インタビュー

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#03 盗賊・江口の音吉役 谷原章介さん

2016.09.16掲載

『鬼平犯科帳』がファイナルを迎えることについて
僕自身、『鬼平犯科帳』シリーズは、幼いころから拝見させていただいておりました。また、歴史小説が好きなので、原作も読ませていただいています。今回が最後と聞いて、“ああ、残念だな”と思うと同時に、最後の作品に出演させていただくうれしさもあり、複雑な心境でした
『鬼平犯科帳』について
江戸時代だから許されると言いますか、現代のように法律を厳格に当てはめていくのではなく、“罪を憎んで人を憎まず”というように、鬼平が温情のある措置をとってくれることが、見ている者の心を温めてくれるように思います。合間、合間に出てくる、鬼平と町の方々とのやり取りも好きです
『大奥~華の乱~』(フジテレビ系・2005年10月クール)以来、久々の京都での時代劇撮影となりますが
やっぱり、京都で時代劇を撮影させていただくのはぜいたくなことです。東映さんには東映さんの、松竹さんには松竹さんの良さがそれぞれあると思っています。松竹さんは、情緒や雰囲気のある町民たちの人情話が得意で、味のある演出をしていただけるスタジオだと思います
演じられた音吉は、谷原さんには珍しい役柄ですが
そうですね。音吉は、盗賊の引き込みで、元々、役者をやっていたけれども、身を崩しただらしない男です。台本を読んだ時に、“救いのない奴だなぁ”と思いました。音吉は、間抜けで、盗賊のくせに甘ったれたところがあるため、ある事件を引き起こしてしまいます。単なるステレオタイプなこわもての盗賊ではなく、馬鹿だけど、どこか人から愛されるキャラクターなので、そう見ていただけたらうれしいです
共演の若村麻由美さんについて
凜(りん)とされていて、美しいですね。一緒にお芝居をさせていただく中で、僕が若村さんを抱きすくめるような、ちょっとした濡れ場があります。男性の僕からすると、そういったシーンは気をつかう部分があるのですが、若村さんからは“気をつかわないで結構ですので、良いシーンにしましょう”というようなお言葉をいただきました。女優さんに対しては、ほめ言葉ではないのかもしれませんが(笑)、サバサバとして男気あふれる方で、とてもやりやすかったです
中村吉右衛門さんをはじめ、レギュラー陣との共演について
夢のような世界で、ぜいたくでしたね。役柄上、吉右衛門さんらと直接言葉を交わすことはありませんでしたが、同じ作品の中で、皆さんと絡むことができてとてもうれしかったですし、惜しむらくは鬼平さんのお宅に行けなかったことですね(笑)。ご自宅での、鬼平さんと奥様とのシーンが好きなので、そこに入っていけなかったことは残念でしたね。盗賊だから仕方ないですけど(笑)


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