第5話「消えた男」(きえたおとこ)
1994年4月27日放送
筆頭与力・佐嶋忠介(高橋悦史)は、元火付盗賊改方同心・高松繁太郎(渡辺裕之)と偶然再会を果たした。八年前、高松は佐嶋に、好きな女と他国へ行くと書き置きを残し出奔していた。だが佐嶋は、そこに平蔵(中村吉右衛門)の前任者・堀帯刀の下で働くのに嫌気が差したという本心があることを知っていた。佐嶋は、もう少し平蔵の着任が早ければ、辞めることはなく、平蔵の片腕になっていただろうと高松に語りかけた。酒を酌み交わし、ふたりが別れた直後、近くで殺人が起こった。現場に残された提灯から、佐嶋は高松がやったものとにらむ。平蔵らの調べにより、殺されたのは盗賊・笹熊の勘蔵(佐藤仁哉)だとわかる。勘蔵は、八年前に佐嶋らが取り逃がした凶賊・蛇骨の半九郎の配下であった。高松は失踪する三日前、蛇骨一味のお杉(斉藤林子)という女を網にかけ、二、三十両あれば盗人宿がわかるので工面してほしいと、堀帯刀に申し出たが却下されていた。お杉は、勘蔵の情婦だった。