配信ビジネスの仕事

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

総合事業局

村上 正成

TVでも配信でも
「面白い」の本質は変わらない

プロフィール
2008年フジテレビ入社
埼玉県 出身
立教大学社会学部 卒
所属・担当
  (2019年12月現在)
総合事業局コンテンツ事業センターコンテンツ事業室
社会部取材記者、編成セクションを経て、現在はFODなどの配信ビジネスに関わる

INTERVIEW

インタビュー

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

学生時代に取り組んでいたことは?

村上正成

村上

メーカから派遣されてプリンターを家電量販店で販売するアルバイトをしていました。競合メーカーとも本気で競い合い、結果を出そうと接客を工夫しながら楽しんでいたのを覚えています。ただ、商品を売るという仕事は好きだったのですが、「お客さんから機能面での不満を言われても自分ではどうにもできない」というもどかしさも感じていました。製品を作る側ではないから、お客さんの指摘を受け止め、上に報告することしかできないんですよね。
そんな経験もあって、就活を意識し始めたときには、自分でものづくりをして責任を持って世の中に送り出す仕事がしたいと考えるようになりました。

なぜテレビ業界を選んだのですか?

村上正成

村上

僕の場合は「報道に携わりたい」とか「ドラマを制作したい」という強い希望があったわけではありません。テレビは子どもの頃から当たり前のように身近にあって、学校ではよく「あの番組見た?」なんて話しながら盛り上がっていました。テレビ番組に影響を受けて将来の夢をもつようになった友達もいます。そんなふうに影響力のあるものを作れるという魅力が、家電量販店のバイトで感じたもどかしさの延長でつながっていったんです。テレビ業界なら、新しいものを生み出して発信して届ける喜びを感じられるんじゃないかと思いました。

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

就活時の採用試験で印象に残っていることは?

村上正成

村上

面接では「番組制作を入り口にして、新しいビジネスを作りたい!」という思いを話しました。僕が入社した2008年は、日本にスマホが普及し始めた時期。時代は確実に動いていて、「テレビ局も変わっていかなきゃ」という空気がありました。だからこそ新しいビジネスの必要性を訴えようと考えたんです。でも緊張しすぎて、うまく伝えられない場面もありました。
例えば、当時の選考過程では10人以上の偉い人に囲まれる“名物面接”がありまして(笑)。僕はガチガチになって自己紹介さえうまくできず、「落ち着いて、一度深呼吸していいから!」と優しく声をかけてもらったことを覚えています。

他のテレビ局ではなく、フジテレビに決めた理由は?

村上正成

村上

フジテレビには新しいビジネスを生み出す自由な風土があると感じたからです。就活ではいくつか在京キー局の選考を受けました。各社を訪ねてみて……フジテレビだけ、エントランスに入ったときの雰囲気が違ったんです。大きな会社のエントランスだから、学生からすると当然どこも堅苦しい雰囲気に感じました。でもフジテレビは真面目なだけではなく、エントランスを行き交う社員さんたちが楽しそうに、自由に働いている空気が伝わってきました。

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

入社後に担当した仕事は?

村上正成

村上

新しいビジネスを作る前にまずは番組作りを学びたいと思い、情報番組の制作を希望して報道部門へ配属されました。ストレートニュースの裏側を支える「内勤」という仕事で、現場へ行き、原稿を書き、VTRをつなぎ、ときには中継も任されて直接伝えることもあるというミッションです。すべて生放送。秒単位で物事が進行していき、これぞテレビ局だと感じられる現場でしたね。「10分以内にニュース原稿を書いて、VTRもつないで!」と言われることもあり、いつも走り回っていました。

キャリアの転換点になったタイミングは?

村上正成

村上

報道の後に異動した編成部門での仕事です。編成はどんな番組を作って放送するかを決める、「テレビ局の心臓部」と呼ばれている部署。制作部署と向き合うだけでなく、営業部署とともに動いてスポンサーと接することもあり、会社の収益が生まれるメカニズムを学びました。テレビとネットの融合が話題となり、異業種の配信ビジネスが本格化し始めた頃からは、フジテレビのBSやCS、動画配信サービスのFODなどを含めて、全体的なネット戦略を担う仕事も任せてもらえるようになりました。「新しいビジネスを作りたい」という入社以来の希望に、本格的に向き合えるようになったタイミングです。土台となる予算をつけてもらい、資金面を支援してくれる企業を見つけ、オリジナルドラマを制作、そして配信・放送して……。そんなプロセスを自分たちですべてこなしながら、これまでのプロセスとはちょっと違った形にチャレンジさせていただきました。

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

現在はどんな仕事を担当しているのですか?

村上正成

村上

FODを担当し、どんなプラットフォームにしていくかを考える戦略設計から、マーケティング戦略を立て会員を獲得していくところまで携わっています。入社以来ずっと、「ゼロから面白いものを作りたい」という気持ちは変わっていません。人によって、見たいコンテンツは違うはず。そこでFODでは、データ活用によって視聴者ごとに最適化されたコンテンツを届けるという取り組みもチャレンジしています。社内のさまざまな部署と関わるほか、ビッグデータやAIなどを専門とする社外の方との連携も増えています。

テレビとネットでは、求められるコンテンツに違いがあるのでしょうか?

村上正成

村上

テレビ放送も配信事業も、面白いコンテンツの本質は変わらないと思います。テレビで放送して話題になるような番組は、配信でもたくさん見てもらえます。ただ、視聴環境はまったく違いますよね。テレビは24時間の枠の中でどう編成していくかを考えますが、配信には時間軸の概念がありません。豊富な選択肢の中から、視聴者に能動的に選んでもらう必要があります。「いかにしてコンテンツに出会ってもらうか」の工夫を考えるところは、配信事業ならではだと感じています。

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

新規事業を生み出す際の、フジテレビの強みとは?

村上正成

村上

圧倒的な制作力だと思います。テレビ局は24時間放送していて、毎日新作を作っています。それは他の配信事業者には真似できない物量であり、同時に常に高いクオリティが求められます。新しいものを作るファクトリーとしての土台を、僕は全力で信頼しているんです。見てもらいやすいプラットフォームを整えることは他のテレビ局でも、あるいは異業種でもできるかもしれませんが、圧倒的な制作力は一朝一夕に得られるものではありません。

これからのテレビ業界にはどんな変化が訪れると思いますか?

村上正成

村上

ものすごく変わっていくとは思いますが、5年後、10年後にどうなるかは予測できません。今だって、5年前と比べれば随分と環境が変わっていますから。大切なのは、世の中や業界を取り巻く変化に合わせて、フジテレビやFODなどの事業も柔軟に変わっていくことだと思います。どんな時代でも、人々の「面白いコンテンツが見たい」という欲求だけは変わらないはず。それを真正面から受け止めながら、自分たちの存在価値や手段を見直し続けていくことが求められるはずです。

コンテンツ事業センターコンテンツ事業室 村上正成

テレビ業界を目指す就活生へメッセージを
お願いします。

村上正成

村上

僕がフジテレビを大好きなのは、就活のときからずっと自由な会社だと感じているからです。特に関わっている配信事業をはじめとした新分野では、一人ひとりに大きな裁量と自由度があり、ベテランも若手も関係なくどんどんチャンスが与えられます。大企業というよりは、スタートアップに近い風土なのかもしれません。そんな環境なので、「テレビが大好き」という思いを持つ方はもちろん、「世の中に新しいことを仕掛けたい」という野望を持つ方も、全力で歓迎したいですね。