桶狭間

OKEHAZAMA

3月26日(金)21時~23時32分

ピックス

2020.3.30 更新

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フジテレビでは、市川海老蔵の十三代目市川團十郎襲名を記念した特別ドラマを放送する。ドラマは、今川義元の大軍を数的に劣る織田軍が打ち破り、日本史上最大の逆転劇と謳(うた)われ、織田信長を一躍戦国時代の主役に押し上げた伝説の一戦、“桶狭間の戦い”を題材とした本格歴史エンターテインメント、『桶狭間〜織田信長 覇王の誕生〜』。すでに市川海老蔵が織田信長を演じることが発表され、さらに信長の最大の強敵・今川義元を三上博史が、信長の正妻・濃姫を広瀬すずが、信長の実母・土田御を黒木瞳が、それぞれ演じることが決定している。そしてこのたび、斎藤道三役に佐藤浩市が、柴田勝家役に松田龍平が決定した。佐藤、松田共に海老蔵とは今作が初共演となる。

信長の岳父・“美濃のマムシ”斎藤道三は佐藤浩市が演じる

佐藤が演じる斎藤道三は、油売りの商人から美濃の国主にまでのし上がった実力者で、周囲には“マムシ”と呼ばれ、恐れられた。隣国の尾張・織田家とは常に一触即発の緊張状態にあったが、信長の父・信秀が齋藤家との和睦を望んだため、娘の帰蝶(濃姫)を信長に嫁がせ、婚姻関係を結んだ。濃姫からは信長は素晴らしい武将だと聞く一方で、信長は“うつけ者”として知れ渡っていた。道三は信長の器量を己の目で確かめるために、当時としては珍しく当人同士が面会を果たす。その結果、二人はお互いを唯一の理解者と認め、真の舅(しゅうと)、婿の関係になるのだった。実の母親から疎まれ、弟からもその命を狙われた信長にとって、道三だけが信頼のおける味方だったと言える。そんな戦国時代の傑物・斎藤道三を、現在公開中の映画『Fukushima 50』でも迫真の演技で見るものを圧倒させた佐藤が演じる。今や日本を代表する俳優の一人であり、時代劇でも数々の役を演じてきた佐藤の“マムシ”に期待が高まる。

信長に謀反を企てる柴田勝家には、松田龍平が決定

松田が演じる尾張の家老・柴田勝家は勇猛果敢な武将として知られる。信長の家臣団の中でも屈指の実力者であった勝家だが、初めは信長の弟・信勝に仕えていた。“うつけ者”と言われた信長よりも信勝の方が後継者にふさわしいと考え、信長に謀反を企てるが、稲生の戦いで敗れ、信長の実力を目の当たりにする。信長に真の頭領としてのカリスマ性を見いだした勝家は信長に忠誠を誓うこととなり、信勝が再度謀反を企てた時には、信長側に寝返ったのである。豪傑な武将派として描写されることの多い勝家だが、今回は信長に心動かされていく勝家の繊細な心理も描かれる。常に存在感のある唯一無二の演技で視聴者を魅了し続ける松田が、信長と信勝という兄弟の間で葛藤しながらも己の武士道を貫いていく様をどのように見せてくれるのか、期待してほしい。

コメント

佐藤浩市

今回のお話が来たときの感想。
脚本家の大森さんとプロデューサー、監督と偶然お会いする機会があって、この作品の話を聞きました。そのときは、“美濃のマムシ”の役なら久しぶりに立ち回り(殺陣)もいいな、と話していました。正式にお話を伺った時に、大森さんが本当に斎藤道三の立ち回りを台本に書いてきてくださったので、これはきちんとやらないといけないな、と(笑)
役を演じるにあたって気をつけたことなど。
斎藤道三はいろいろ諸説がありますが、その諸説ある“怪しさ”をうまく、味わいとして出せればと思いました。監督とも話して、改まっているシーンをあえて崩したり、エキセントリックにしたり、でも決めるところはきちんと決めて、と。ビジュアルもちょっと特徴的になっています
視聴者にメッセージをお願いします。
作品によって桶狭間の戦いはいろいろな描き方をされていますが、信長をはじめ、それぞれの作品のキャスティングの違いと面白さ、その妙を楽しんでいただけたらと思います

松田龍平

今回のお話が来たときの感想。
お家のために忠義を尽くしてきたまっすぐな男が、主である信勝を裏切り、変わり者と言われる信長に尽くすに至るその心は、柴田勝家を想像するにはとても面白いエピソードだと思いました
撮影現場の感想。海老蔵さんが演じる“織田信長”について。
海老蔵さんとの共演をとても楽しみにしていました。撮影現場は海老蔵さんを“殿!”と呼びたくなってしまう。そんな活気のある現場です。そこには紛れもなく織田信長がいました
視聴者へのメッセージ。
桶狭間という歴史に残る合戦。戦国時代を生きる織田信長と武将たちの命をかけた戦いをぜひお楽しみに

プロデュース・高井一郎
(フジテレビ第一制作室)

佐藤浩市さんは、実はまだこのドラマの企画がスタートする前、河毛監督と一緒に偶然お会いした時に“今、(織田)信長の企画を考えているのだが、もし実現したら斎藤道三をやってほしい”と話していたのを覚えていてくださって、正式にオファーしたところ快諾していただけました。シーンは多くはないですが、油売りの一商人から美濃の国主にまでのし上がった実力、マムシと恐れられた人間力、大きさ、その一方で娘・濃姫や婿・信長に向ける全幅の信頼と愛情、といったところの行間を見事に深めて表現してくださっています。

松田龍平さんは、これまでの“猛将”柴田勝家とは一般的なイメージが違うかもしれませんが、今回描く勝家は、誰よりも忠義に厚い男が、信長という男に出会うことによって、その忠義の本当の意味を考え、知ることになる、そうした心の葛藤を武骨な無表情の仮面の下で表現してもらいたいと考えており、まさにはまり役だと思っています。これまで見たことのない柴田勝家がそこにいます。ご期待ください