古賀一織役 中村蒼さん

2023.6.7 WED. UPDATE インタビュー 07

まず、今回の企画を聞いたときの印象からお願いします。
男だからとか、女だからとか、ということは関係なしに、お互い補い合いながら、支え合いながら生きていけばいい、というようなテーマにまず共感しました。こういう問題は、もう何年も前から色々と意見があるのはもちろん知っていたのですが、「それはそうでしょ?」と思いつつも、何10年何100年と受け継がれてきた歴史的な背景もあるので、そういったものを覆すには少しずつ少しずつやっていくしかないのかなとも思います。ドラマもそのひとつですし、色々な所で取り上げていきながら変えていくべきだと思います。ドラマの基本はラブコメですが、その形を取りながら視聴者のみなさんに親しみやすく、そういうテーマが届くといいなと思いました。
原作漫画はお読みになっていましたか?
いえ、読んだことはなかったです。撮影が終わった後のお楽しみにしています。
では、古賀一織というキャラクターをどのようにして作っていったんでしょうか?
監督やプロデューサーさんとディスカッションしながら、という感じです。仕事は出来るけどマイペースで、いわゆる“バリバリの営業マン”みたいな感じではなく……そこからイメージしつつ、後は実際に現場での空気感を感じたりしながら演じました。
福岡支社のエースで東京に異動になってくる、ということで、方言男子でもあるわけですが……。
幸いなことに自分は福岡出身なので、方言については大丈夫でした(笑)。だから、すんなり役に入れました。
福岡弁と博多弁は違いますよね?
博多弁というのは、福岡市内に住んでいる人の言葉という風に言われていますよね。本当の所は分かりませんが…(笑)。でも福岡の中でも住んでいる地域によって多少の違いはあると思います。
台本上の博多弁はいかがですか?
大分コテコテだな、とは思います。博多弁に馴染みのない人も多いと思いますし。そういうことも考慮しつつ気になるセリフは多少変えたりしています。
では、中村さん仕様の博多弁のセリフもあるわけですね?
はい、全然ありますよ。とはいえ、恥ずかしさもあります。公共の電波に乗せて地元の言葉を堂々としゃべっているのは不思議な感じです(笑)。
撮影が始まってから3ヵ月ほど経ちますが、今回のチームの印象はいかがですか?
明るくて良い雰囲気です。波瑠さんとは今回が4回目の共演ですし、高杉真宙さんとは初めてですが全スタッフ・キャストから愛されている人柄なので、ドラマの空気感そのままに、穏やかに進んできたんじゃないかなと思います。個性的なキャラ設定の登場人物が多いですし、突飛な設定も時々出てくるので、みんなで笑い合いながらそれを楽しんで演じている感じです。
改めて、波瑠さんとお芝居をされてみての印象をお願いします。
お互い様なんでしょうけど、大人になられたなという印象です。ラブコメですけど、波瑠さんのお芝居は凄く自然で、仰々しくない感じがこちらにもすんなり入ってきます。実際完成したものを見ても、波瑠さん演じる速見穂香というキャラクターが自然であるがゆえに周りが際立っている感じがしました。
この先、速見と山本、そして古賀はどうなっていくんでしょうか?
古賀は、速見さんをめぐって山本くんと三角関係になるのか、と思いつつも、2話目で山本くんに恋のアドバイスをしていましたよね。でも、4話くらいで、速見さんに対して何か思いがあるのかな、と思わせるような描写もあるので、本当のところはどうなのかはわからないですが、古賀と速見さんは以前から交流があるわけですし、信頼関係もある良い関係なのは間違いないです。古賀も、最初のころの速見さんみたいに「自分なんて……」みたいなところがあるし、雑な性格なので、この先も、つかず離れず、という感じで後半まで続いていくんじゃないかなと思っています。古賀には大きな目的があるので、それが何かという部分も楽しみにしていただけたらと思います。
中村さんご自身と古賀に共通点はありますか?
似てます。普段の雑な感じとか、あまりこだわりがないところとか。僕は几帳面なタイプに思われがちですけど、全然適当な人間なんです。コーヒーも楽チンなのでインスタント派ですし。料理もめったに作らないですけど、YouTubeで料理人の方の動画とかはよく見ています。古賀は動画サイトで「雑めしグルメ」をやっているという設定でしたけど、「あの設定は何処へ?」という感じであれ以来全く出てこないですが……。
最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんへ、メッセージをお願いします。
自分で自分のことを考えるときに、どうしても欠点ばかり目について、「あの人みたいになれたら……」「ああいう人生が送れたら……」と思ったりして自己肯定感が低くなってしまうこともあると思うのですが、このドラマは、「そんなことないよ」と背中を押してあげられるような作品だと思っています。自分を変える、というのは難しいですが、まず自分自身を肯定してあげて、足りない部分は大切な誰かと補い合えればいいんじゃないか、とポジティブな気持ちになってもらえたらいいな、と思っています。

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