速見穂香役 波瑠さん

2023.4.21 FRI. UPDATE インタビュー 01

今回の企画を最初に聞いたときの印象からお願いします。
お話をいただいた時はまだ台本が出来ていなかったので、先に柴なつみ先生の原作漫画を読ませていただきました。そのときに、こんなに自由度の高い作品なんだと思いました。家事のスキルが高い男性を「お嫁くん」として迎えて、女性が大黒柱になって……という部分からして新鮮でしたし、とても面白いなと思いました。「女性とは?」「奥さんとは?」みたいな部分は、家庭でも社会でも知らないうちに当て込まれてしまうようなところがあるじゃないですか。でも、そういうことに悩んだりもがいたりしている方ってきっとたくさんいると思うんです。そういう方たちのことを優しく包んだり、「明日も頑張ろう!」と思ってもらえたりするような、エールとして届く作品になるんじゃないかなと思いました。私も胸を打たれたので、誠心誠意取り組んでいきたいと思いました。
単に“かわいらしいラブコメ”だけじゃない、さまざまな要素がありますよね。
そうだと思います。男性はこうじゃなくちゃいけない、女性はこうあるべきだ、とか、いろいろな固定観念みたいなものがありますけど、そうじゃなくても良いんだよという。そういう意味では、意外と社会派な作品だと思います。
主人公の速見穂香というキャラクターを演じるにあたって、特に考えた点、意識されている点は?
速見の「仕事が出来る優秀な社員」という点と「お嫁さんにしたい女性」として、職場の男性陣に女性としての魅力も伝わっている、という点ですね。仕事が出来るけど近寄りがたい感じではない、というのはある意味理想ですよね。「ファンタジーかな?」みたいな感じもありますけど(笑)、それを何でカバー出来るのか、という部分は考えました。話し方なのか、表情なのか、そこに速見のマインドが柔らかさとして表現できればと思っていますが……。いまだに難しいと思っています。
原作漫画のキャラクターもありますから、そこに血を通わせる作業は難しそうです。
多分、山本知博を演じている高杉真宙さんも、花妻蘭を演じている前田拳太郎さんも、同じ課題に取り組んでいると思うんです。だから、スタッフさんたちにも相談に乗ってもらいながら、チームで取り組んでいかなければ、という感じです。
勝手なイメージですけど、波瑠さんはお仕事はもちろん、プライベートも完璧な方なんじゃないかと思っているのですが……。
そんな風におっしゃっていただくこともあるんですけど、私としては「何でそうなっちゃったんだろう?」という感じです(笑)。「ちゃんとしている」と人に思われたくないんですけど……。私は、大雑把な性格で、全然ダメなんですけど、ストイックなイメージを持たれてしまうこともあって。そのイメージが自分自身を縛ってしまうような感じで、速見と同じように自分で自分の首を絞めています(笑)。
周りの期待がどんどん高くなってしまうのでは?
理由はわからないんですけど……。でも、そういうイメージからは脱却したいんです。
もしかしたらこのドラマがきっかけで、少し楽になることもあるかもしれませんね。
この速見という役を通して、自分のダメさを他の人にも受け入れてもらいたいと思います。そして、周りの人たちに助けてもらいながら頑張る人生にしたいと思います(笑)。
家事の話になった際、「犬を飼っているから、あまり散らかせない」とおっしゃっていましたね。
そうなんです。何かを飲み込んでしまったりしたら怖いですからね。だから、速見とは違って、ある程度は片付けもやっています。
速見の”お嫁くん“となる山本知博を演じている高杉真宙さんと共演されてみての印象は?
ご本人もおっしゃっていたんですけど、結構人見知りだということで……。でも、速見と山本の関係性は、私と高杉さんが仲良くなれることにかかっているなと思ったので、不安と焦りの中で、高杉さんの心をノックし続けました。「ちょっとウザいかな?」とか思いつつも、そうやってコミュニケーションをとっていったら、少しずつ慣れてくれたみたいで良かったです。今では笑っている時間も多くなったので安心しました(笑)。最初は心配していたんですよ。暗いところをひとりでフラフラ歩きながらセリフの練習をされていたりして。私も「邪魔しちゃいけない!」と思って遠くから見守っていたりしたんですけど、今ではたくさんお話もしてくださるようになったので嬉しいです。
前田拳太郎さんも「人見知りなんですけど、波瑠さんや高杉さんに助けてもらっています」とおっしゃっていました。
前田さんはすごく喋るイメージです。自分のことをたくさん教えてくれるんです。自称“人見知り”です(笑)。
山本のような、家事最強男子はいかがですか?
本当にいたら最高ですよ。素晴らしいです。私も、やらなくてはいけないから最低限のことはやりますけど、家事が得意とは言えないですから。家事が得意な方、尊敬しています。このドラマの影響で、「家事が出来る男の人、いいじゃん!」みたいな評価が、男女問わずもっともっと高くなればいいですね。
最後に、ドラマを応援してくださっている視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
今の時代を頑張るのに、男性も女性も関係ないと思うんです。その中で感じるちょっとした居心地の悪さとか、「これでいいのかな?」みたいな思いに対して、「大丈夫!」って言ってあげられるようなドラマになっていると思います。週の真ん中にこのドラマを見て、エネルギーをチャージしてもらえたら嬉しいです。最後まで応援、よろしくお願いします!

バックナンバー