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山田涼介さんインタビュー
浦島エイジ役

『親愛なる僕へ殺意をこめて』の原作は猟奇的なシーンも多く、
ドラマ化も難しいと思いますが、いかがでしょうか?

「ドラマ化はありだなと僕は思っていました。確かに描写は見る人が見たら、グロテスクで苦手意識を感じる方もいると思いますが、何より内容がハラハラドキドキさせてくれるスリル満点な作品です。今回の出演が決まるよりずっと前に原作を読んでいたのですが、そのときから実写化はしやすいと思っていました。そして、実写化するなら誰が主人公を演じるんだろう?と考えていたら、ありがたいことに僕にお話をいただいて“オレか!”って(笑)。でも、僕も原作のシーンをどこまでドラマで描き切れるのかな?とは思いました。地上波ドラマなので制限はあると思いますし…。それでも、今回は結構チャレンジしているなと思います。原作へのリスペクトも込めて、表現できる範囲で最大限に描こうとしているので、元から原作ファンだった僕も納得のできる内容になっています。もちろん、ドラマは限られた時間内にストーリーをおさめなければならないので、オリジナル部分も入りますが、原作の本筋からは外れていません。おそらく皆さんが原作の中で“見たいな”と思っているシーンはちゃんと表現していると思うので、原作ファンの方も初めて作品に触れる方も楽しめるドラマになるんじゃないかなと思っています。」

撮影も始まりましたが、改めて二重人格者をどのように演じようと?

「二重人格の役ということだけで言うと、今回は前編・後編と考えて見ていただきたいです。最初は僕たちキャストやスタッフが“A面”と呼んでいるエイジで、後半はB一が出てくる“B面”です。もちろん、すでにB一も演じていますが、今のところはエイジという明るいキャラクターを演じることが多くてエイジとB一の振り幅は、監督やプロデューサーさんと一緒に考えています。僕にとってはB一を演じる方がやりやすいのですが、エイジとの振り幅をどれぐらいにするのかが難しいところで。エイジの明るさや人の良さ、おどけた姿や驚き方など細かい部分に気をつけながら監督と常に話し合いつつ、演じ分けている感じです。」

B一の方が演じやすい理由は?

「B一はクールなキャラクターなので、エイジより演じやすいんです。クールなキャラクターは、“無言”、“無表情”という言葉でも表現できますし、皆さんもイメージしやすいですよね。でも、エイジのように何かを背負いながら明るくおどけて生きている人はそういないし、言葉で言い表すのも難しくて。さらに、それをお芝居で具現化するのもすごく大変なので、エイジは自分の中で構築していく作業が必要になります。僕は日常の中でエイジのように何かに驚いたりすることがなかなかないので、そういう面でもエイジの方が演じるのは難しいと感じています。」

今回は二役を演じるようになりますが、山田さんは演じている役に
プライベートで引っ張られてしまうことはありますか?

「僕はそういうことが一切ないんです。というのも、“誰かが亡くなりました”、“誰かに追いかけられています”というシーンを撮影した次の日がライブということが昔からよくあったので(笑)。でも、今回に関しては、アイドルとエイジとB一という三役になるので、少し混乱する部分はありますね。整理するためにしていることは“何も考えないこと”かなぁ?自分でもどうやって切り替えているのかはよく分からないです。切り替えに必要な何かをやっている時間もないので…(笑)。でも、エイジの演じ方を考えている時間は、僕は苦ではありません。仕事の中でもお芝居は特に好きなので、撮影現場で四苦八苦している自分を楽しんでいる感じです。」

山田さんは、ご自身の中に違った人格を感じることはありますか?

「いるのかなぁ?現場によって人格は変わるし、そのときのメンタルによって変化する部分はあるかもしれません。それなりに仕事が重なってくると、ずっと黙ってしまってスタッフさんをビビらせてしまうこともあるでしょうし、気持ちに余裕があれば明るく過ごしています。皆さんと一緒で、疲労具合などで変わる状況で考えるなら、違う自分もいるとは思います。アイドルとゲーマー、俳優の顔を持っていると“どれが本物の山田くん?”と聞かれることもありますが、“どれも本物の山田くんでしょ?”と返したりします(笑)。基本的にゲームは家でやっているので、そのときの僕が本当の僕ではありますけどね。」

撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?

「シーンによって雰囲気が全然違います。涼しい現場で刑事と話すようなシーンは和気あいあいとしていますが、この猛暑ですからね。本当に暑い中でのロケは、10月5日(水)スタートのドラマということで僕たち役者もわりと厚着ですし、スタッフさんも大変なのでみんなが撮影に集中するだけで精一杯になっています。拷問するシーンやされるシーンだと、さすがに和気あいあいとしている場合ではないですし(笑)。松山監督はカット割りをたくさんなさるので、集中していないと自分が追いつかなくなることもあり、シーンによって雰囲気はハッキリとしている現場だと思います。とにかく、暑いと人間ってこんなに余裕なくなるんだ!とは、思っています(笑)」

ナミ役の川栄李奈さんの印象はいかがですか?

「すごく人見知りな方と伺っていたのですが、実際にお会いしてみるとゲラな方で、よく現場で笑っていらっしゃるんですよ。先日、撮影でご一緒したときは、メイクさんがなぞなぞを出してくれたのですが、トンチンカンな答えを言ってゲラゲラ笑っていました。川栄さんとのシーンは和気あいあいとしていると思います。僕も人見知りな方ですが、もう現場ではお互いに壁はなくなっていると思います。」

他の共演者の方々は?

「まだそこまで皆さんと一緒のシーンは撮れていないのですが、(尾上)松也さんとは、すでに結構ご一緒しています。本当にヤバい役なんですよ(笑)。見た目からヤバいし、松也さんの演じ方や入り込み方もものすごくて圧倒されています。これは是非、放送で見ていただきたいです(笑)。原作の佐井(社)の怖さにプラスして、松也さんが作り出すキャラクターが怖さを増幅させているんです。現場でも、できればあまりしゃべりたくないと思うほど(笑)。撮影の合間はニコニコなさっているので、お話すると面白い方で楽しいとは思いますが、エイジと佐井が和気あいあいとするシーンはないので、撮影合間に二人でにこやかに話すことは今のところあまりありません…。遠藤憲一さんは、以前『カインとアベル』(2016年/フジテレビ系)を撮影していたときに隣のスタジオにいらっしゃって、よく廊下ですれ違ったりしていました。そのときに“俺はHey! Say! JUMPとの共演率が高いんだ”と、おっしゃっていて…。今回クランクインなさったときも、同じことをおっしゃっていたので“それ、前にも伺いました”とお答えしました(笑)。イメージと違って、すごく面白い方ですね。(門脇)麦ちゃんは、以前映画でご一緒しているので、二度目の共演になります。映画ではご一緒するシーンがあまりなかったのですが、宣伝キャンペーンなどでご一緒したときに“この人、面白いな”と感じました。そのときの“面白いな”という印象のまま今回となったのですが、やはりサバサバされていてお話していても楽しいです。話題も合うので一緒にいてリラックスできますね。演技もすごく上手ですし、今回はご一緒するシーンが多いので心強い存在です。」

最後に改めて、エイジ、B一の見どころと
視聴者のみなさまへメッセージをお願いします。

「自分で言うのもなんなのですが、B一はすごくかっこいいと思います。キャラクターとしてかっこいいわけではないのですが、エイジとは明らかに違います。普通は絶対にこんなこと言わないだろうというセリフをB一が話すシーンがあって、どうあがいてもかっこよくなってしまうセリフなんですよ。僕の中でも“こういうことをサラッと言う男が現れた!”という気がしたので、新しい一面が見られるダークヒーロー感はあるのかな、と思います。ただ、みなさんにはかっこいいという目線では見てほしくないキャラクターです。何かを背負って生きている人間はかっこよく見えるけど、どこか寂しく見えたりもするじゃないですか?そこはB一と同じように、何かを背負って生きているけど明るく振る舞うエイジの人の良さにも寄り添いながら見ていただけたらうれしいです。10月からの水曜日のよる10時は皆さんが頭を使う時間になると思います。本当にハラハラドキドキしながら毎週が楽しみになるドラマなので、一緒に推理しながら、誰が犯人なのか?そこに何があるのか?を皆さんの目で確認していただきたいです。」

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