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レポート

「TV LIFE Premium」2012 April
2012年3月21日発売

P70-75
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『堂本兄弟』
SPECIAL COLUMN
わたしが見てきたKinKi Kids

2つの際立った個性は、この時代に在るべき「アイドル」

 3月6日帝国劇場に、堂本ブラザーズバンドから高見沢俊彦さん吉田建さんと出かけてきました。ほんとはもうひとり高橋みなみちゃんが参加予定でしたが、直前にAKB48のお仕事が入ってしまって、代打に武田真治さん。堂本光一さんの『Endless SHOCK』今年も観劇しました。わたしと建さんは2000年初演から観てますが、高見沢さんももう9年続けての帝劇です。長いですね、みんな。光ちゃんが舞台で『堂本兄弟』ネタをアドリブで入れては、お客さんが笑う、共演者がまたかぶせる。幕間に訪ねる楽屋への導線も慣れたもの。『LOVE LOVE あいしてる』の時にはよく「ファミリー感」と評されましたけども、今のこなれた「バンド感」も相当なもの。初演の『MILLENNIUM SHOCK』は2階最前中央で、初日を上から観てましたが、相方;堂本剛さんが1階最前列の正面にいるのが見えて、あたたかくなりました。

 そういえば、剛さんの横浜アリーナを光ちゃんと観たことがあって、アンコールで『LOVELOVE』で光ちゃんが初めてつくった「MY WISH」を剛さんが歌って、素でびっくりしてたこともありました。

 私がKinKi Kidsと初めて逢ったのが、1996年の8月、その横浜アリーナでした。『LOVE LOVEあいしてる』と名付けた、「愛がテーマの音楽番組」の企画書2通右手に持ち、左手に緊張を握りつぶして、剛さんがダウンタウン好きで『ガキ』の収録を観にきたとの不確かな情報を頼り、番組の構成作家・高須光聖さんをつれて昼公演を終えた楽屋で2人を待ちました。高須さんにもりあがる人なつこい剛さん、白いガウンで企画書に目を落とし一言も発さない人見知り出しまくりの光ちゃん。ステージの上も下も関西弁しか使わない、今まで見たことないジャニーズアイドルに、ちょっと戸惑ったのを憶えています。

 番組が走り出し、篠原ともえさんとは若い者同志3人すぐ打ち解けたのですが、吉田拓郎さんやLOVE LOVE ALL STARSのミュージシャンたちとは互いになかなか馴染まない。最初にきっかけ作ったのは、拓郎さんが収録中あまりに喋らないので、若い女子のお客さんのいないリハ室で、若いゲストも迎えずに、得意のギターを、坂崎幸之助さん従えて未経験のふたりに教える、拓郎さんに喋らせるためだけの無理矢理コーナー企画「カムカムギターキッズ」でした。拓郎さんは思うとおり『オールナイトニッポン』で聴いていた わたしのイメージ通り喋り倒してくれました。ですがそこからふたりがあんな風な進化遂げるとは、まったく想像つかなかった。あれから15年半、KinKi Kidsは、今まで見たことないジャニーズアーティストに育ってしまいました。反省しています。けれど、これでよかったのかなとも思う。

 ジェネラリストが求められる時代かもしれないけど、私たちフジテレビ音組がそうありたいと願うように、偏った能力、突出した魅力を備えるスペシャリスト、万人受けはしないアイドルだっていい。さらに分かれ進む2つの際立った個性は、この時代に在るべき「アイドル」なのかもしれない、継いだ『堂本兄弟』をつくりながら、今はそう思っています。『堂本』も500回。記念の他誌の特集で、光ちゃんが「ずっと続いているのは、きくちさんのおかげだと思ってる」と語り、剛さんは「きくちPの好きなことをやってくれたらうれしい」とか言ってくれて。あの夏からずっと、日々度々の私らしい奇天烈な提案も「きくちさんだから」と受け入れてくれる、もう私とキンキとは戦友なんだと、しみじみしちゃいます。

 なんか、語っちゃってごめんなさい。またラィブやりたいなぁ。あとロケも。

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