第5話「はぐれ鳥」(はぐれどり)
1998年5月13日放送
神田の小間物屋「丁子屋」彦三郎方へ盗賊十余人が押し込み、主人一家をはじめ奉公人を殺害、九百八十両もの大金を奪い去った。それから十ヵ月がたち、依然手がかりはつかめなかったが、平蔵(中村吉右衛門)には一縷の望みがあった。奉公人の中にひとりだけ生き残った手代がいたのだ。手代は、賊が京の冷泉家に収める白扇を懐にするのを見ていた。そんな折、同心・木村忠吾(尾美としのり)は、いろは茶屋「近江屋」で、女を買う女・津山薫(毬谷友子)の話を聞き、声をかける。だが、津山は忠吾に扇を投げつけ、逃げてしまう。その扇には、京・冷泉と書かれていた。話を聞いた平蔵は、直ちに近江屋に見張り所を設け、津山が来るのを待った。だが、忠吾に声をかけられたことを怪しんで、津山は姿を消してしまった。平蔵は、人相書きを作り江戸中に手配する。そんな中、同心・吉見丈一郎(羽場裕一)の前に、津山が姿を現した。津山と吉見は、かつて同門で剣の修行をした仲だった。