- きくち
- どうもお疲れさまでした。
- さだ
- お疲れさまでした。特に石田さんは早朝から、大変だったでしょう?
- 石田
- なんせ、今日はさだまさしさんだからね。で、プロデューサーきくち伸、ディレクターが僕ってなったら、そりゃ、凝るしかないでしょう(笑)。
- さだ
- まだ老け込めないですねぇ。
- 石田
- いやあ、もうすぐ65歳ですよ。
- さだ
- ダメですよ。加山雄三さんなんて、71歳でバリバリなんですから。ありがたいですよね。おかげで僕らはいつまでも若僧で居られて。
- きくち
- 本当ですね。でも、石田さんってもっと破天荒なイメージでしたけど、意外とちゃんとしてるというか。まあ、当たり前なんですけど(笑)。
- さだ
- でも、ムチャしてたわけじゃないからね。メチャクチャだっただけで。
- 石田
- それ、どう違うの?
- さだ
- 違いますよ。ムチャというのは、理にかなってないこと。メチャクチャっていうのは、そもそも理というものが存在しないってことだから(笑)。
- 石田
- (笑)。今日はきくちプロデューサーの選曲もすばらしかったでしょ?「19才」とか「つゆのあとさき」とか。
- さだ
- 驚きましたよ。僕のことをよく理解してくれてるなって。「秋桜」は僕のヒット曲じゃないし、「雨やどり」や「道化師のソネット」はヒット曲ではあるけど、すごいたくさん売れたってわけじゃないですから。
- 石田
- でも、どれもいい曲だよ。それこそ「道化師〜」なんかは、今は若い子たちがカバーしたりもしてて。
- さだ
- うれしいですよね。だから最近は、カタログ作りって自分に言い聞かせて、曲作りしてんの。いい曲作っとくから、どんどん使ってよ。売れてなくても、いいのあるからって。
- きくち
- なるほどねえ。それこそこの放送を見て、また知ってもらえるでしょうし。どれもこれも、いい演奏でしたからね。画にドラマがありましたよ。
- さだ
- ドラマあったね。平原綾香さんとの「つゆのあとさき」なんか、ちゃんと恋愛になってたもん。松浦亜弥さんに森山直太朗くんと、みんな若いんだけど、自分をしっかり持っていてね。
- 石田
- そうだよね、うん。
- さだ
- ただ悩んだのは、子供がね。だ学生なのにって。親としては、出したくないっていうのが本音だから。
- きくち
- すいません。でも、音楽的にも素敵なセッションでしたよね?
- さだ
- 面白かったですね。石田さんの狙い通り、奥行きが生まれたなと。
- きくち
- お嬢さんが弾くピアノのキラキラ感っていうのは何となく想像してたんですけど、ご子息のバイオリン、すばらしかったですね。イケメンだし。
- 石田
- そうそう、精悍な感じでね。
- さだ
- 何言ってんですか(照笑)。まあ「こういう音出すんだ」みたいな発見もあったりして、面白かったですね。またお願いしますね、石田さん。
- 石田
- …次もやっぱ、まさしとかな?
- さだ
- (笑)。じゃあ、出ますからね。
- きくち
- 今日できなかった曲も、いっぱいありますから。『僕らの音楽』でやってくれた「遙かなるクリスマス」も、また聞きたいなと思いますし。
- 石田
- あれはすばらしいよね。
- きくち
- 7分14秒ありますけど(笑)。
- さだ
- (笑)。…いかがでしょう、石田さん。今度、フルオケで「親父の一番長い日」、演らしてくださいよ。
- きくち
- 石田さん、やりましょうよ!
- 石田
- まあ、プロデューサーが言ってんだから、いいんじゃない(笑)。
- さだ
- ライブでもいいですけどね。
- きくち
- それもいいですね。でも、どうせならスタジオで撮りたいな。
- さだ
- そうね、やっぱり『MUSIC FAIR』の、あの照明が。すごいよね、ハイビジョンだと平べったくなるものなのに、見事な奥行きなんだ。
- 石田
- ああいう色みは、スタジオじゃないと、出せないんですよ。深みをどう出すか。「照明にも遠近感がある」って、そういうことだから。
- さだ
- そう考えると、スタッフの力って大きいね。こういう番組でお祝いなんてやっていただけるの、光栄ですよ。
- きくち
- じゃあ、36周年のお祝いは、フルオケの「親父の一番長い日」で。
- さだ
- ぜひ、よろしくお願いします。
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