2019.5.22 WED. UPDATE INTERVIEW #08 威能圭役 丸山智己さんインタビュー

診療放射線技師が題材のドラマです。制作からは事前に放射線技師に
関する資料が配られたと思いますが、実際に演じてみていかがですか?
僕自身、そもそも放射線技師というのはどういうお仕事なのか、よくわかっていなかったんです。僕は、栄養士の専門学校に通っていて、そこに臨床検査科もあったんです。だから、臨床検査技師の話なのかな、と思ったくらいで(笑)。知っていることと言えばレントゲンを撮っている人たちなのかな、というところからのスタートだったんですけど、こんなに色々な機械があって……。CTやMRIという言葉はもちろん聞いたことはありましたけど、実際に受けたことはなかったので。
病気やケガ、あるいは健康診断などでお世話になっているんですけどね。
そうなんです。だから、職業ものとしてもとても面白いと思いました。撮影に入ってからなんですけど、長野県の佐久医療センターというところに見学に行ったんです。僕の友人がたまたまそこで働いていたので。ドクターヘリに乗っているフライトナースをやっているんです。元々、高校時代の友人なんですけど、僕も『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』に出演していたつながりもあって。そのつてで放射線科を見学させていただいたんですけど、個性的な方が多かったんです。それから、意外とパソコン仕事が多いんだな、という印象も受けました。画像処理の作業が多いからでしょうね。でも、そういう部分は患者さんにはなかなか伝わらない部分じゃないですか。勉強になりましたね。
技師の方々ともお話をされたんですか?
「ここで○○を撮って、いまこういう作業をしています」とか、説明していただきました。それから、技師さんそれぞれに、得意分野というか、好きな分野があるんだそうです。「造影が好きであの感じがたまらない」という方もいたりして、マニアックな世界なんだな、と思いました。職人的というか……。
劇中で丸山さんが演じている威能がAiのスペシャリストであるような
感じでしょうか?
そういう感じに近いんじゃないかと思います。
威能というキャラクターを演じるにあたって特に意識されたことは?
ナルシスト、というワードが第1にあったんですけど、「ナルシストってどういうことなんだろうな?」と(笑)。ト書きに「前髪を触る」というのが出てきたりしていたので、取り敢えず髪を伸ばそうかな、と思いました(笑)。最初に考えたのはそれくらいだと思います。あとは台本が出来上がってきて、ラジエーションハウスの仲間たちとどういう関係性が描かれているのかを意識しながら、自分の立ち位置とか距離感とかを掴んでいった感じです。だから、事前に「こういう風にやろう」と考えずに、決め込まないまま現場に入った感じですね。どうしても何かをしたがっちゃう仕事なんですけど(笑)、まずはその場に自然にいられることが大事なんじゃないかな、と思ったんです。
技師チームも距離感は絶妙だと思います。
前室が賑やかですからね。遠藤憲一さんと広瀬アリスちゃんがいつもじゃれ合っている感じが(笑)。あのふたりが最初から率先して突き抜けてくださったんで、みんなはその流れに乗って……という感じでしたね。窪田正孝くんも真面目でストイックな方だと思いますし、今回は難しいセリフもめちゃくちゃ多いはずなんですけど、一緒にワイワイやっていますし。みなさん、経験豊富な方ばかりなので、どうすればこういう空気が出来上がるのか、肌でわかっているんじゃないでしょうか。僕はもう、何もする必要はないなと。役柄的にも静かな印象があるので、最初は前室での騒ぎにどこまで乗っかっていいものか、という思いもあったんですけど、いまはもう完全に乗っかってしまっています(笑)。
そういう感覚も役者さんならではですね。敵対する関係性の役柄ですと、
あまり会話しないようにしている、とおっしゃる方もいますし。
そうかもしれないですね。相手もいらっしゃることなので、自分がOKでも相手がどう思うか、という部分もありますし。僕はあまりそういうこだわりはないんですけど、お相手が戸惑うと困ると思って、合わせることはあります。難しいセリフがあるときは、さすがに気を遣いますけど。今回は特に、突然難しいセリフが出てきたりしますし。5話の解剖の説明をするセリフ、まだ覚えていますからね(笑)。
唯織役の窪田正孝さんと共演されてみての印象は?
凄くフラットなんです。シンプルでフラット、というイメージです。この作品に入る直前まで一緒に舞台もやっていたんですけど、その時から何ら変わらず……。分け隔てなく、好きなことにただ真っ直ぐに、良いと思ったことをやっている、という感じじゃないかと思います。だから、一緒にお芝居をしていても気持ちが良いんです。オンエアを見たときも、凄いな、と思いました。ある意味、唯織は漫画的なキャラクターでもあると思うんですけど、真面目な部分と、杏(本田翼)とからんだときのあの絶妙なスイッチングとか。やっぱり天才なんでしょうね。以前、『ジョーカー 許されざる捜査官』という作品をやったときに、窪田くんがゲストで出たんです。その時に「もの凄く良い役者さんだな」と思った印象がずっと残っていて……。その時は結構酷い役だったんですけど、主演の堺雅人さんとのお芝居が本当に凄かった。それを思い出したりしました。窪田くん自身もキワキワなところを持っている雰囲気もあるので、唯織の天才性にも通じるところがあるような気がします。隠し持っている何かがあるような感じが、魅力的だと思います。
遠藤憲一さんも、浅野和之さんも同じようなお話をされていました。
僕、自分が好きだな、と思った人には影響されやすいんです。今回の現場では、窪田くんはあまり食堂に行かないんですね。ご自身で野菜を用意して持ってきていたり、スープを持ってきていたりするんですけど、「あ、スープ食べてるんだ……スープ・ジャーいいな。買おうかな」と思ったり(笑)。あと、窪田くんはジムに行ったりする代わりに懸垂をよくやるんですって。「家にあるんですよ」と言ってたんで、僕も「何かないかな?」と探していて、昨日届きました(笑)。
影響されていますね。
遠藤さんとも去年の10月クールでご一緒したんですけど、今回、遠藤さんの可愛らしい一面が見えてきたんです。バミリ(立ち位置に予めガムテープなどでつけておくしるしのこと)ってあるじゃないですか。「丸ちゃん、バミリってどう?」って言われたんです。「俺、バミリって苦手なんだよね。バミに立ってくれ、って言われるんだけど、全然合わないんだよね」とおっしゃっているのを聞いて、「ああ凄いな、天才なんだな」と思ったんです。で、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』の打ち上げのときかな?  芝居の話になったときに、遠藤さんが「俺、感情にしか興味ねえから」ってボソッとおっしゃったんです。「カッコいい!」と思って、心の中にメモしました(笑)。それから、しばらくその言葉について考えたくらいですから。そうかと思うと、テッペン(24時)回った夜中の撮影のときにふいに「ああ、子役になりてぇ」と言い出したり(笑)。時間が決まってますからね。もう、名言の振り幅が凄い(笑)。
何も言わないで立っている小野寺さん、カッコいいですよね。
カッコいいんですよ。で、窪田くんが小野寺さんの真似をして「チームなんだからよ!」ってやったりして(笑)。そういうくだりが何パターンかあるんですけど、その度に「本当、止めてくれ!」って遠藤さんが困っていました(笑)。そういう姿も可愛らしい、って言ったら失礼にあたるかもしれないですけど、本当に素敵な方だと思いました。
最後に、視聴者のみなさんへ向けてメッセージをお願いします。
この先、後半戦もいろいろな展開が待っていると思います。それぞれのキャラクターの個性もどんどん出てきて、より深みが増してくるよる作品だと思います。唯織が実は医師免許を持っているということが、どんな形で明らかになるのかならないのか、それを知ったときの僕らはどう思うのか、ということも含め、僕自身も今後の展開を楽しみにしています。最後まで応援よろしくお願いします!
 

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