シャーロック
シャーロック

誉 獅子雄役 ディーン・フジオカさん

『シャーロック・ホームズ』という原作シリーズのイメージはいかがでしょう?
「謎を解いていく探偵=シャーロック・ホームズというイメージを自然と抱いていましたし、最初に原作に触れたのがいつだったか特定できないほど“そこにあった作品”という感じです。また、原作だけではなくいろいろな映画やドラマを見ていますし、“シャーロック・ホームズ”の世界のかけらには、幼い時から触れていたと思います」
海外の名作シリーズの映像作品はたくさんありますが、今回の『シャーロック』は?
「他の映像作品をまねするのであれば、その作品自体を見れば良いわけですから。どうすれば自分たちなりの付加価値をつけられるのか、そして、ご覧いただく方に今回の作品の意味を見出していただけるのかを、シビアな目で太田プロデューサーとスタート時から考えてきました。それは『モンテ・クリスト伯—華麗なる復讐—』の時にもすごく入念に考えたことで、今回も同様です」
答えは出ましたか?
「今回の作品は東京がキーワードになっていて、東京の街でロケーションも行われます。日本が今、世界に何を提案できるのか、日本の文化など、日本語を話して生きる人たちがどの部分に誇りを持っているのかということを常に忘れずにいることが大事だと思っています。それは獅子雄を演じる上でも、担当させていただいた主題歌を作る時にも重要で、一つの指針になっています。監督やスタッフとディスカッションしながら、自分自身も自問自答することが多いですが、これが海外の名作シリーズを日本版にする難しさだと思います」
獅子雄=シャーロックはどのようなキャラクターだと思われますか?
「孤独ですよね。圧倒的に飛び抜けてしまうと人は孤独になると思います。それはどんな分野でも同じで、突出した人は考えや思想を共感、共有出来る人がいないというか…。そういう人だからこそ、天才的な才能に目覚めるんだと思います」
シャーロック・ホームズと言えば、パイプと特徴ある帽子のイメージがありますが、獅子雄は?
「パイプは今のところないのですがロングコートを着ているイメージはしています。また、獅子雄はロングコートの中に秘密兵器を隠していたり、指輪に見せかけた鍵開けの道具を身につけていたりします」
原作のホームズはバイオリンの名手でもあります。
「原作へのリスペクトとしてバイオリンを弾く設定は獅子雄にも反映されているので、日々練習しています。また、ホームズはボクシングの達人ともされていて、僕自身はアクションが好きなのでやりたい気持ちもありますが、一方で、ピアノやギターを弾く人は指をすごく大事にしますから。バイオリンへの情熱を持ちながらボクシングも得意とする設定はぶつかり合うような気がしたので、監督やスタッフと話し合いまして、獅子雄は格闘術には優れているけど、拳では殴らないように気をつけている、という設定にしたんです。時に仕方なく拳で殴ってしまうことも…というようなところが、獅子雄の独自性も出せるのではないかと思っています」
獅子雄のバディ、若宮潤一=ワトソンを演じる岩田剛典さんの印象は?
「岩ちゃん(岩田さん)からは、清々しい風を感じましたね。最初のリハーサルが獅子雄と若宮がぶつかり合うシーンだったのですが、何かがくっつこうとする時、最初は衝突し合い、そうすることでお互いの角が取れて馴染んでいくじゃないですか。そういう象徴的なシーンだと思いましたし、何度も繰り返していくうちに、なんとなく相手の人となりが見えてきましたね。これから一緒に事件を解決していく中で、二人の関係性がどのように発展していくのか。そこは、事件を解決に導く軸とは違った面白さになると思います。推理ものというと、犯人を追い詰めていくときにロジックでねじ伏せていくのでどうしても頭デッカチになりがちな部分もあると思うのですが、若宮を岩ちゃんが演じることでそうならないような化学反応が生まれると思いましたし、獅子雄の演じ方を考える一つのきっかけになりました。岩ちゃんと新しいシャーロックを作っていけたら良いですね」
もし、獅子雄のような男が周囲にいたら?
「もし普通に社会で暮らそうとしたら、三日もたたずに刑務所に入ってしまうんじゃないでしょうか?(笑)反面、僕たちが思いもつかないような発想の行動や言動をするので楽しいとも思うんですけどね。圧倒的に飛び抜けた才能を持っている人に接した時、畏怖もしますが憧れも生まれますよね。でも、正直、隣にあんな人が住んでいたらイヤです(笑)」
今回は月9での原作物への挑戦になります。
「月9というと最近はそうでもないかもしれませんが、恋愛を描く作品が多いイメージなので、岩ちゃんとバディと聞いて一瞬ボーイズラブかと思いました(笑)。“シャーロック・ホームズ”が原作という時点で、謎解きが本筋なドラマではありますが、皆さんが月9に抱くイメージの中で、新しい作品としてどのように受け止めていただけるか僕も楽しみにしています」

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