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レポート

『H album』KinKi Kids
週刊ザテレビジョン 2005/11号

KinKi Kidsとはじめて出逢ってから、10度目の秋が終わります。『LOVELOVEあいしてる』がはじまった最初の秋には、彼らは他局のロケ番組で加山雄三さんのエレキギターを「触った」ことがあるだけの17歳の少年で、売り出し中のめちゃめちゃ忙しいアイドルでした。『LOVELOVE』のエンディングでうたうのを嫌がってて、東京ドームの野球大会の現場まで、説得に出かけたことを憶えています。吉田拓郎さんがあまりにも収録でしゃべらないので、拓郎さんにしゃべってもらおう、とつくったギターのコーナーが、多感なふたりの硝子の少年の、胸へとじょうずに突き刺さり、結果的に音楽に特化したトップアイドルに育つきっかけとなりました。そんな彼らの、はやくも、なのか、ついに、なのかはわかりませんが、かれこれ8枚目のオリジナルアルバム。こんな音楽的なふたりにしちゃって、ファンのみなさん、ちょっとごめんなさい。けどまぁ、ほかにはこんなアイドルいないよ。車でも、電車でも胸をはって聴けるこのアルバム。いろんなふうに感じて、いろんなふうにたのしんでください!

01.「arabesque〜千夜一夜の夢〜」
昔風で言うと「針を落とした瞬間」というのか、いきなり飛び込んでくる音にまずびっくり。何のアルバムかと思いました。こんな音楽的な驚きが、キンキの楽曲らしい、です。

02.「Anniversary」
言わずと聴こえた名曲。『HEY!』でも演り、『堂本』では「ビロードの闇」が発表されるまで半年、本番の前に毎回生演奏されていました。今聴いても、全然旧くないです。

03.「恋涙」
剛が詞を書いて光一が曲を書いて。『LOVELOVE』のころから何曲かいっしょにつくってきた王道パターン。剛はいつもすぐあがって、光一はなかなかできなかったなー。

04.「【AOZORA】」
はじめて聴いた楽曲ではいちばんのお気に入り。たった今、高須さんの詞と知りました。いいなぁー。まっすぐで、せつない。「ふたりこの道をどこまでも」行ってほしいです。

05.「キミハカルマ」
浦嶋りんちゃんと光一がコーラスとしてクレジットされてます。何回重ねたんだろ。ぶ厚い。ギターの感じが1曲目のテイスト。キンキのアルバムとしてはど真ん中の楽曲です。

06.「Love Me More」
光一のソロ。ふたりともソロは自分の詞曲じゃないんだ。このあたりが抜群のバランス感覚。にしてもこんなに英語だらけのファルセットだらけで、ライブ、たいへんじゃない?

07.「Breath」
剛のソロ。なんと河口恭吾くんの作品。ちょっとびっくり。けどめちゃめちゃ剛っぽいかも。前の光一ソロもそうですけど、声だけでカンペキ自分の曲になっちゃうのはスゴイ!

08.「Water Screen -theme of H-」
2度目の1曲目。昔風で言うと「B面の1曲目」というのか。十川さんの作品。なるほど。どう聴くかは聴くひとしだい。詞がうたがないぶんだけ自由にイメージし放題、です。

09.「ビロードの闇」
『僕らの音楽』で『LOVELOVE』時代のバンマス3人と、cobaさん、石川直さんとでサイコーの生演奏をつくったおもいで深い曲。オリジナルアレンジもかっこいい!

10.「ダイヤモンド・ストーリー」
これはそうる透さんがドラムを叩いてます。アッパーで気持ちいい。あかるいギターポップ。ライブで生演奏で聴きたいなー。ポジティブで今作の新曲の中で2番目に好きな曲。

11.「駅までは同じ帰り道」
だったのですが、この曲がいちばん好きかも。あーふつうにヤラれちゃった。キャッチーでポップなメロディー。久保田くん、しばらく逢ってないけど変わらずいい詞書くなー。

12.「未完のラブ・ソング」
次はこれかー。いろんな曲、聴かせてくれますね。女のコたちはこういう曲にまいっちゃうのかな。やっぱり。贅沢にたっぷりとしたおなかいっぱいになっちゃうような曲です。

13.「99%LIBERTY」
そして『堂本』で下神ホーンズのみなさんと深田恭子ちゃんとかと生演奏した、サイコーのブラスロック。この曲が本編の最後かぁ。ものすごいアルバム、つくっちゃったねー。

Bonus Track.「In My Heart」
ボーナストラックは、ライブのアンコールのようですね。帝劇のカーテンコールのよう。色とりどりの14曲。『H・A・N・D』って「ハブ・ア・ナイス・デイ」なんですね。



フジテレビ きくち伸
 

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