シャーロック
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山田真歩さんインタビュー 木暮クミコ役

山田真歩さんインタビュー 木暮クミコ役

『シャーロック』に出演、ここまでの撮影に参加されてのご感想は?
「これが“月9”か!という感じです。スタッフもキャストも、みなさん気合が入っていて、良いアイデアがパッと出てきて、しかもそれもを、すぐに理解しあえるので、レベルの高い撮影現場だと思いました。毎日が刺激的です」
ゲスト出演の方々も豪華ですね。
「はい。女性の方が犯人の話が多いんですけれど、みなさんそれぞれに怖くて(笑)。クミコは、取調室などで最終的に犯人が本性を現す場面に立ち会うことが多いので、開き直った悪女の姿を間近に見ることが出来るので楽しいです。演じていらっしゃるみなさんも、楽しそうです」
仕上がった作品をご覧になられて、いかがですか?
「まず映像が美しいと思いました。それから、撮影現場で、監督が演出なさっていたことも、こういう風に画面に活きてくるんだと…。全てのシーンに演出が行き届いている作品だと思います。たとえば西谷監督が “セリフっていうのは、だた喋れば良いというものではないんだよ”と四歳の子役の女の子にアドバイスされているのを、私も“そうか”と思いながら隣りで聞いていたり(笑)。メーンだけでなく、どんな役者にも目を配っていらっしゃっいます。小さなことも大切に見てくださっているので、すごく演じ甲斐があります」
西谷監督と役について話されたことは?
「最初に、クミコの人物像についていろいろと話し合いました。その時に、女を武器にするというよりも、男勝りの女性議員のようなイメージが挙げられました。男性社会の中に入って対等に戦っているような女性にして欲しいと監督に言われたんです。警察官には、まだ男性のイメージが強いと思うので、その中の女性としてどう存在するか、上司の江藤(佐々木蔵之介)との関係性なども話し合いました」
その上で、山田さんはクミコをどのように作られていますか?
「警察官は真実を見極めて犯人を捕まえる役なので、悩んでいてはいけなくて。白黒をハッキリさせる仕事なので、決断力があって、テキパキ動く人だろうとは思いました。でも、私自身は、男性か女性か?という視点や、レギュラー出演者として紅一点とか、そういうことはあまり意識していません。一人の人として、クミコが魅力的であり、周囲のキャラクターとどう響き合っていけば一緒に面白い世界を作っていけるかを考えながら演じています」
クミコの上司、江藤は頼りなさそうですが…。
「私は、江藤は一番人を上手く動かすことが出来る人物だと思っています。飄々として、仕事熱心でないように見えますが、実は相手を鋭く観察し、どう振る舞えばその人が動くのかをちゃんと見ているのではないかと」
江藤を演じる佐々木蔵之介さんは?
「一緒に演じていたら大丈夫という安心感と、どんな演技をなさるのか分からない緊張感の両方です。蔵之介さんがどう演じてくるかを全身で感じながら、細かいところまでこぼさないように受け止めて演じようと思っています。江藤とクミコは長い間バディを組んでいますので、意思疎通も出来ていて阿吽の仲のはずです…。そんな空気感、長年連れ添っている雰囲気を、蔵之介さんがたくさん出して来られるんです。実は、リハーサルで蔵之介さんが私の方を見ずに資料を渡した時に、受け取れずに落としてしまったんです。その時に、あっ!と思いました。収録を重ねる毎に、私もだんだん応じられるようになってきましたが、やはりどこから、どんな演技を出されるのか?という緊張感は、今でもあります。相手の動きやシーン全体を常に考えていらっしゃる方です」
江藤に、クミコが突っ込むことも多いですね。
「突っ込みって難しいですね。私自身は、普段はあまり突っ込んだりしない方で。逆に突っ込まれる方が多いです。誰かがおかしなことをしても、面白いと笑っていることが多くて、そこに言葉で突っ込むことはしません。突っ込むためには相手をちゃんと見ていないといけないし、突っ込み方次第で、その場の空気が面白くなったり逆につまらなくなったりしてしまうので、気が抜けないですよね。私は、クミコを演じながら勉強させてもらっています」
ディーン・フジオカさんの印象は?
「ディーンさんとは初めてご一緒させて頂いているんですが、お会いする前から知的な方という印象だったんです。そして、実際にご一緒したら本当に頭脳明晰な方でした。“シャーロック=獅子雄”役に、ピッタリの方です。どんなことに関しても、知識が深いですね。語学も堪能ですし。きっと物事を深く追求される方なのでしょう」
岩田剛典さんは?
「岩田さんとはドラマではあまりご一緒するシーンがないのですが、『めざましテレビ』のロケに出演させて頂いた時に、初めて長い時間お話しました。それこそ突っ込みが上手な方です。私の発言に的確に突っ込んで、面白くして下さるんです。“なんでそんなに突っ込みが上手なんですか?”と伺ったら、“ライブなどでトークをするので上手くなったのかもしれないです”とおっしゃってました。会話してて沢山笑いました」
ドラマは『シャーロック・ホームズ』を原作にしています。山田さんが原作に抱くイメージは?
「小学生の時に全巻読んだ記憶があります。細かい内容は覚えていませんが、すごく大人の世界という印象があります。あまり子供が登場しませんし、扱われる犯罪も小学生には分からないものが多いですし。それでも、ホームズは世界で一番凄い探偵だと思って読んでいました。おそらく、今読み返したら、印象は変わると思います。阿片窟とか出てきても、子供にの頃はどういう場所かわからず、想像を膨らませて読んでいました(笑)」
そして、ドラマは原作では語られなかったアナザーストーリーズを掘り下げています。
「犯罪は、“誰かが殺された”という結果は一つでも、そこに至る原因は一つじゃないですよね。見る角度によってはたくさんの真実があるというか…。だから、ミステリーは人を惹き付けるのかなぁって。“これが理由で、殺人が起きました”とういう単純明快な答えはない。犯人でさえも、なぜ自分が殺人を犯してしまったのかについての理由は一つではないと思うんです。見る人によってたくさんの解釈が出来るように、ドラマもミステリーとして楽しく描かれています。また、毎回、どこかしら解決されずに曖昧になっているものが含まれているのも魅力ですね」
守谷(原作のモリアーティ)は登場するのでしょうか?
「どうなんでしょう?私もまだ伺っていないんですけど(笑)。でも、目に見えない存在の威力というものもあるので、出て来ないという可能性もありますね。未解決事件、結末が閉じられていない作品の方が、見終わった後、心に残り続けることってありますし。でも、やっぱり登場するのかな?私もそこは楽しみにしています」

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