桶狭間

OKEHAZAMA

3月26日(金)21時~23時32分

インタビュー

今川義元役 三上博史さん

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放送が決まった時の感想。
テレビドラマは即時性だと思っているので、作った作品は本当はすぐに見てほしいのが希望ではあります。でもこういう(コロナ禍という)ご時世で、撮影からは日が経ってしまいましたが、思いを込めた作品ですので、やっと皆様に見てもらえることができてうれしいです。
今回のお話がきた時の感想は?
桶狭間の戦いは歴史として知っているのですが、今川義元という人物はほとんど知らなかったので、まずはそこから調べ出しました。実際に会うことができるわけではないので、どこまで知ることができるのか?結局はたどり着けないのかもしれないのですが、撮影前に“今川ツアー”を行ったんです。まず合戦地の桶狭間に行って、そこから埋葬された場所がいくつかに分かれているので、静岡に向かって3カ所くらい、まず首塚(東向寺)から最後に菩提(ぼだい)寺を周って。友人の住職が“お墓参りをするのなら“とつきあってくれたので、二人で行脚して供養をしました。それが昨年3月でしたね。どこもひっそりと弔っていた場所なので、ちょっとした丘の裏側とかにお墓はあったのですが、ちゃんとお花が手向けられていました。“あ、よかった、ちゃんと見守ってくれている人がいるんだ”って思って、二人で“よかった、よかった”となごやかにお参りをしました。
今回の役を演じるにあたって。
言葉は違うかもしれませんが義元はとても家柄が良く、貴族ですので、その品格のようなものは演技では出せると思うのですが、一方で武将でもある。私は時代劇自体がほとんど経験がなく、特に武将の役の経験がないので、今までの役者人生で刀を持ったことがないんです。これは殺陣をやらなくてはいけないと思い、早めに京都に入ってずっと練習していました。殺陣師の方と相談しながら、本番までにいくつか(パターンを)想定して作り上げていったのですが、意外と本番はあっという間に終わってしまいました。他に思い出深いのは、美術スタッフさんの準備でした。事前に、“こういうものがあったらお芝居で使えると思うので用意してもらえたら”と、東京と京都でやりとりをしていたのですが、すごく気持ちをくんでくださって、あれもこれも用意してくださったんです。とてもスタッフさんの愛情を感じましたし、演じる上で助かりました。それは衣装にも言えることで、“こんな生地、今川は着るかもね”と、いろいろ考えて仕立ててくださって、本当に幸せな気持ちで撮影に臨めました。

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桶狭間の戦いのシーンの感想。
その時に実在した“魂”のようなものが、うすら見えたらいいなあと。義元の魂に僕が入っていくのか、僕の魂に義元の魂が入っていくのかわからないですが、何か少しでもその“魂”を見てくださる方が体感していただけたら作品として面白いのではないかなと思います。合戦シーンは、監督がどういうアプローチ、切り口で撮ろうとしていたのか・・・スペクタクルに撮りたいのか、心情よりで撮っていきたいのかわからなかったので何とも言えませんが、僕としてはその“魂”のアプローチが映ってくれたらいいなあと思います。舞台の世界でも、遠く離れていて、クローズアップしなくても魂が浮き出る場合もあります。これはもうできあがりを見てみないとわからないのですが。
海老蔵さんとの初共演の感想。
これまでご一緒したことがなくて、とても興味がありました。本番中は対峙(たいじ)するわけですが、それだけでは物足りないので、スタンバイの合間でいろいろな話をしました。監督も入って三人で話すと、三人ともてんでばらばらですごく楽しかったです(笑)。僕は断片的にしか見ていないのですが、僕が対峙(たいじ)させていただいたシーンでは、“あっ、信長ってこういう人だったんだ”という魂のエッジのようなものを海老蔵さんには感じました。僕の義元の魂の形とは違う対峙(たいじ)の仕方だと思います。
久しぶりの河毛監督の現場はいかがでしたか?
これまで時代劇でご一緒したことがないのでどうなるのかなあと思っていましたけれど、撮っているときは特に(普通のドラマと)変わらなかったように感じました。でもできあがってみたらきっと違うんだろうという予感はしています。監督は映画『ダンケルク』(2017年)をやりたいと撮影前におっしゃっていたんですけれど、どのような感じにできあがっているのか?楽しみです。
視聴者の皆様にメッセージをお願いします。
僕は信長(海老蔵さん)以外の方とのシーンがあまりなかったのですが、存じ上げている方ばかり出演されているので、その皆さんがそれぞれのシーンでどのようなお芝居をされて、この作品を作りあげているのかがとても楽しみです。きっとどのシーンを切りとっても面白いとと思いますし、ぜいたくな、すごく見応えがある作品だと思います。その中で僕は相変わらずちょっと狂気に走りますけれど(笑)。もちろんそうではないところもありますが、“あ、またやってる”と十八番(おはこ)だと思って見ていただけたらと思います。生き生きとお芝居できましたし、本当に楽しかったです。