- きくち
- 今までこの連載に出ていただいた人の中で、高見沢さんが一番おつきあいが長いと思うんですよ。
- 高見沢
- そうだよな、長いよなあ。
- きくち
- わたしが『夜のヒットスタジオ』のADのとき、放送2回目ぐらいですでにご一緒してましたから。高見沢さんにはわたしのはじまりから見られてる。
- 高見沢
- そうそう、足をけがしたりな。あの頃はきくちもいろいろあった。
- きくち
- 実はそれを、生放送中にアルフィーのセットに足をひかれて。
- 高見沢
- ええっ!?
- きくち
- それで傷口が開いて、辺り一面が血の海に…。本番中。
- 高見沢
- それ、俺が悪いわけじゃないから(笑)。本当、AD残酷物語だね。でも今は、こんなに立派なプロデューサーになられて。ある意味、人間の進化の過程を見ているようだよ(笑)。
- きくち
- (笑)。高見沢さんも、ずいぶん可愛らしい方向に進化しましたね。 『堂本兄弟』で強烈な天然ボケを遺憾なく発揮していますよ。
- 高見沢
- 俺は普通なんだけどなあ。
- きくち
- 普通の人はカセットテープを靴の中に入れたまま、1か月も…。
- 高見沢
- いや1週間、1週間。さすがに1か月だったら分かるよ。あのときは急いでいたからね。
- きくち
- それでも1週間は気付かなかったと(笑)。…さっきの進化の話に戻りますけど、そもそも高見沢さんが堂本ブラザーズバンドに入ってくれるとは思いませんでした。
- 高見沢
- まさか俺も引き受けると思わなかった(笑)。でも、「ぜひ、きくちが」って聞いてたんだけど。
- きくち
- いやぜひですけど、本当に試しに聞いてみたんですよ。まさかやっていただけるとは…。
- 高見沢
- こなれたって言い方をしたらおかしいけど、テレビに対する偏見がなくなったというか。5年前だったらやらなかったかもしれない。
- きくち
- 『LOVE LOVEあいしてる』なんて、本当に出てくれませんでしたもんね。わたし、高見沢さんに会いに何度も行きましたもん。
- 高見沢
- 最後、土下座してたよな(笑)。
- きくち
- もう「何でもいいから出てくださいっ!」って(笑)。
- 高見沢
- 苦手だったんだよな、テレビ。ただ(吉田)拓郎さんにはよく「お前テレビ向きだから絶対出た方がいい」って言われてて。「あ、そっかな」と思った。人間って不得意だと思っているものほど得意だったりするしね。
- きくち
- その後は上手にテレビと付き合いながら、ここまで進化してきた。
- 高見沢
- それはやっぱり3人でいるからこそできることで、ソロだったら絶対にできない。いつまで一緒にやれるかわからないけど、ずっと一緒にやっていきたいと思ってる。
- きくち
- 来年で30周年でしたっけ?
- 高見沢
- 来年で30周年。もう大台。
- きくち
- 楽しいことやりたいですね。
- 高見沢
- ねえ。もう何してもいい感じがしてさ、それでこんな格好してるし。夏のイベントももう22回目だけど…どこまでやるんだろう?
- きくち
- わたし、よく自分で行ってましたね。関係者じゃなかったんで、コンサートに行ったはいいけど、バスの列が動かなくてなかなか帰れなかった。
- 高見沢
- すごいね! コンサートの時間と同じくらい待ったんじゃない?
- きくち
- 待ちました。で、バスに乗ってもそのバスが動かない(笑)。あの頃のお台場って何もなかったですよね。
- 高見沢
- 石と草だけで何もない場所に、巨大なセットを作ってさ。ほとんど黒字にはならないコンサート(笑)。
- きくち
- 10万人超の、当時としては規格外の大きさのコンサートでした。
- 高見沢
- 単独でやったのは俺らが最初でしょう。あれで結構、踏ん切りがついたの。こういう数の勝負はやめて、これからは質を高めていこうって。お笑いの質だけ上がってるけど(笑)。
- きくち
- いや、そんなことないですよ。…今回、こんな雑談でいいのかな? すごく滑らかにしゃべってるけど。
- 高見沢
- じゃあ、進化と質を高めるテレビライフ、ということで(笑)。
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