インタビュー

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#04 剣客・石動虎太郎役 尾上菊之助さん

2016.09.21掲載

『鬼平犯科帳』がファイナルを迎えることについて
“平成の時代劇の柱”とも言うべき作品ですので、驚いたと同時に、すごくさみしく感じました。『鬼平犯科帳 THE FINAL』に参加させていただけることは、本当にうれしいです。今回、ファイナルということですが、個人的にはもっともっと続けていただきたいですし、永遠に続いてほしいと思っています
『鬼平犯科帳』について
大好きな作品です。義理や人情が根底に流れている世界の中で、正義と悪、それぞれ抱えているものがあり、長谷川平蔵が清濁併せのんで、情けのある裁きをするところに魅力を感じています。歌舞伎の世界でも、義理や人情を描いている作品がたくさんありますが、『鬼平犯科帳』にも、現代では忘れかけてしまっている義理や人情、情け、優しさというものが、非常に太く流れていて、それらが見ている方たちの心を打つのだと思います。私も一ファンですし、素晴らしい作品です
今回、演じられた石動虎太郎について
伯道(田中泯)という父親との間に葛藤のある人物で、父親への思いの深さが心の闇となって、いつの間にか悪に手を染めてしまうという非常に屈折したキャラクターです。また、虎太郎は、江戸で随一の剣の使い手と言われる長谷川平蔵の命を狙うような剣豪でもあります。以前から剣を使った殺陣をやってみたかったので、その機会を与えていただいて、非常にやりがいをもって務めさせていただきました
映像では初となる吉右衛門さんとの共演について
ずっと見ていた、江戸の正義を守っている長谷川平蔵が目の前に現れるわけですから、歌舞伎とは違った緊張感がありました。正義を代表する長谷川平蔵と、悪の虎太郎が対峙(たいじ)する機会をいただいたことは、本当に一生忘れられない記憶です
実際に吉右衛門さんと剣を交えたことについて
しびれました。『鬼平犯科帳』の28年という歴史の中で、非常に重い役をいただいたので、思い切って剣を交えさせていただきました


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