第9話「盗賊人相書」(とうぞくにんそうがき)
1994年6月15日放送
蕎麦屋「東玉庵」に盗賊が押し入り、小女のおよし(高橋貴代子)を除いて、店の者全員が惨殺された。およしは盗賊の首領の顔を見ていた。その顔に目立つ傷跡のあることから、平蔵(中村吉右衛門)は人相書を手配、絵師・石田竹仙(柄本 明)が筆をとった。だが、できあがった人相書を見て、およしは全く似ていない、まるで違う人だと言った。およしの話によると、人相書を作る際、はじめはうまくはかどっていたが、途中から竹仙の口数が少なくなり、しまいにはおよしが顔の特徴を言っても生返事ばかり。それでも下絵は似ているものができていたという。不審に思った平蔵は、竹仙の素性を調べ、見張りをつけさせる。だが、竹仙はその見張りをまいた。いよいよ容疑は深まり、平蔵は竹仙を捕えた。竹仙はかつて流れ絵師として大店に入り込み、盗賊の手引きをしていた男だと分かる。そして、今度の人相書の男・熊次郎(六平直政)は昔の仲間だったのだ。