を手に入れたはずなのに、元春は悩み続けてしまう。そんな元春を演じながら、“いや、お前(元春)のせいで事件が起き続けているのに!”とずっと思っていました(笑)。自分を偽らず、おこった問題を素直に受けとめることは出来るんですけど、どこか優柔不断。決して悪い男ではないんですけどね」
今回、元春は社会人、大学生など時を超えることでの変化がありますが…。
「その時々で、お芝居する相手も変わりますし、たくさんのドラマを一辺に収録していたような感じがします。その分、楽しませてもいただきました。撮影のスケジュールがまずアリスさんとのシーンを撮影して、瀧本(美織)さんのシーンを撮影するという流れだったので切り替えが出来て演じやすかったです。」
元春は過去を変えることで澪との家庭から、沙也佳(瀧本美織)との家庭へと変わります。元春を演じていて、大倉さんはどちらの家庭が良いですか?
「理想は最初の家庭です。奥さんの澪がいて、子供が二人いる。外から見たら順風満帆だと思うんです。僕が今の年齢で思う幸せな家族の形ですが、実は元春のように悩みや問題を抱えているのかもしれません。」
自分勝手に過去を変えてしまう元春をどのように演じようと思いましたか?
「元春を魅力的に見えるように演じようとは思いませんでした。台本に描かれている通り、ありのままな感じです。男性スタッフの方が、奥さんとドラマを見たら元春の行動に“あなたと同じ!”と言われそうで一緒には見られないと言っていました(笑)。」
澪を演じる広瀬さんの印象は?
「仲の良い場面もケンカしている場面も撮影したんですが、恐妻の澪はイヤです。怖いです(笑)。演じられているアリスさんは、すごく明るくて、マイペースな方でした。独りでずっとゲームしているし(笑)。面白い方でした。」
元春と澪には二人の子供がいます。子役の子たちとは?
「めっちゃ可愛かったです。本当に賑やかで、いいなぁとも思ったんですけど、これが毎日か?と思うと…(笑)。でも僕に子供がいたら絶対に可愛いと思いますし、娘は怒れないだろうなぁと想像もしました。子役の二人には厳しくしました、ビジネスパートナーなので(笑)。仲良くなりすぎると幼い面が出てきて言うことを聞いてくれなくなると思うので、適度な厳しさを持って接しました。」
1話は澪との会話がリアルで、少し重い展開になりますね?
「僕は、1話の収録でずっとため息をついていました(笑)。元春と澪のような夫婦関係になってしまうのは嫌だなぁと考えていました。お互いに独身だったら自由ですが、結婚して子供もいる中で夫婦の不仲だけでは別れられない。澪にスリッパを投げつけられるシーンがあるのですが、僕だったら耐えられないかな。でも、澪をそんな恐妻にしてしまったのは元春のせいでもあると思います。」
元春は澪との仲を改善しようとは思わなかったのでしょうか?
「1話では、もう手遅れなんです(笑)。そうなるまでの過程が大事だったのでしょう。長く一緒にいるとお互いに気遣いが出来なくなってくると思うんです。真剣に向き合うためには気力が必要ですが、それすらもしんどくなってしまった。元春と澪も小さな不満などが積み重なって、改善するきっかけを失ってしまったんだと思います。良い夫婦でいるためには努力が必要なんだろうなと感じました。」
大倉さんご自身は、そんな努力を出来そうですか?
「出来る時は出来そうですが、何かで自分が一杯一杯になってしまっていたら相手を気遣えないかもしれません。その助け合いが上手く噛み合えば良いんですけど、出来ないから壊れてしまうこともあるのだと思います。僕は結婚していないのでわからないですけど(笑)。」
視聴者のみなさまへのメッセージ
「『知ってるワイフ』は、行き違ってしまった夫婦の関係だけでなく、仲の良い時間も描いています。ご覧になるみなさんにも、大切な人と過ごす幸せな時間を思い出していただけるようなドラマになれたらと願っています。」

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