第11話「隠し子」(かくしご)
1994年6月29日放送
平蔵(中村吉右衛門)のもとに、長谷川家の元中間だった久助(奥村公延)が久しぶりに顔を見せた。平蔵と久助は、方々の博打場に連れだった仲であった。久助は、平蔵の父にお園(美保 純)という隠し子がいることを告白する。突然、妹の存在を告げられた平蔵は、久助に教えられた根津権現にある「三坪」という居酒屋にお園を訪ねた。お園の煙管を持つ手つきは、亡き父にそっくりだった。平蔵は、久助の話が本当だと悟る。周囲の店が女に身体を売らせている中、お園は客に媚びることもなく酒しか出さなかった。そんなお園を見初め、面倒を見ようと、根津界隈の顔役・荒井屋松五郎(田口 計)が言い寄っていた。久助はそのことを知り、思い余って平蔵に相談したのだった。一方、盗賊・藤岡の勘四郎(浜田 晃)の配下と思われる横沼の利吉(三浦賢二)が、荒井屋の縄張りで捕まった。火付盗賊改方の厳しい追及に、利吉は、盗人宿を荒井屋から紹介されたと白状する。