KIKCHY FACTORY

倉本さんの新作を聴いて思うこととか.

倉本さんはいいひとです.それでもってサイコーに優秀な放送作家さんなのが,どうしてか
「音楽のために作家をやっている」と言い切って.どうしたいのだろう.
幾度かライブにも出かけました.仕事がらわたしは年に100本からのを観てきてますが,それでも
倉本さんのは際立って異彩を放っていて.どうなんだろう.
わたしたちテレビの制作マンもたぶん,作家さんももちろん,うたをつくってうたうひとはもう絶対に
よそと違うということが武器になるはずで.でも.
ものすごい理想主義で,ものすごい文学的で,たぶんものすごく音楽を愛していて
でもそれは全然,商業的じゃなくて.
いい音楽をつくること.いい音楽を演じること.それをたまたまに聴いてくれたひとたちを
ふわっとつつむこと.
幾何学的な音楽やオーバードライブな音楽がプロフェッショナルとして成立している昨日今日,
倉本さんの音楽がどこへたどりつけるのか全く想像がつきません.
それでも「音楽のために」やるっておっしゃるんだから,
倉本さんがやるっておっしゃるんだから,
倉本さんと倉本さんの音楽が嫌いじゃないわたしたちは
わたしたちにできることではしっこのほうから応援し続けるのです.
詞の意味音の意味をそのままに受けとめながら.
あるいはわたしたちがどこかに置いてきたような
「夢」みたいなものをかぶせてみたりもして.


フジテレビ きくち伸



モドル




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