2019.5.10 FRI. UPDATE INTERVIEW #05 鏑木安富役 浅野和之さんインタビュー

まず、今回の撮影現場の印象からお願いします。
今回は、遠藤憲一さんと山口紗弥加さん以外は、初めて共演する方ばかりなんですけど、最初からとても和気あいあいとした感じでした。逆に、そうじゃないとできないようなお話でもあると思うんです。そういう意味でも、とてもいい現場なんじゃないかと思っています。
やはり“チーム”の作品だから、ということでしょうか。
そうですね。この先、どんどんそういう要素も増えていくでしょうし。唯織(窪田正孝)という異物が入ってきたことによる化学反応が起きて、そこから変化が生まれてきたお話ですからね。
放射線科、放射線技師にスポットを当てたドラマはいままで
なかったと思いますが、実際に演じられてみて考えたことは?
多分、いままでこういう作品はなかったでしょうね。僕自身も、最初にこのお話をうかがったときは「そこをやるか!」と思いましたし(笑)。医療モノって本当にたくさんありますからね。でも、この作品に取り組むようになって、放射線科医や放射線技師のみなさんのお仕事やその重要性を知ることができてよかったです。「放射線科医はドクターズドクター」という言葉も出てきましたけど、まさにそういうことなんですよね。ご覧になってくれている視聴者のみなさんにも、そういう目線で見る医療モノを提供できたというのはよかったんじゃないかと思っています。
そうした題材に、キャストの皆さんのお芝居も相まって、
とても新鮮なドラマになったのではないかと思うのですが、
いかがでしょうか?
キャスティングというのは大きいんじゃないですかね。私はもう手あかがついた役者ですから新鮮じゃないですけど、それを省けば(笑)。この先もどんどん伸びていく方たちばかりですからね。加えて、演出やカメラワークも臨場感がありますし、美術セットもとても面白いんですよ。そういう見どころもあると思います。
診療部長兼放射線科長の鏑木というキャラクターを演じるにあたって、
特に意識されていることは?
漫画が原作のドラマですけど、演じる上ではあまり漫画的にならないようにしています。最初に台本を読んだとき、難しいキャラクターだなと思ったんです。唯織たちと対立する、という要素ははっきりしていたんですけど、もうひとつ個性のようなものが見えていなかったので。連続ドラマにありがちですけど、先の展開がどうなっていくのかもわからなかったですしね。だから、最初のころは手探りだったことは否定できません。ただ、物語が進んでいくに従って、ひとつのチームとしてまとまっていくというお話も伺ったので、最後までただ対立していく人間でもなさそうだな、という感じもあります。1話も2話も怒ってばかりでしたけど、3話も4話も怒ってばかりだったので、どうしたものかな、と思っていたんですけどね(笑)。だから、どう変わっていくのか、楽しみにしているんです。
鏑木先生の言葉は間違っているわけではないですからね。
そうなんです。私は私の立場で言っているだけで、理不尽なわけではないですからね。まあ、日本に限ったことではないんでしょうけど、組織の中に入ってきた異物を簡単には受け入れることができないような立場、ということなんでしょうね。そもそも、私が物分かりのいい人だったら話も進みませんしね(笑)。
改めて、唯織役を演じている窪田正孝さんと
お芝居をされてみての印象は?
とても柔軟な役者さんだと思います。以前、まだ彼のことを全然知らなかったときにNHKのドラマで彼のお芝居を見たんですけど、パッと見たときに「若いけどいい役者だな」と思ったんです。それ以来、気になっていたので、一度ご一緒できたらいいな、と思っていたんですよね。この間、彼の舞台を見たときにも「いい役者だな」と感じたんですけど、まず身体能力が高いんですよ。役作りにも柔軟性があって、セリフをしゃべっていてもとても自然でリアルなんです。活字をしゃべっているようには聞こえてこないというか。次は舞台なんかでご一緒したら、面白いでしょうね。時間をかけてモノを作れる、というところで仕事をしてみたいな、と思わせる俳優さんですね。なかなか手ごわいですよ、彼は(笑)。
そんなお話を窪田さんにはされたんですか?
身体能力が高い、というのはお伝えしたんですけど、あんまり褒めるとつけあがるから(笑)。小出しにしていこうと思っています。
最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんへ、
メッセージをお願いたします。
これまで、あまりスポットが当てられてこなかった医療の分野を題材にしたドラマですが、回を追うごとにどんどん面白くなっていくと思います。キャスト陣、スタッフ陣も真摯に取り組んでいますので、みなさんにも楽しんでいただけたら嬉しいです。

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