第6話「おれの弟」(おれのおとうと)
1998年5月20日放送
見回りの途中、雨に降られた平蔵(中村吉右衛門)は、ふと高杉道場の同門で、弟のようにかわいがっていた滝口丈助(渡辺裕之)の住まいを訪ねることにした。丈助は、高杉道場の第十一代目当主・高杉庄平(大木晤郎)の師範代で、やがては庄平の後継者とされる剣士であった。だが、平蔵は丈助に、普段とは違う何かを感じ取る。そこで、盗賊改めの仕事を離れ、密偵・おまさ(梶芽衣子)と相模の彦十(江戸家猫八)に頼み、丈助の周囲を調べることにした。丈助は高杉道場の後継者争いに巻き込まれていた。後継者の第一と見られる丈助に対し、御公儀御側衆筆頭、石川筑後守の三男・源三郎(友居達彦)がその座を狙い、横やりを入れているという。また、丈助は、刀研師・今井宗仙(織本順吉)の後妻・お市(真行寺君枝)と惹かれ合っていた。そんな折、丈助のもとに源三郎から果たし状が届く。源三郎がだまし討ちを考えているのを知りながら、丈助は決闘の場へと向かった。