- 山本3兄弟のシーンはいつも楽しみです。実際に演じられてみていかがですか?
- 普段、正海くんのようにテンションが高い人間ではないので、正直言って大変ではあるんですけど、3兄弟のシーンは僕が引っ張っていかなければいけないので……。でも、かなり好き勝手にやらせてもらっていますね。
- 正海を演じるにあたって特に意識されている点は?
- とりあえず、お兄さんであり、お母さんであり、お父さんであり、姑でもある、ということは紙谷楓監督から言われていたので、その振り幅をどう演じるのか、という部分です。2番目の薫(古川雄大)が知博(高杉真宙)を甘やかしていて、「お母さん」の部分が強いので、僕はどちらかと言えば「お父さん」の部分が強いのかもしれないですね。
- 3兄弟のシーンは、高杉さん、古川さんと事前に打ち合わせをされることもあるんですか?
- それが不思議なんですけど、初めから何の打ち合わせもなしで大丈夫だったんです。おふたりとも初めてご一緒したんですけど、お芝居をしていても間とかテンポ感が気持ち良くて……。僕、絶対薫とは相容れないと思っていたんです(笑)。多分、あれは古川さんが持っている間とかタイミングなんでしょうね。高杉さんともそうだったんですけど、お互いに第一声から家族っぽいやりとりが出せたような気がします。意識をしなくても、自分のお芝居のことだけを考えていれば不思議と家族になれたような、そんな感じでした。
- 3兄弟が並んだ絵だけで、情報量が多いと言いますが……。
- そうですね。その中でも、薫が際立っていますけどね(笑)。“飛び道具”として頑張っています!
- 先ほど、「正海さんようにテンションが高い人間ではない」というお話がありましたが、あえて共通する部分を挙げていただくとすると?
- 料理ですね。僕も料理が好きなので、ちょっとお母さんっぽいところもあるのかな? 僕、下の兄弟がいないので、弟を溺愛する感じがわからないんですけど、子どもがいますから、自分の子どもと知博を重ね合わせて見ているようなところもありますね。
- その知博を演じている高杉さんの印象はいかがですか?
- お互い九州の出身なんです。九州男児らしく一本芯を持っている方だと思います(笑)。印象は、お芝居も丁寧で柔らかくて、打ち合わせしなくてもこちらに合わせてくれるというか、僕が引っかき回そうとしても付いてきてくれるので心強いです。後輩ですけど、頼りがいのある素敵な俳優です。(速見穂香役の)波瑠さんと高杉さんお二人で現場の雰囲気を盛り上げてくれているのでありがたいです。
- ドラマの中では、ある意味対立するような関係ですが、速見穂香を演じている波瑠さんの印象についてもお願いします。
- 波瑠さんは、お話をしてみると、凄く誠実で素敵な方だなと思いました。僕が言うのもおこがましいですけど、漫画原作の世界とリアルの世界を混ぜるというか、マンガに寄り過ぎない、嘘にならない、バランス感覚が本当に凄いなと感じますし尊敬しています。
- 役者さんにとって漫画原作の作品に取り組むのは、先行するイメージがあるだけにプレッシャーも大きいと思います。
- まず、僕自身は漫画ファンなので、もし出来るのなら漫画のままのカット割りにしてほしいですし、外見もできる限り漫画に寄せたいと思ってしまうんですけど、生身の人間が演じる以上、そうもいかないですよね。人気がある原作だったりすれば、余計にプレッシャーも感じます。ただ、現場で人間と人間がお芝居をすると、台本に書かれていないようなことが生まれたりもするので、それは1番大事にしています。そもそも、読者の方々の数だけそれぞれの世界があるわけですから、全員を納得させることは不可能なわけですけど、原作をリスペクトする気持ちを忘れないで、人間同士がお芝居をする中で生まれたものを大事にしたいです。
- 最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
- 僕に関して言えば、ちょうど折り返しくらいのところであるイベントがあるんですけど、そこは見せどころになっていると思います。薫は薫で、また別の見せどころもありますし……。薫は、絵に入っているだけでも強いんですよ(笑)。それに負けないように頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。