KIKCHY FACTORY

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#31(01/08/01)



わたしたちのラジオ・デイズ『オールナイトニッポン』

 わけあって今回、こともあろうかケニアから原稿を送っています。一部リスナーのみなさんはご存じのとおり「オールナイトニッポン」とがっぷり組んだの大きなロケの真っ最中です。ラジオとテレビと全面的にあいのりする空前の大企画。S丸さんというニッポン放送のカリスマ(?)ラジオマンとずっと前から、なんかいっしょにやりたいよね、って企んでたのがはじまりで「夢はかなう」もんだな、ってちょっと感動しています。こんな途方もない企画の実現にご理解ご協力いただいたみなさんに心から感謝しています。

 中高生時代、ラジオの深夜放送はわたしにとってメディアのすべてでした。部活をやってくたくたで帰ってきて、家族が寝静まった夜遅く、勉強しているふりで寝っ転がって、いつもラジオを聴いていました。「ヤングタウン」「コッキーポップ」から「ぬかるみの世界」もちろん「ゴーゴーナイアガラ」まで。なかでもいちばん、わたしたちの世代のスタンダードが「オールナイトニッポン」という番組でした。

 今とスタイルがちがって、1部が25時から2部は27時からの2時間番組。土曜だけ鶴光師匠が4時間の生放送。朝の5時まで2部を聴いてそのまま学校に行って。テレビの話でもりあがるように、前の夜のオールナイトがわたしたちの話題でした。拓郎さんはもちろん、松山千春さんも長渕剛さんも中島みゆきさんも、わたしはオールナイトからでした。タモリさんもここで知りました。大好きだった近田春男さんの。わたし的に伝説の自切俳人さん。そして誰より所ジョージさん。なんてすんごいシンガーソングライター(?)なんだろう、って毎週欠かさずに聴いていました。たけしさん、とんねるず、大学ころまでずっと。

 高校に入ってからFMも聴くようになってからは「サウンドストリート」佐野元春さんに影響され、甲斐よしひろさんに共感して、坂本龍一さん、そして渋谷陽一さんになにかと教えていただきました。

 そのころはテープをまわしていて今でもけっこう残っているんですが、オールナイトでしか流れなかった拓郎さんの曲とか、甲斐さんがうたう「ポスターカラー」とか、しゃべる森田童子さんだとか、なんかわたしのあのころをつめこんだ宝箱みたいです。

 今、福山くんや西川くんのオールナイトを聴いていて、ハガキのかわりにメールやFAXやネットで上手にたのしんでる若いコたち、うれしそうな福山くん西川くん、やっぱラジオって思春期に大事なメディアだよな。わたしなりのそんなリスペクトを込めたテレビの特番です。秋にはきっと(笑)


フジテレビ きくち



モドル




(C) OTOGUMI ALL RIGHTS RESERVED.