第12話「艶婦の毒」(えんぷのどく)
1994年7月6日放送
平蔵(中村吉右衛門)が、老中・松平定信のはからいにより、父の墓参のために京都へ行くことになった。お供には同心一名と内示があり、それを知った同心たちは平蔵の前で剣術の腕を披露し、売り込みに必死となる。だが、平蔵は木村忠吾(尾美としのり)を指名する。お供がつくとはいえ、平蔵はひとり京へと向かい、忠吾は宿の手配のため平蔵に先んじて入っていた。そんな折、墓参りを済ませた平蔵は、忠吾が年増の女と密会しているところを目撃する。あろうことか、女は、平蔵が若かりしころに深い仲となった虫栗権十郎(遠藤征慈)一味の女賊・お豊(山口果林)だった。後をつけた平蔵は、お豊が筆・刷毛の「柏屋」の後妻に収まっていることを突き止める。その後、お豊が虫栗と会っているのを見た平蔵は、忠吾に虫栗をつけさせる。虫栗が入っていったのは、盗人宿で夜明けにおつとめをするという。そのころ、平蔵は茶屋から出てきたお豊と二十年ぶりに対面する。