第10 話「浅草・鳥越橋」(あさくさ・とりごえばし)
1994年6月22日放送
深川にある船宿「鶴や」は、平蔵(中村吉右衛門)の意を受け、密偵・小房の粂八(蟹江敬三)が預かっていた。そこに、押し切りの定七(平泉 成)という盗っ人が客としてやってきた。定七は、鶴やの馴染み客・小間物屋「三好屋」の主人(中井啓輔)と何やらきな臭い話をしていた。定七は、盗賊・傘山の瀬兵衛(中田浩二)の配下だった。平蔵は、密偵のおまさ(梶芽衣子)に定七を見張らせる。すると定七は、風穴の仁助(井上純一)という男と連絡をとった。仁助は、蝋燭問屋「越後屋」に引き込み役として入っていたのだ。平蔵は、鶴やでのやりとりから、定七が瀬兵衛を裏切り、三好屋に盗みばたらきを横取りさせようとしていると確信する。さらに定七は、仁助の女房・おひろ(小林かおり)が瀬兵衛と不倫していると仁助に吹き込み、瀬兵衛の命まで奪おうとしていた。平蔵は、定七が必ず三好屋につなぎをつけるとにらんでいた。平蔵の読み通り、ふたりは再び鶴やに姿を現した。