桶狭間

OKEHAZAMA

3月26日(金)21時~23時32分

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2020.3.16 更新

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フジテレビでは、市川海老蔵の十三代目市川團十郎襲名を記念した特別ドラマを放送する。ドラマは、今川義元の大軍を数的に劣る織田軍が打ち破り、日本史上最大の逆転劇と謳(うた)われ、織田信長を一躍戦国時代の主役に押し上げた伝説の一戦、“桶狭間の戦い”を題材とした本格歴史エンターテインメント、『桶狭間〜織田信長 覇王の誕生〜』。先日、市川海老蔵が織田信長を演じることが発表されたが、新たに三上博史、黒木瞳の豪華キャストが決定した。

信長の最大の強敵・今川義元には、三上博史が決定

信長にとって最大の脅威は駿河の大大名・今川義元だった。義元は遠江、三河を我が物とし、いよいよ信長の所領・尾張に侵攻する。その数、二万。“御所(足利将軍家)が絶えれば吉良が継ぎ、吉良が絶えれば今川が継ぐ”と言われた名門・今川家。また、“うつけ者”と揶揄(やゆ)された信長とは対照的に、義元は海道一の弓取りと謳(うた)われ、武将としてもその名をとどろかせていた。そんな当代随一の武将・今川義元役に三上博史が決定した。数々のドラマ・映画・舞台で主演を務め、常に視聴者を魅了してきた三上。時代劇は2012年のNHK大河ドラマ『平清盛』の鳥羽上皇役以来となる。大軍を率いて、圧倒的有利と思われていた“桶狭間の戦い”において、まさかの敗北を期した義元を三上がどのように演じるのか?信長を演じる海老蔵との緻密な駆け引きや、そしてその壮絶な最期にも注目だ。また三上は、海老蔵とは今作品が初共演となる。

信長の母・土田御前は黒木瞳が演じる

幼児期の信長は幾人もの乳母の乳首をかみ切ったと言われるほど、とても勘の強い子供であった。実の母親・土田御前は信長には手を焼く一方で弟・信勝には手放しで愛情を注いだ。このドラマでは、信長の弟や母とのゆがんだ感情も描かれる。そんな信長の実母・土田御前役を黒木瞳が演じる。宝塚月組トップ娘役から演技派女優になって以来、数々のドラマ・映画出演のみならず、昨今では自ら映画を演出するなど、ますます活躍のフィールドをひろげている黒木。フジテレビ系ドラマ『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(2018年10月~12月)では人生の黄昏期の切なくも可憐(かれん)な女心を演じた黒木が、今作品では二人の息子の間で戦国の世の無情を目の当たりにする。そんな微妙な心情をどのように演じるのか、こちらも楽しみだ。黒木と海老蔵の共演は舞台『オイディプス』(2019年)以来となる。

コメント

三上博史

このたび、今川義元を演じさせていただくことになりました。これまで、実在の人物を演じる機会は何度かありましたが、その都度、神経をすり減らしてきました。野口英世、宮沢賢治、中原中也、安倍晴明、鳥羽上皇、どなたにもお会いしたことがないのはもちろん、史実は断片しか教えてくれません。一人の世を生きた人物として、そしてその時代背景をみなさまに体感していただくには、どうしたらよいのか?それぞれの魂から叱責(しっせき)されないように、ありったけの想像力と直感と大胆な表現を駆使して、今回、今川義元に臨みます。

織田信長を演じます市川海老蔵さんとは、初めてご一緒しますが、撮影のその時、そこに、ぼくらではなく、織田信長と今川義元がふわりと立ち現れればよいなぁ、と心から願っています

黒木 瞳

今回のお話が来たときの感想。
昨年10月、市川海老蔵さんと、舞台『オイディプス』で、妻でありでも本当は母だったという役を演じておりましたので(お話がきたときは)何となくしっくりきました。市川新之助さんの時代から拝見させていただいていたこともあります。今回、母親役を演じさせていただいて光栄です
役を演じるにあたって気をつけたことなど。
土田御前は、鬼才な信長をどう扱っていいのかわからない・・・どうしても弟の方に愛情が偏ってしまう母親で、そんな二人の息子との距離感を大切にしました
海老蔵が演じる“織田信長”について。
海老蔵さんが信長と伺った時に、“視聴者の方はこれを待っていたのでは?”と思いました。“敦盛”のシーンも、華麗に舞うところに海老蔵さんならではの人間の業のようなものが入っていくのでは、と思いますので楽しみにしています
視聴者に見どころをお願いします。
数々映像化されている“織田信長”の中でも、今回は“桶狭間”に集約されているところが、最大の見どころだと思います。“うつけ”と言われた信長が、家臣をまとめて今川にたち向かっていく。そこまでの過程が描かれていることがとてもわかりやすく、“信長”という人物を描いていると思います

プロデュース・高井一郎
(フジテレビ第一制作室)

このドラマで今川義元が体現するものは、単なる一人の武将ではなく、圧倒的な権威としての時代の象徴です。武士(もののふ)の苛烈が高貴な薄衣を纏った(まとった)かのような存在感を、と脚本の大森さんと考えていた時に、河毛監督から最初に出たお名前が三上博史さんでした。実際にお会いしてみて、監督の目に間違いは無かった!!と思いました。全く新しい、底知れない今川義元が三上さんによって生まれると思います!

土田御前は、謎多き女性とされています。信長を疎んじ弟・信勝を溺愛したという説もあれば、信長やお市の方の遺児たちの面倒を親身にみたとされていたり。また、尾張の虎と恐れられた、信長の父・織田信秀の正室として、織田家の躍進の内助の功を尽くしたり。そんな、女性らしさの中の剛性、であったり、母性の中の狂気、たおやかさの裏の激情、といった、共存する二面性三面性を、黒木瞳さんなら、軽やかに、そして凛(りん)と演じてくださるものと信じています