レポート

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#093(04/01/05)インタビュー
×松山千春さん
2003年12月7日 夕方
『HEY!HEY!HEY!』収録のあと
砧 東京メディアシティ 楽屋でインタビュー

きくち
わたしはちょうど幼く多感な時期に千春さんの「旅立ち」をラジオのスポットCMで聴きまして。それで…あの、「このひと天才!」と思ったんですよ。
松山
いやいや。俺は物心ついた時から自分を天才だと思ってたから(笑)。
きくち
(笑)。そのころから千春さんは強いメロディを書いてて。それなのにラジオのパーソナリティをやると、すごくおもしろくて。
松山
そうだな、あの頃は自分の持てるものを精一杯出させてもらったかな。ただこれは当時からそうなんだけど、どんな番組をやっても、送り手側がお客さんに媚びちゃいけないね。それがこの頃はちょっと首を傾げるものが…。
きくち
お手軽な感じの番組ですね。すいません『HEY!HEY!HEY!』は心を入れ替えて音楽番組にしたので(当時)。
松山
そうそう『HEY!HEY!HEY!』には頑張ってもらわないと。
きくち
『FNS歌謡祭』(2003年12月3日 OA)の視聴率もよかったんですよ。やっぱり今は丁寧な音楽番組が求められているのかな、と改めて感じました。
松山
ほら『W杯バレー』の視聴率も良かったじゃない。要するにお客さんが過剰な演出に飽きてるんだな。
きくち
野球にしろバレーにしろ、スポーツはドキュメンタリーですからね。
松山
『HEY!HEY!HEY!』も本来はドキュメンタリーなんだよ。
きくち
そうですね。ダウンタウンとゲストのトークに、何が起きるかわかんないドキドキ感がありました。
松山
やっぱりその“何が起きるかわからない感”は必要なんだよ。俺たちもステージで雨や雪を降らせたりしてると、どんどん演出が過剰になっちゃうんだよね。だけど最終的には、“ギター1本あればいい”って開き直りが大事だったりするから。
きくち
最近は媚びる音楽も多いですよね?媚びるというか…(時代の)流れに乗って行こうとするような。
松山
そうだな。俺だって昔は「カラオケで歌えるような曲ありませんか?」って言われたもの(笑)。普通の人が歌えたらさ、俺たちプロの存在意義がなくなっちゃうのに。そうやってお客さんに媚びて…一時は売り上げを伸ばしたけど、頭打ちになっちゃったもんな。
きくち
プロの人っていうのはまさしく個性が勝負ですもんね。…たまに、強い真っ直ぐなメロディが出てくると、千春さんみたいだと思う。
松山
ああ、今の若い子たちで?
きくち
Kiroroとか…あと平川地一丁目とかに感じたんですけど、メロディの中に真っ直ぐさがあるんです。千春さんは最近のアーティストで、お気に入りの人っているんですか?
松山
そうだなあ…MISIAとか。俺、自分の世界を持ってるヤツが好きなんだよ。あと中島美嘉が…いい歌は歌ってる…。上手いってわけじゃないけど。
きくち
そりゃあ、千春さんに言わせればみんなそうなりますよ(笑)。
松山
いや、誤解されやすいんだけど、歌は上手い下手じゃないから。良い歌っていうのは人に伝わる歌なんだよ。
きくち
そうですよね!この対談で中居くんともそのことを話したんです。
松山
SMAPも良い歌を歌ってるぞ。だからみんなに共感を与えるんじゃないかな。MISIAにしても中島美嘉にしても、あとは自分の持っている原石をどう磨いていくかが大事。最初からダイヤモンドだった人なんて、美空ひばりさんしかいないんだからさ。
きくち
そういう意味で言ったら、千春さんもまだ原石ですよね?
松山
そうそう、たまにちょっとこすって、「ルビーかな?」なんて思わせてな(笑)。まあ演出されたテレビだとノン演出の俺が浮いて、言いたいことが間違って伝わっちゃうことがあるからな。だったら俺は、自分の足元を大事に…2000人のお客さんの前で真っ直ぐな歌を歌っていたいんだよ。いつか俺がレギュラーで出ても浮かない、真っ直ぐな番組を作ってくださいよ。
きくち
ありがとうございます(笑)。


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