2018年2月17日(土)放送
- 「『羽生』いや『羽生』です。」
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みなさんこんにちは。
報道センター内勤記者3年目の梅田雄一郎です。
2018年2月17日(土)。
平昌オリンピック・フィギュアスケート男子で『羽生』結弦選手が
66年ぶりの連覇を達成したこの日は、日本列島が喜びに沸きました。そんな中、私はもう一人の『羽生』を取材していました。
東京・有楽町で行われた朝日杯将棋オープン戦本戦・準決勝。
天才中学生棋士・藤井聡太五段(現六段)VS国民栄誉賞受賞の羽生善治竜王との
世紀の対決が行われました。これまで非公式の対局では1勝1敗のこの2人。
ついに訪れた公式戦“初”対局は、大勢の将棋ファンが見守る中、
さらに朝日ホールという大きな会場を使用しての対局というのは
実に珍しいことなんです。この対局のチケットは、780席が用意されていたのにも関わらず、即日完売し、
申し込みを受け付ける公式サイトが一時ダウンするほどだったそう。
そんな幸運なチケットを手に入れた人たちは、
子供から年配の方に、女性グループと様々。
会場内では、グッズの販売が行われていたのですが、
そこには長蛇の列が出来ていました。
観覧に来た人に話しを聞いたところ、“羽生派”“藤井派”と応援が二分化していたんです。
自称“将棋担当記者”の私は“将棋愛”に対して、誰にも負けないと思っているので、
「この対局を絶対に“生”で観戦?取材には、自身が行く、行かねば」
という思いと、他の誰にも譲れない、譲りたくない取材でした。この対局は“早指し”と言われ、持ち時間が短く設定された形式。
両者、持ち時間が少ない中、手に汗握る闘いを繰り広げていました。
ところが終盤、羽生竜王の形勢が不利になったんです。
「次の一手はどうなるんだ」と見守る将棋担当記者の面々。
その指した一手に会場はざわつきました(;゚Д゚)。
この一手は単なるミスなのか、はたまた負けを悟って指したのか…。
ほどなく、羽生竜王からの『負けました』という声が…。これが世代交代?時代が変わるっていうことなのかという感じがしました。
準決勝は藤井五段が、羽生竜王を撃破。
そのまま勢いに乗り決勝戦も制し、『史上最年少』での棋戦優勝となったんです。実はたった16日間で五段から六段に超スピード昇段した藤井聡太棋士。
彼こそがまさに『スーパー中学生』( `―´)ノ。この日の検索サイトでは、『羽生が勝って、羽生が負けた』と話題になり
『ややこしい』との声が続出したそう(´艸`*)。
『羽生結弦』選手と『羽生善治』棋士が同じ日に世間を賑わすなんて、
何という運命のイタズラなのか…。
羽生善治竜王が藤井聡太五段(現六段)に敗れるという
将棋界の歴史に残る対局の目の当たりにすることが出来、満足な一日でした。
将棋界も盛り上がってきたし、藤井六段のタイトル獲得まで、
いや、その先も追いかけていきます。