シャーロック
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佐々木蔵之介さんインタビュー 江藤礼二役

佐々木蔵之介さんインタビュー 江藤礼二役

改めまして『シャーロック』への出演オファーを受けられた時の感想はいかがでしたか?
「ミステリーの古典とも言える有名な話を日本のドラマでやっちゃうんだ、と。舞台を東京に移して、毎回、東京の様々な顔を見せて行く話だと伺い、是非参加させて頂きたいと思いました」
江藤は原作のレストレード警部にあたりますが、どのような役作りを?
「制作発表の時に詳しく紹介して下さったんですけど、あれを頼りにしています。要するに、最低でダメな刑事ということですね(笑)。自分には捜査能力はなく、出世欲しかない刑事なので獅子雄(ディーン・フジオカ)が解明した真相のおこぼれをいただく…制作発表ではそう話しましたが、今のところ、おこぼれどころか丸ごと手柄をいただいています(笑)。役作りは、台本の通りに」
とは言え、あの独特の雰囲気、ユーモアは…。
「ありがとうございます。強いて言えば、幼稚であろうかなぁ、とは思っています。子供っぽく、小学生みたいな?褒められたい。ラクしたい。眠たい。ま、素直で素朴だということです(笑)」
獅子雄にはバカにされている雰囲気もありますね?
「バカにされてますかね?気付いてませんが。もしそうだとしても、江藤はそんなことは気にしてないですね(笑)。むしろ江藤は、獅子雄のような変人を上手に社会に貢献出来るように、オレこそが力を発揮させてやってるという感覚でしょう」
そして、部下の小暮クミコ(山田真歩)に何でもやらせます。
「部下を信じているからこそ、任せられるんです。グレも任されないと、伸びないので。江藤は心の広い人間なのかもしれません(笑)。もちろん、江藤は自分が評価されて出世したら、グレも引っ張ってやろうと思っているハズですから。だから、ズルくはないんですよ。手柄は搾取しますけど、汚いことはしていませんから。そうですね、手柄以外、仕事においては清潔感を持たせようとも思っています。ネクタイは緩ませてますけど、服も綺麗に着ていますし…月9ですからね(笑)」
ディーンさん、岩田剛典さんとは初共演ですが、獅子雄、若宮、江藤の掛け合いは楽しいです。
「ディーンさんは映画『空飛ぶタイヤ』で共演させて頂いたことはあるんですけど、ご一緒するシーンはありませんでした。岩ちゃんは初めてです。みんな演技には違う物差しを持っているんですけど、ディーンさんは色々な国で演じて、しかも音楽アーティストでもあるので…岩ちゃんもアーティストなので、僕の台本の読み方とは違うなぁと思います。その違う感じが良いんです!ディーンさんは、僕も傍にいて見惚れるぐらい端正な顔立ちで、常人じゃないし、ちょっと浮世離れした獅子雄の雰囲気に合っています。それぞれが、ゴーイングマイウェイ感を出せているんです。むしろ、江藤が一番まともだと(笑)。実際は原作のワトソンに当たる若宮がまともなんですけど、だんだん獅子雄に魅かれていってますからね。それが、このドラマのこれからの面白さでもあるのですが」
江藤は、獅子雄にコンサルタント料を払っているのでしょうか?
「多分、払っていないと思います(笑)。警察の経費からは出ないでしょうから、そうすると江藤が個人的に払わなければダメじゃないですか?それは、江藤はしないと思います(笑)。だから、『事件』に興味を持たせなくてはならないのです。獅子雄は、犯人逮捕には全く興味がなく、あるのは謎を解明すること。江藤はそのエサ=謎をいかに上手く蒔くことが出来るか?です」
もとは、獅子雄と一対一の関係だったところに若宮が入ってきたことを江藤はどのように思っているのでしょうか?
「獅子雄と一対一の時に比べたら、若宮は緩衝材にはなっていると思います。たまに、事件依頼へのサポートもしてくれますが、その程度かな?あとは、メシを作ってくれるので、お腹が空いている時には、江藤にしたら便利な存在ぐらいかな?(笑)」
井上由美子さんの脚本はいかがですか?
「獅子雄にどうやって事件への興味を持たせるか?や、若宮、江藤との関係性の絡みをどう変化させていくか。何より毎回アントールドストーリーとして毎回、いろんな事件を考えるのは大変だと思います。毎週、次がどんな謎で、どんなストーリー展開になるのか楽しみで仕方ありません。また、視聴者の方がシャーロックをいかに“けったいなヤツやなぁ”と思ってくださるかも見所ですよね。“あぁ、獅子雄はこんなところに目をつけていたのか!”と言うところも」
三話では原作のホームズの宿敵、モリアーティを彷彿させる人物が登場しました。
「守谷ですね。あれ、最初に台本を読んだ時、僕だったらどうしよう?と、思いました(笑)。そんなことないと思いますが、思ったんです(笑)。聞いてないよ、と。逆に、無駄に匂わせてやろうと思ったり」
今回のドラマで楽しみになさっていることは?
「出来上がりの映像を見るのがすごく楽しみです。一話を見た時に、なんて綺麗な極彩色の絵になっているのか。そして、密度の濃くて隙のない映像だなと。演出も、たくさん遊びがあって楽しかったです。文字で読んでいた脚本を、こんな風に仕上げたんだ!? と。『シャーロック』に出演できてよかったぁ、と。みなさんも是非、隅々まで映像の素晴らしさ、そして謎解きを楽しんでください」

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