第2話「瓶割り小僧」(かめわりこぞう)
1998年4月22日放送
密偵・おまさ(梶芽衣子)は、十年ぶりに牛松(佐藤蛾次郎)と再会する。何をやっても役立たずなことから牛松は『のろ牛』と呼ばれていた。聞けば、今は盗賊・石川の五兵衛の配下だという。五兵衛は、江戸市中を避け、その場限りの仲間を集めて急ぎばたらきを繰り返していた。おまさが牛松のあとをつけると、浅草の船宿「伊勢新」に入っていった。話を聞いた平蔵(中村吉右衛門)は、もう一度牛松に探りを入れるよう、おまさに命じた。だが、牛松は喧嘩がもとで死んでしまう。平蔵は、伊勢新のような名の知れた宿に泊まるのは、そこで内々誰かと会う約束があったはずだと、おまさに伊勢新を見張らせた。思惑通り、五兵衛と思われる男(上杉祥三)が現れ、火付盗賊改方はその男を捕まえる。だが、男はお縄になっても何も話さなかった。平蔵は、その男の顔に見覚えがあった。平蔵は、牢番とぶつかって割れ落ちた茶碗の音で、二十年前にあった、その男との因縁を思い出した。